徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

春日ぼうぶら

2019-10-11 22:34:02 | 熊本
 知人より民謡「おてもやん」でおなじみの「春日ぼうぶら」をいただく。「春日ぼうぶら」とは、かつて春日村で広く栽培されていたかぼちゃの一種。
 その昔、ポルトガルから伝来した野菜「abobora(アボボル)」が語源だという。今では旧春日村の周辺もJR熊本駅を中心に開発が進み、「春日ぼうぶら」を栽培する農家もほとんど姿を消したが、「春日ぼうぶら保存会」の活動などにより復興が進められ、今では肥後野菜の一つに指定されている。
 「おてもやん」に歌われる「春日ぼうぶらどん」というのは、古桶屋町の普賢寺で行われる夜聴聞の日、参道や境内にたむろする多くの若者たちのなかの、着物の裾をまくった品のない男たちのことを「春日ぼうぶら」にたとえた比喩表現で、やや卑猥な匂いもするが、作者の永田イネ一流のユーモアセンスを感じる。
 僕も知ったかぶりして語っているが、実は「春日ぼうぶら」はまだ食べたことがない。せっかく戴いたので、その味を確かめてみたい。





10月10日に思うこと。

2019-10-10 22:25:33 | 
 毎年、この日になると僕は釈然としない気持になる。10月10日は55年前の1964年に東京オリンピックの開会式が行われた日。その2年後、この戦後復興の象徴ともいうべき日を記念して「体育の日」として国民の祝日となった。
 ところが、2000年になると、「ハッピーマンデー法」とかいうわけのわからない法律で、10月の第2月曜日に変更された。10月10日という日にちそのものに意味があるのに。さらに、2度目の東京オリンピックがやって来る来年に限って、開会式が行われる7月24日に変更されるという。しかも名称は「体育の日」から「スポーツの日」に変更するのだそうな。何をやってるんだか、まったく理解できない。東京大会が決まってから国立競技場の問題やらエンブレムの問題、ほかにも様々な問題が露見しているが、ますます大会への関心が醒めていくばかりだ。

舞妓 叶久(かのひさ)さん

2019-10-09 17:08:44 | 音楽芸能
 鶴屋百貨店において毎秋恒例の「大京都展」が今日から始まり、オープニングイベントとして京都の舞妓さんによる舞披露が1階のサテライトスタジオで行われた。今回やって来たのは祇園東のお茶屋「叶家(かのや)」の叶久(かのひさ)さん。叶久さんは、昨年3月、鹿児島の中学校を卒業と同時に叶家に住み込みを始め、10月にお見世出しとなって舞妓デビュー、それからちょうど1年を経過したが、上唇にはまだ紅をさしていない初々しい舞妓さん。今日はインタビューも交えながら「わしが在所」「もみじの橋」「祇園小唄」の3曲を披露。まもなく上唇にも紅をさし、一人前の舞妓として活躍することだろう。









即位の礼と古典芸能

2019-10-08 17:19:15 | 音楽芸能
 10月22日の「即位礼正殿の儀」で来日する外国の元首らをもてなす晩餐会では、狂言師の野村萬斎さんの総合プロデュースにより日本の伝統芸能が披露される。29年前、現上皇様の平成天皇即位の晩餐会でも歌舞伎と能が披露されたが、能は外国の人にはわかりにくかったということで、今回は分かりやすい形にすることを重視するらしい。どんな形で分かりやすくするのかわからないが、古典は古典としてそのままを観てもらうことが重要なのではないかと思うのだが。


野村萬斎さんによる三番叟・揉みの段(G20大阪サミット 2019.6)

九曜紋の竹灯籠(カバー写真)

2019-10-07 18:57:19 | 熊本
 カバー写真だけでは、いったいこれはナニ?とお思いだろうが、実はこれ、「九曜紋」をかたどった竹灯籠である。その正体が下の写真。灯り用の穴をくりぬき、円形になるように切りとった竹筒を束ねている。「九曜紋」とは熊本藩の藩主だった細川氏の家紋で、「細川九曜」とか「離れ九曜」などとも呼ばれる。細川氏は寛永9年(1632)から明治2年(1869)の版籍奉還まで二百数十年にわたり、肥後五十四万石をおさめた。「九曜紋」は真ん中の大きい円が太陽を表し、まわりの八つの小さい円が太陽系の惑星を表している。「九曜紋」の竹灯籠越しに見る細川氏の居城、熊本城が3年前の熊本地震以来初めて特別公開が行われている。


