熊本地震で石垣が崩れ、通行不可となっていた二の丸御門は、現在、仮設通路が確保され、二の丸広場から旧細川刑部邸や熊本博物館へ下りることが可能となっています。市民の憩いの場となっている二の丸広場は、旧藩時代、重臣たちの屋敷が立ち並んでおり、その間を縫って街道が通っていました。現在の熊本YMCA中央センターのあたりにあった新一丁目御門前には札の辻があり、豊前・豊後街道などの起点となっていました。新一丁目御門から法華坂を登った街道は、現県立美術館の入り口付近にあった住江門をくぐり二の丸に出ます。そして高い塀に囲まれた大きな屋敷が並んだ間の通路を通り、北の二の丸御門に抜けていました。ここを薩摩藩の参勤交代も通っていたのです。通る方も通させる方も相当緊張したことでしょう。槍を立てて通ろうとすると狭間から銃口が覗くという一触即発の危機もあったようです。
安全な仮設通路が確保されている二の丸御門
熊本地震直後の様子(熊本市資料より)
安全な仮設通路が確保されている二の丸御門
熊本地震直後の様子(熊本市資料より)