知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

請求書却下決定後で同決定の確定前の手数料納付

2007-08-04 12:18:20 | Weblog
事件番号 平成11(行ケ)18
裁判年月日 平成11年03月25日
裁判所名 東京高等裁判所
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 清永利亮

『第2 原告は、平成11年1月8日に指定金額の印紙を貼付した手続補正書を提出したから、本件却下決定は取り消されるべきである旨主張する。
 しかしながら、手続について納付すべき手数料を納付しないとして補正を命ぜられた者は、遅くとも請求書却下決定がされるまでにこれを補正すべきであって、請求書却下決定がされた後は、たとえ同決定の確定前に手数料を納付しても、有効な補正があったということはできないものと解するのが相当である(被告挙示の最高裁第二小法廷判決参照)。したがって、本件却下決定の結論は正当である。
 この点について、原告は、たとえ請求書却下決定がされるまでに手数料を納付しなくとも、同決定の取消訴訟の弁論終結までに手数料を納付すれば審判請求は適法であると解さなければ、手数料不納付を理由とする請求書却下決定に対する取消訴訟の提起を認めている特許法178条1項の規定が空文化する旨主張する。しかしながら、例えば適法にされた手数料納付を看過してされた請求書却下決定に対しては、取消訴訟の提起が認められるのであるから、特許法178条1項の規定が空文化するとはいえず、原告の上記主張は失当である。
 なお、原告は、上記判決の見解は変更されるべきであると主張するが、当裁判所も上記判決の見解に立つものであって、この見解は変更されるべきものとは解されない。』

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