細川九曜紋をかたどった竹灯籠


暗くなるとこう見えます。

幻の東京オリンピックからの…(今夜の「いだてん」)

2019-10-06 21:31:24 | スポーツ一般
 1940年の東京オリンピックが2年後に迫る中、嘉納治五郎が客死し、混乱する組織委員会と、日中戦争の長期化により世界から東京オリンピック開催への反発は激しさを増し、追い詰められた日本はついに大会返上を決定する。嘉納に夢を託され五輪開催推進に奔走してきた田畑政治は、同僚の返上論者河野一郎と激しく対立するが。
 実はこの二人、それから25年ほど後の1964年東京オリンピック開催の原動力となって活躍するのである。招致運動に奔走し、悲願の東京開催へ漕ぎ着けた田畑と、開催準備やオリンピック担当大臣として辣腕をふるった河野。
 僕が学生の頃、田畑さんは水連の大先輩でもあるので何度か間近で拝見したことがあるし、河野さんは著名な政治家で、オリンピック担当大臣だった時は、記録映画を担当した市川崑監督との「記録性」をめぐる激しい論争もなつかしい。
 「いだてん」における若い頃の二人のやりとりを見ながら、何かジーンと来るものがあった。


田畑政治(阿部サダヲ)と河野一郎(桐谷健太)

ようこそ おいでました!

2019-10-04 22:10:40 | イベント
 今日から城彩苑わくわく座では、ラグビーW杯熊本大会を明後日に控えて、国内外のお客様をおもてなしする舞踊団花童の公演「茶の舞」が始まりました。まず、わくわく座前のロビーで花童たちによるお茶とお菓子の接待の後、舞台では日本の風土や文化をテーマにしたプログラムが並びました。フランスからのお客様も十分満足された様子でした。

 出演は舞踊団花童のほか次のとおり

 筝:小路永こずえ・小路永和奈 尺八:佐藤優 小鼓:中村花誠 大鼓:今村孝明

 明日5日(土)も16:45 より行われます。


公演前のデモンストレーションをする花童

ラグビーW杯熊本大会おもてなしイベント

2019-10-03 22:49:28 | イベント
 いよいよラグビーW杯熊本大会が迫って来ましたが、試合が行われる10月6日(日)と10月13日(日)には、試合開始に先立ち、おもてなしステージイベントが行われます。イベント会場は試合が行われる熊本県民総合運動公園スタジアムの隣り「いこいの広場」です。
プログラムは次のとおり

10月 6日 13:50 熊本城おもてなし武将隊
       14:15 千原太鼓保存会
       14:35 舞踊団花童
       14:55 よさこい熊本

10月13日 14:20 葦北鉄砲隊
       14:40 山鹿灯籠踊り保存会
       15:00 新町獅子舞保存会
       15:20 熊本城おもてなし武将隊

※また、10月4・5日の両日、城彩苑わくわく座において「熊本市PR特命大使」の舞踊団花童によるおもてなし舞台「茶の舞」が行われますので合わせてご案内いたします。
 両日とも16:45開始です。


舞踊団花童

高次倍音のこと、そしてホーミーのこと。

2019-10-02 13:04:51 | 音楽芸能
 先日放送されたNHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」の中で、神秘の歌声、七色の歌声などと評されるひばりさんの歌声の秘密が解き明かされました。歌声解析の研究者によって、ひばりさんの声に「高次倍音」と呼ばれる特殊な音が見つかりました。歌声の音の高さを示す周波数は、主に1,000Hz~5,000Hzの間で構成されます。これは他の歌手も同じ分布です。ところがひばりさんの声には7,000Hzを超える「高次倍音」が含まれていたのです。「高次倍音」とは基の音の周波数より何倍も高い音、つまり数オクターブ上のもう一つの音です。ひばりさんはこの複数の音を同時に出し、一人でハーモニーを奏でていたというのです。
 この「高次倍音」が含まれる典型はモンゴルに伝わる伝統的歌唱法「ホーミー」です。舌を特殊な形で動かし、低いうなり声とかん高い音を同時に出し、そのハーモニーが幻想的な世界を創り出します。この「ホーミー」の日本における第一人者と目されるのが、馬頭琴・ホーミー奏者の岡林立哉(おかばやしたつや)さんです。日本各地でライブを行なっておられ、熊本にも度々訪れておられます。これまで4回ほどライブを拝見(聴)させていただきましたが、最初聴いた時は、どこから音が聞こえて来るのかキョロキョロ見回したほど異次元の世界が広がります。機会がありましたらぜひ一度ライブでお聴きいただくことをお勧めします。


岡林立哉さん