山口県周防大島の「日本ハワイ移民資料館」は日本の移民歴史を語ってくれる。
最近の日本で「移民」は不可思議な言葉といえる。
明治時代にかなりの移民数を出している。

この建物は明治後半にハワイへ渡った、大島出身の福元長右衛門の建てた家。
その子供に当たる方も80代という年齢に。
玄関を上がり框の右手が受付とおみやげコーナー。
マカダミアンナッツがあった!
大きいとはいえないが中庭がある。池は左官さんが修理していた。
当時のハワイの日本用教科書、雑誌、配布物なども展示。
近代のハワイの紹介もある。
和風の応接室もある。当時としては画期的な感じだろう。
ハワイ移民といえば、私の曽祖父が経験している。
失敗して帰ってきたようだが・・・
移民にも「官約移民」「自由移民」の2種がある。
1900年までの国や民間企業の斡旋での移民を「官約移民」、
1900年以降の移民を自由移民とに分けられており、規約上の優遇措置が。
実際は不履行も多かったらしい。
我が曽祖父は自由移民の立場で行ったようだ。
当時の日本の台所といえば土間のたたきだが、これは床レベルの近代的キッチン。


風呂は木製でなく、タイル貼りというのが凄い。
階段の傾斜も緩やかで、当時としては珍しいピアノや帰国時に持参した生活品や衣類。
これを見ると流石、分限者である。
夕方16:00頃に寄ったが、入館者は私たちを含め2組だった。
スタッフの方がハワイ移民・福元家・周防大島関連など色々と話をして頂いた。
写真もパノラマで見応えがある。当時の風俗や生活も分かる。
移民制度の是非と効用は別として、現実的に成功者の実例がここに存する。
これが歴史資料として存在するので後世に役立つ。
福元氏は成功を収め帰国(1928年:昭和3年)して、故郷を終の住処に。時に40代だった。
分限者と言われるが本人はどう思っていたのだろうか
兎も角、この地にその成果を見せ付けたのは事実である。
井戸も立派だ。
周防大島はその移民関連で町とハワイとで姉妹提携を。
以前、サザンセトに宿泊したときに、英語で話すアロハ着姿の日系高齢者の方々を見かけた。
これぞ姉妹都市!交流!という感だった。
当時としての先進的生活を、日本人的な和風に取り入れた建築家屋。
なかなかの見応えを感じた。
少し小高いところにあり、眺望もそこそこある。
場所は少し分かりづらいかも。
「
日本ハワイ移民資料館」
〒742-2103 山口県大島郡周防大島町大字西屋代2144番地
TEL 0820-74-4082
開館 9:30~16:30
休館日 月曜日(月曜日が祝日の時は翌日) 12月29日~1月3日
入館料 大人 400円 小人(小・中学生)200円