徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

琵琶行にひたる

2020-11-14 21:48:04 | 音楽芸能
 今日は、熊本市民会館で開かれた邦楽音楽会「ひらけ!邦楽のトビラ」を聴きに行く。第17回くまもと全国邦楽コンクールで最優秀賞を受賞した箏の佐藤亜美さんと尺八の佐藤將山さん姉弟によるこじんまりとした、しかしディープなコンサートだった。なかでも「琵琶行」は筝曲で最も好きな曲目。この曲のモチーフとなった白居易の長編叙事詩(和訳)を再度読み直し、場面場面を思い描きながら聴き入ったが演奏時間の約20分があっという間に過ぎ去った。
▼琵琶行あらすじ
 秋、訪ねて来た旧知を夜の船着場に送り、舟中で別れの杯を傾けていると、どこからか琵琶の音が聞こえてくる。その音はどことなく雅びていた。音の主を呼び入れると、かつては長安の一二を競う美妓で、琵琶の名手と謳われていたが、今は年をとって容色衰え、商人の妻になったという。その見事な琵琶の音を聴きながら、今の悲しい境遇に、白居易は江州司馬に左遷された自らの境遇を重ねる。

熊本城長塀の復活!

2020-11-13 17:48:49 | 熊本
 4年前の熊本地震で倒壊した坪井川に沿った長塀(国指定重要文化財)の復旧工事が終わり、以前と同じ美しい姿を現しました。熊本市民の目に最も触れることの多い歴史遺産であり、地震からの復興が着実に進んでいることを実感させます。



 案内板には次のように書かれています。

 現在の坪井川に沿って建てられた全長242mの長い塀です。加藤時代には花畑屋敷と熊本城を往来するための橋と入口が長塀の中央付近にありましたが、細川時代にこの入口はふさがれ、現在のような一直線の長い塀になりました。平成28年(2016)の地震で東側の約80mが倒壊し、背後の石製控柱も多くが破損しました。長塀下の石垣は明治22年(1889)の地震では大きく崩壊しましたが、今回の地震ではほとんど変化がありません。


熊本民謡「五十四万石」(2013.9.21 熊本城本丸御殿)

今年の紅葉狩りは…

2020-11-11 22:46:58 | 日本文化
 毎日、各地の紅葉だよりが届く。熊本市内はまだまだこれからで、見頃まであと10日くらいか。
 過年度の紅葉風景を写真で見ながら、今年の紅葉狩りの予定を思案するのもまた楽しい。


旧細川刑部邸前(中央区古京町)


旧細川刑部邸(中央区古京町)


味取観音瑞泉寺(北区植木町)


水前寺成趣園(中央区水前寺公園)


成道寺(西区花園)


オルレアンの少女

2020-11-10 19:16:27 | 音楽芸能
 昨夜放送されたNHK-Eテレの「沼にハマってきいてみた 特別企画『ヌマーソニック2020』」に玉名女子高校吹奏楽部が再び登場。先月、大分県佐伯市で行われた「第1回SAIKI吹奏楽フェスタ」で9ヶ月ぶりの演奏を披露した時の様子が映し出された。曲目は「オルレアンの少女」と「宝島」。「オルレアンの少女」は割と新しい吹奏楽曲のようだ。

 「オルレアンの少女」というのはフランスの国民的ヒロイン、ジャンヌ・ダルクのこと。ふと、4年前に他界された喜多流能楽師の狩野琇鵬先生が、8年前にジャンヌ・ダルクを能劇化され、フランス各地で公演されたことを思い出した。

 この後、玉女吹奏楽部は、人気女性ボーカルグループ Little Glee Monster(リトル グリー モンスター)と「♪世界はあなたに笑いかけている」をバーチャル空間でコラボ演奏をした。


玉女吹奏楽部が「オルレアンの少女」を披露

2012年の「ジャンヌダルク600年祭」を記念し、狩野琇鵬さん自ら演出した新作能「ジャンヌ・ダルク」を、オルレアン、パリ、エクサンプロバンスで公演。

やっぱり「花畑広場」に!

2020-11-09 18:47:47 | 熊本
 熊本市は再開発中の桜町・花畑地区の「(仮称)花畑広場」と周辺にある花畑公園や辛島公園、それにシンボルプロムナードを含んだエリア一帯に愛称をつけることにし、4つの候補から市民の投票で決定するというニュースが流れたのは今年1月のこと。その後、何の音沙汰もないなぁと思っていたら、今日夕方のTKUニュースによると、結局「花畑広場」に決定したそうだ。
 4つの愛称候補というのは「花畑広場」「サクラノテラス」「くまダタミ」「キャッスルモール」の4つだったが、やっぱり落ち着くべきところに落ち着いたという感じだ。後は来年秋の完成を待つばかりとなった。


完成予想図


今年1月のNHKによる街頭アンケートの様子。畠山衣美アナ(現在NHK大阪局勤務)

コロナ情勢と来年のイベントは?

