徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

篠島さのさ

2019-10-15 18:02:33 | 音楽芸能
 東海風流チャンネルに新しい曲がアップされた。今回は「篠島さのさ」。
 篠島は加藤清正公ゆかりの島。愛知県知多半島の先端沖3㌔に浮かぶ周囲8㌔ほどの小さな離島である。この島は名古屋城築城の際、天守石垣の普請を担当した清正公が、この島特産の花崗岩を切り出した。ここから石を船に乗せ、伊勢湾を北上、当時は海岸線にあった熱田神宮の南側、七里の渡し辺りで陸揚げし、あとは名古屋城まで伝説の「清正公石曳き」となるわけである。篠島には今でも、あまりの大きさにどうしても切り出せなかった「清正の枕石」が残っているという。そういえば、熊本の花岡山にも清正公が切り出そうとして山上の狐から止められたという「八枚石」の伝説があり、石の切り出しには大変な苦労が伴ったのだろう。
 篠島の「清正の枕石」伝説は、この「篠島さのさ」にも唄い込まれている。「さのさ」の歴史については本條秀五郎さんがビデオの中で説明されているが、幕末から明治にかけて長崎に中国から伝わった明清楽の「九連環」という音楽が日本人によって「法界節」となり、さらにお座敷音楽としてアレンジされて「さのさ」となった。「さのさ」は明治30年代に流行し、日本各地でそれぞれのバージョンが作られた。 そんな歴史に思いを馳せながら「篠島さのさ」を聴いていると趣深いものがある。