左→相方のイラスト置き場で寝るにゃんこりん。ほぼ相方のそばにいます。
右→我が家の庭。宿根草のハーブがすごい勢いで伸びてます。ハーブの繁殖力は雑草並みです。
「前向き」な態度が、がん患者の生存率向上につながる・・・そういうエビデンスがあったようなんですが、ここ数年、それに対し疑問視する報告が相次いでいるそうです。
北海道新聞5/30夕刊の「医師の目 人の目~心という治癒力」(毎週水曜日連載)という広島大准教授・佐伯俊成さんのコラムに書かれていました。
ちなみに、前週のコラムでは、こう書かれていました。
「・・・(1985年)「前向き」な心構えの患者さんの方がはるかに生存率が高かったというデータが得られたのです。その後も同様の報告がいくつか続いたものですから、がん医療にかかわるスタッフの間では、患者さんや家族に「前向き」な態度を勧める傾向がとみに目立つわけです。・・・・・しかし、スタッフから励まされても、そうそう気持ちは前に向かないというのが現実です。それどころか前向きになれない自分を責めてしまって、さらに気分が落ち込む患者さんすら出てくる始末です。・・・・・「前向き」になれば、がんを生き抜くことができるのか、「前向き」な態度で生活した方が本当に長生きできるのだろうか、と。」
さらに今週のコラムに書かれてた内容を続けると・・・
「2005年イギリスのワトソンらが発表した報告。500人以上の乳がん患者さんのがんに対する心構えを5タイプ(前向き、不安、あきらめ、回避、悲観)に分けて、10年間死亡率を追跡調査したところ、「悲観」的な心構えの患者さんの死亡率はあきらかに上昇していましたが、その他のタイプと死亡率との間に特に意味のある関連は認められなかったのだそうです。」
そのことについて、佐伯さんはこのように言われています。
「がんに対する心構えは人それぞれでよく、「前向き」の方が特に長生きできるということではなさそうなのです。ただし「悲観」すぎる態度だけはどうも寿命を縮めてしまう可能性があるようです。」
「悲観的になりすぎないようにするためには・・・、それにはやはり、がん患者さん一人一人が、自分の病状、治療方針、今後の見通しなどの大事な情報について、主治医からきちんと説明を受け、その都度十分納得の上で療養することでしょう。」
私は、そうだなあ・・・と思いつつ読んでいました。
私自身は今の体調や経過がまあまあ良いこともあり、現在「悲観」になることは少ないです。でも、「前向き」になる日もあれば、「悲観」に傾く日もあるし、「不安」はないとは言えません。もちろん「前向き」でありたいなあとは思うけど、そんないつもいつも前向きでなんかいられないのが事実だし、体調が悪化したりすれば一気に悲観モードに入るような気がします。
「前向きに・・・」というのは悪いことではないし、悪気があるものではないし、私もつい言っちゃうことがあります。病気に限らず、むりやり自分に気合いを入れないと進んでいけないときもあります。
でも、私には以前からこの言葉にはやや抵抗があって、「後ろ向きで何が悪い!」というちょっとした逆ギレっぽい気持ちや「自然に生まれてきた気持ちも大事なのでは」という考えがあります。
前向きな自分も後ろ向きな自分も自分。どっちの自分も認めつつ、それでも歩いていかなくちゃ、「ありのままに・・・」「自然に」生きていけたらいいなっていうのが私の気持ちです。
そして、病気においては、当たり前のようで実際にはなかなか難しいことだけれど、「悲観的になりすぎないようにするためには・・・、主治医からきちんと説明を受け、その都度十分納得の上で療養すること」が大事だと私も思います。