2020-11-08 17:59:22 | 話題
 今日は先々月他界した玉名市大浜町の叔父の四十九日。朝から車で出かけた。法要が行われた光善寺は、今年、10年に一度の年紀祭が開催される予定だった外嶋住吉神社のお隣り。法要の後の雑談で、当初来年に延期の予定だったが、現下のコロナ情勢を考慮し、来年も行われないことになったという。次に開催されるのは何年後になるのか未定のようだ。玉名市の重要無形民俗文化財に指定されているこの祭りを見ることができるのは今年がラストチャンスと思っていたので残念だ。
 来年2月の熊本城マラソンもすでに中止が決まっており、その他のイベントもいくつか中止の情報がある。最近再びコロナ感染者が増勢に転じている状況を考えると東京オリンピックもいよいよ暗雲が垂れ込めてきた。


帰路通った松尾町平山のみかん畑

時の流れに感動 (T▽T)…

2020-11-07 21:49:51 | テレビ
 「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK-総合)は放送開始から25年が過ぎ、今、コロナでロケができないこともあって、過去の総集・特別編を放送している。放送開始時からほとんど見ているので、総集編を見ていると随分前に見た映像が出てきて楽しい。先日放送された「2020特別編 三浦大知と秋田スペシャル」では過去11回訪れているという秋田県の思い出を振り返っていた。なかでも、鶴瓶さんが19年前に訪れた象潟町で出会った小さな女の子は印象深く、映像を見てすぐに思い出した。曾祖母のことを「ババァ」と呼んだり、返事するとき「ハイ、ハイ」と言って鶴瓶さんから「ハイは一度でいい!」と注意されたり。あれから19年経った女の子が綺麗な25歳の女性として登場。時の流れにただただ感動した。


水前寺成趣園に翁(おきな)が舞う!

2020-11-06 18:01:49 | 伝統芸能
 2020年東京オリンピック・パラリンピックを機に、文化庁が日本の文化芸術の振興を図り、その魅力を発信するため、日本全国を舞台に展開している「日本博」事業の一つが「翁プロジェクト」。
 この「翁プロジェクト」の一環として、来年3月、楽しみな公演が熊本で行われる。
 
▼「翁」熊本公演
  • 公演日:2021年3月9日(火)
  • 場 所:水前寺成趣園 能楽殿
  • 出 演:喜多流宗家預り 友枝昭世(人間国宝)
 およそ650年にわたって今日まで受け継がれてきた能。古来、能の正式な上演の場合、最初に必ず演じられていたのが「翁」。「翁」は能楽の源流とされる極めて儀式的な演目で、世界の未来の平和と安泰を言祝ぐ舞である。
 「翁」の成立やその意味は謎に包まれている。異なった宗教を包含し、自然と共生する姿として立ち現れる翁は、日本のみならず、人類社会全体に示唆を与えてくれる存在ではないだろうか。(翁プロジェクトHPより)

 承平四年(934)に京より祇園社(八坂神社)が肥後国に勧請されるのに伴い、六人の楽人が供奉して肥後に定住し、やがてその子孫が祇園社(北岡神社)専従の能楽師となった。その系譜に連なる家の一つが友枝家。
 江戸時代において、肥後の能楽は、祇園社(北岡神社)の猿楽座である本座と、藤崎八旛宮の猿楽座ながら祇園社の祭礼にも勤仕していた新座とによって営まれており、本座の能大夫が喜多流の友枝家、狂言大夫が小早川家、新座の能大夫が金春流の桜間家、狂言大夫が野間家だった。彼らは神事能にとどまらず、細川氏のお抱え役者として藩主主催の演能などにも勤仕し、肥後能楽の隆盛を支えた。


2017年1月、国立能楽堂での「萬狂言特別公演」で「翁」を演じる人間国宝・友枝昭世師


白色尉の面を着けた翁は「神さび」へ。天下泰平、国土安穏を祈って荘厳にゆったりと舞う。


水前寺成趣園能楽殿

カルーソ そして ララ・ファビアン

2020-11-05 17:56:12 | 音楽芸能
 ブログを通じて交流させていただいている「ソプラノ素子の日記♪」さんは熊本市在住のソプラノ歌手。彼女とのやりとりの中で、サラ・ブライトマンが歌う「Time To Say Goodbye」はもともとイタリアの歌曲で「Con Te Partirò」という題名であることを教えていただいた。ご自身もこの曲をイタリア語で歌っておられるそうだ。
 そこでふと思い出したのがララ・ファビアンが歌う「カルーソ(Caruso)」。この歌は48歳の若さで夭折したイタリアの伝説的なテノール歌手、エンリコ・カルーソの晩年を歌ったもので、ララ・ファビアンの歌う曲の中で一番好きな曲だ。
 ララ・ファビアンはベルギー出身だが、英語、フランス語、イタリア語などマルチリンガルな歌手として知られている。ちなみに母親はイタリア人。彼女のファンになったのは20年ほど前、日本でもラジオでよく流れていたアップテンポの曲「 I Will Love Again」にハマってからである。
 今日はエンリコ・カルーソの残っている音源の中から「オー・ソレ・ミオ」とララ・ファビアンがイタリア語で歌う「カルーソ」を聴いてみた。





