The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (2) 

2017-10-05 | SHERLOCK S1E0 : A Study in Pinki (Pilot)
『SHERLOCK』S1E0 : ”A Study in Pink”『ピンク色の研究』Unaired Pilot :(2)



・・・・・その(2)

シャーロックとジョンが初めて会うシーンは、E0では殺風景な会議室の様な?PC
ルームの様な?雰囲気。 E1では正典通りラボでの設定でグッと雰囲気出ましたね。


ここで、シャーロックはPCでメールを打っています。
最初は、マイクロフト宛、

”When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improvable,
must be the truth”「不可能な事を全て除外して最後に残ったものが如何に奇妙なこと
であってもそれが真実となる」。
ここで最も有名なホームズ語録の1つを出してきましたね。 そしてマイクロフトが出演
して居なくてもさり気なく存在に触れている。ここはちょっと嬉しかったですね。
 そして、メールの文章は、正典”Adventure of the Blanched Soldier”「白面の騎士」を
はじめ、”The Sign of Four”「4人の署名」、”The Adventure of the Beryl Coronet”
「緑柱石の宝冠」等でも少し表現を変えながら何度か触れられています。
又、この語録は古今東西多くのミステリー小説には度々引用されていますし、ドラマ、映画
等でも良く耳にします。
例えば、スポックが口にしたのは良く覚えていますし、偶然先日久々に観ていた「クリミナル
マインド」再放送で、ギデオンが言ってました。 お~ッ!と嬉しかったですね~。
で、シャーロック自身が初めてこの語録を口に出したのはS2E2”The Hounds of Baskerville”
でしたねぇ。

そして、もう一通のメールは、グレッグソン宛。
”If you can see the church from the bedroom window, Davies is your man. ”「もし
寝室の窓から教会が見えるなら デイヴィスが犯人だ」
グレッグソンは正典ではレストレードと同様何度か登場していますが、BBC版では”The
Abominable Bride”で名前だけの登場でした。

その後、レストレードからのメール”Please call me” をニヤっとしながら即削除した
シャーロック。
レストレード相当焦っています。

E1ではラボに変更となりシャーロックはPCを使っていなかったので これらのメール場面は
使われておらず、その代わりにモバイルを貸したジョンが後で履歴を見た時に残っていた
テクスト
”If brother has green ladder
arrest brother.
SH ”
「もし兄が緑のハシゴをもっているなら、兄を逮捕しろ。 SH」に変わっています。


ジョンとスタンフォードが入って来てからのセリフも殆ど同じ。
シャーロックのいきなりの”Afganistan or Iraq ?”からの流れも同じ。(※ この
”Afganistan or Iraq?” も正典「緋色の研究」からの引用で、「君はアフガニスタン
に行った事がありますね?」。から)
スタンフォードに携帯を貸してくれと言うくだりは 目の前にPCがあるのに敢えて携帯
で・・・と云うのはチョット無理がある様な・・・。 E1でラボにしたのでこの点は
良かったと思えます。
そして、コーヒーを持って来たモリーに対して口紅のくだりもそのままE1へ。

いきなり ”How do you feel about the violin ?” そしてその後の「僕は時々何日も
口をきかない事がある」云々。


一方的に同居するものと決め掛かっているシャーロックのセリフもそのままE1へ。
 そしてこのセリフも正典からの踏襲です)
あれこれジョンに関する事を怒涛の早口でまくし立てる、それを聞いているジョンのあき
れ顔、そして別れ際ドアの前で振り返り、”The name's Sherlock Holmes and the address
is 221B Baker Street”でウィンクもそのままE1へ。

但し、怒涛の早口もウィンクもE1に比べるとやや控えめな感じ。 


翌日ジョンが221B にやって来てドアの前でシャーロックに会い握手。は、セリフを含めその
ままE1へ。

E1より柔らかでフレンドリーな雰囲気のシャーロック。
但し、ハドソンさんの店の名前が Cafe Restaurant ”Mrs. Hudson's Snax'n' Sarnies”と
なっている。 これはE1から ”Speedy’s Cafe”へ変更。


ドアの前でハドソンさんとハグ そしてジョンを2階へ案内。

部屋の内装が全く違う。 壁紙を含め全体にピンクっぽい(安っぽい?)雰囲気。
そしてハドソンさんの服装も含め E1で随分洗練された感じになっていました。
E1からの居心地良さそうなクラシックな雰囲気とは大違い。 何より違うのがシャーロック
とジョンの椅子。フツーです。 

暖炉の上にジャックナイフで手紙を刺す、スカルもそのままE1へ。( ナイフで手紙を
刺す・・・も前回「マスグレーブ家の儀式書」にも触れました様に正典からの引用です)

ハドソンさんが二人をカップルと勘違いしてしまうセリフ、ジョンがシャーロックのサイト
”Science of Deduction”(推理の化学)を見たよ。もE1へそのままですが、サイトを見た
ジョンの感想 ”amusing”はE1には無かったですね。

↑ 僕のサイトどう? 別人か?と思う様に若々しくて可愛い!

そして、レストレードが乗って来たパトカーを見たシャーロックが ”There's been a fifth”
「5つ目だ」(やっぱり事件が一つ多い!)

捜査協力の依頼を受けたシャーロックの、”Oh, brilliant ! I thought it was going to be
a dull evening. Honestly, you can't beat really imaginative serial killer where there's
nothing n the telly” 「素晴らしい! つまらない夜になると思っていたんだ。 正直な
ところ、TVで何の情報も無い時に想像上の連続殺人犯を追い詰める事なんて出来ないからな」
E1の ”It's Christmas!”もなく、うれしそうなハシャグ小躍りも抑え気味。

そして、ハドソンさんの、”I'm your landlady,dear, not your housekeeper”「私は大家
なのよ。家政婦じゃないんだから」は、この後もハドソンさんの持ちネタになります。


そして、出掛けようとするシャーロックがジョンを誘うシーン、
”Want see some more ?” 「もっと見たいかい?」に、”God, yes !” 「勿論!」のジョン、
”Come on, then” 「じゃあ来いよ!」のシャーロック、もこのままE1へ。 (即答のジョン
と嬉しそうなシャーロック。)

そして、ハドソンさんにシャーロックの、”The game, Mrs.Hudson, is on!” 「ゲームが始
まったんですよ、ハドソンさん」( ここで初めて 正典の”The game is afoot”を引用してきました)
これもそのままE1へ。なんですが、セリフがチョットわざとらしい(笑) E1にあったハドソン
さんのほっぺにチュウもなし。
2人はタクシーで事件現場に向かいます。



・・・・・to be continuedです。


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