知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

設計事項の扱い

2008-02-03 17:49:51 | Weblog
事件番号 平成18(行ケ)10478
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成20年01月30日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 田中信義

『・・・審決は,甲第1号証の各記載から,引用発明1として,課金を課金用識別情報の代わりにユーザー情報を用いて行う発明を認定したものと認められ,このとき,上記のとおり,ユーザー情報は,発券要求情報に含まれるから,引用発明1は,検索前にユーザー識別情報を送信するものである。

 また,審決は,「・・・」があることを認定したものであって,引用発明1に,「・・・」が存在し得ないことを前提とする原告の主張は,前提において誤りである。

 したがって,審決に,原告の主張する相違点の看過はない

 さらに付言すると,ユーザー識別情報を送信するステップがユーザーに一つのホテルを選択させるステップ」の前にあるか,後にあるかは設計事項であり,この点を相違点と解したとしても審決の結論を左右するものではない。』

(筆者メモ)
 相違点と引用文献1を適用と、ユーザ識別情報の送信のステップが、ホテル選択のステップの前にあるか、後ろにあるかの相違はあった。しかし、その相違は設計事項であり、結論を左右しないとした。

 設計事項とは、技術思想は同一で設計上の差にすぎないものをいうから、「結論を左右しない」は、設計上の差があったとしても、技術思想としては同一で実質的な相違点はないという意味に解釈できる。
 

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