ヌーおぢさんは投稿する

ネタが尽きるまでで始まり、現在に間延びしている・・・

エディプスの恋人:筒井康隆

2009-03-01 22:00:00 | 
七瀬シリーズ3部作の3作目。

大いなる「意思」で守られた少年と七瀬の恋愛を絡めたもの。


この3作目で、前作の「家族八景」「七瀬ふたたび」とは違って大きく展開する。


1983年:S58年発刊(1981年:S56年初版:新潮文庫)のもの


この作品の内容はすっかりと忘れていた。

しかし、どうも馴染めないという違和感をずっと抱いていた。



今回、改めて読み返して納得。

この、大いなる「意思」という設定・展開にあった。

前2作と比較して唐突過ぎるという感が。





*エディプス:エディプスコンプレックス「Oedipus complex」

ギリシャ神話による。
父母であることを知らずにオイディプス(エディプス)王が父を殺し、母を妻に。

フロイトの精神分析用語。
子供が無意識のうちに異性の親に愛着を。
同性の親に敵意や罰せられることへの不安を感じる傾向。
多くは男子と母親の場合を指す。

本作品でも母親との関係だが、母親が息子に愛着と言う内容。

ユンクでは、女子の場合はエレクトラ・コンプレックスと。
(この辺りの考え方も色々ある)

人間関係を三者関係(父母と子)、及び二者関係(父子or母子)の考えがある。
特に母子関係の一般扱い傾向にあることも問題提起されているようだ。

エディプスといえば、うろ覚えだが母子関係だと思っていた。
この辺りの本作品の設定内容というのに、私には肌が合わない。
だからなのか。それとも、その裏腹の反映なのか・・・・?

七瀬ふたたび:筒井康隆

2009-03-01 04:00:00 | 
七瀬シリーズ3部作の「家族八景」に続く2作目。


テレパスを持つ七瀬が同胞(原作ではこのような表現)の超能力者達と出会う。

そして、彼女達を抹殺しようとする組織に狙われる。


終局に至る設定や過程には不満が残る。

が、内容のテンポが良いのは筒井康隆らしい。



1984年:S59年発刊(1978年:S53年初版:新潮文庫)のもの



執筆当時(30年以上前)の時代背景や言葉など、今と比較すると面白い。




NHKドラマでは人物名、設定を幾つか踏襲。

が、大きくアレンジされている。