知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

損害額の現実化の時と遅延損害金発生の始期

2009-01-25 21:07:27 | Weblog
事件番号 平成18(ネ)10008
事件名 損害賠償請求控訴・同附帯控訴事件
裁判年月日 平成21年01月14日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
裁判長裁判官 塚原朋一

8 結語
 以上のとおりであるから,被控訴人の請求は,本件特許権の評価額,すなわち本件の損害額1862万5000円に弁護士費用300万円を加えた2162万5000円及びこれに対する不法行為の日である平成9年11月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を求める限度で理由があり,その余は理由がないこととなる(なお,本件債権は,富士千が銀行取引停止処分を受けて期限の利益を喪失した平成10年3月23日の時点で履行遅滞に陥ったものであり,そのころ,本件質権を実行することによって回収できたはずの本件債権の債権額が本件質権を取得することができず回収ができなかったことによって,損害が現実化したことになるが,それは損害額の認定手法の問題であり,本件の不法行為に基づく損害賠償債権の遅延損害金発生の始期は不法行為日である平成9年11月17日であることに変りはない。)。

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