玉女吹部 再び「沼ハマ」に登場!

2020-11-04 14:27:55 | 音楽芸能
 先月24日に放送されたNHK-Eテレの「沼にハマってきいてみた 特別企画『吹奏楽沼拡大版スペシャル』」に玉名女子高校吹奏楽部が登場しましたが、来週放送される「ヌマーソニック2020」に再び、玉名女子高校吹奏楽部が登場します。

 放送日時:11月9日(月)18:55~19:55(NHK-Eテレ)

 今回は人気女性ボーカルグループ Little Glee Monster(リトル グリー モンスター)などとのバーチャル空間での共演が見られそうです。




那須高原の旅

2020-11-02 22:33:19 | 日本文化
 今夜の「秘境路線バスに乗って飲食店を探す旅」(テレ朝)の舞台は那須高原。3年3ヶ月過ごした那須にはなつかしい思い出がいっぱいだ。那須湯本にあった会社保養所の管理も僕の仕事の一つだったので、多いときは週に3回は那須高原に登った。那須与一ゆかりの「那須温泉神社(なすゆぜんじんじゃ)」、九尾の狐伝説の「殺生石」、那須岳、沼ッ原湿原、そして那須湯本温泉等々。冬にはスキーも楽しんだ。
 ところで、「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」的な話をすると「那須さん」というお名前は、下野国(今の栃木県)がルーツだと言われているが、日本全国で「那須さん」の人数が多いのは宮崎県と熊本県がトップ2だそうである。そこでピンとくる方も多いと思うが、平家落人伝説の残る宮崎県椎葉村と熊本県五家庄(現八代市泉町)。いずれの伝説も平家落人追討にやって来たのが那須与一の一族で、そこにとどまって子を生すという話。宮崎と熊本の那須さんが全部その子孫だとは思わないが、壇ノ浦で平家が滅亡して835年。時空を超えたロマンを感じる。


那須・茶臼岳


平家落人伝説を唄った宮崎県民謡「ひえつき節」

007よ永遠に

2020-11-01 16:51:44 | 映画
 昭和39年(1964)、僕は上京して大学に進学した。通学は、東横線で渋谷まで行き、山手線、中央線と乗り継いで市ヶ谷までというルートだった。渋谷で乗り換える時、ホームから見える渋谷パンテオンの映画看板を眺めるのが毎日の楽しみだった。入学して間もない頃、銃を構えたショーン・コネリーの大看板がかかった。「007 危機一発」とあった。前年に公開された「007は殺しの番号」のシリーズだとは知っていたが、前作のタイトルがいかにもB級アクションを思わせるものだったので見ていなかった。おそらく第2作も同じだろうと思っていたが、世間の評判がエラく良く、ある日、とうとう僕も渋谷駅から連絡通路を渡ってパンテオンに見に行った。実に面白い映画だった。後に2番館にかかっていた第1作の「007は殺しの番号」も見ることになる。7、8年後に両作品ともリバイバル公開されたが、タイトルはそれぞれ「007 ドクター・ノオ」と「007 ロシアより愛をこめて」と原題どおりに改題された。ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドは初期の5作品プラス1の計6作品だが、僕にとってジェームズ・ボンドはこの人をおいて他にない。
 ただし、彼の全出演作品の中から3本選ぶとすれば次の3本になるだろうか。
  • 007 ロシアより愛をこめて(1963)
  • 風とライオン(1975)
  • 薔薇の名前(1986)

 英国のEU離脱でスコットランドの独立問題が再燃しており、かつて独立運動の先頭に立っていた彼はその帰結を見ないままだったのは無念だったのではないだろうか。
 心よりご冥福をお祈りいたします。


007 危機一発(007 ロシアより愛をこめて)


1967年「007は二度死ぬ」で丹波哲郎、浜美枝とともに


1975年「風とライオン」キャンディス・バーゲンとともに


1986年「薔薇の名前」クリスチャン・スレーターとともに


2000年、イギリスのエリザベス女王からナイトの称号を与えられる


マット・モンローが歌う「ロシアより愛をこめて」