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一粒のタイル2

平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。(マタイ5:9)

読者を御父と御子の交わりに招くヨハネ

2023-04-17 06:25:20 | 平和への道
 ヨハネの福音書の記者であり、ヨハネの手紙第一の記者でもあるヨハネは、手紙の1章1~3節で読者を御父と御子との交わりに招いている。

Ⅰヨハネ1:1 初めからあったもの、私たちが聞いたもの、自分の目で見たもの、じっと見つめ、自分の手でさわったもの、すなわち、いのちのことばについて。
2 このいのちが現れました。御父とともにあり、私たちに現れたこの永遠のいのちを、私たちは見たので証しして、あなたがたに伝えます。
3 私たちが見たこと、聞いたことを、あなたがたにも伝えます。あなたがたも私たちと交わりを持つようになるためです。私たちの交わりとは、御父また御子イエス・キリストとの交わりです。

 ヨハネたちが聞いたもの、見たもの、さわったものについて、手紙は多くを伝えていない。多く伝えているのは福音書のほうだ。ヨハネたちは読者を福音書において御父と御子との交わりに招いて、読者が豊かな霊性を育むことができるようにしてくれている。

 ヨハネが読者を霊的な場に招いていることを最も強く感じるのが、ヨハネ1章の38節と39節のイエスのことばだ。イエスは自分について来た二人の弟子たちに言った。

ヨハネ1:38「あなたがたは何を求めているのですか。」
39 「来なさい。そうすれば分かります。」

 イエスのこの招きに応答する読者は御父と御子との交わりの中に入れられる。そうして、イエスと共に旅を続ける中で豊かな霊性が育まれて行く。

 このヨハネ1:38-39を下図のようにマタイ・マルコ・ルカ的に読むなら、読者は1世紀の地上のイエスと弟子たちとの会話を外から眺めているだけだ。しかし、ヨハネの霊的な読み方をするなら、読者は御父と御子との交わりの中に入れられて、天の御子が読者に「あなたがたは何を求めているのですか。来なさい。そうすれば分かります。」と語り掛けていることを感じる。



 前回までの「ルビンの壺」の図では示さなかったが、ヨハネの霊的な読み方をしている読者は常に、御父と御子との交わりの中に入れられている。従って、ヨハネ3章のモーセが荒野で蛇を上げた場面においても、ヨハネ4章のイエスが女に「水を飲ませてください」と言った場面においても、21世紀の読者はその中にいて、聖書の場面を間近に感じることで豊かな霊性を育むことができるようになっている。ヨハネの福音書とは「霊性育成プログラム」の教科書とも言えるだろう。



 それゆえ前回のヨハネ11:35「イエスは涙を流された」の場面の中にも読者は入れられていて、戦災を悲しむ御父と御子と共にいる。



 「世界のベストセラー」と呼ばれて、世界で一番読まれていると言われる聖書の読者の多くが、ヨハネの福音書を霊的に読むことができるようになり、御父と御子が戦災を悲しんでいる様子を間近に感じながら悲しみを共にするなら、世界は必ず平和になるだろう。それが「平和への道」だ。(つづく)
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