徒然なか話

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セント・ルイス・ブルース

2022-12-13 19:35:59 | 音楽芸能
 今日のBSプレミアム「プレミアムアーカイブス ハイビジョンスペシャル 世紀を刻んだ歌2~ セント・ルイス・ブルース~」は感動的だった。初回放送は2002年だそうだから20年前になるが僕は初見だった。
 アメリカのアラバマ州で生まれた黒人のW・C・ハンディが、無一文でセントルイスの橋の下に野宿していた頃、施しを受けた黒人娼婦のひと言から発想してこの歌が誕生したこと。この歌を世界に広めたのは、1917年に始まった第1次世界大戦に参戦したアメリカ軍の「ハーレム・ヘル・ファイターズ」と呼ばれた黒人部隊が楽団を編成し、戦地で「セント・ルイス・ブルース」を演奏したことがきっかけだったこと。その後、ドイツにナチスが台頭するとジャズは「敵性音楽」として徹底的に弾圧されたこと。さらに第2次世界大戦後の冷戦時代に入るとソ連のスターリンの下で、もてはやされたり弾圧されたりと波乱万丈の経過をたどりながら、ジャズの名曲として、誕生以来多くの音楽家によってアレンジされ、世界各地で1,500回以上の録音が行われてきたという。
 僕がこの曲を「セント・ルイス・ブルース」と認識して聞いたのは映画「グレン・ミラー物語」(1953)を見た時が最初だったと思う。グレン・ミラーはこの曲を「セント・ルイス・ブルースマーチ」としてアレンジし、アメリカ軍の正式なマーチとして認定されているという。

 下の映像は1949年の「エド・サリバンショー」で「セント・ルイス・ブルース」をトランペットで演奏する作曲者のW・C・ハンディ。


 玉名女子高吹奏楽部は、グレン・ミラーをお手本として活動してきており、グレン・ミラー生誕の地であるアイオワ州クラリンダで毎年行われる「グレンミラー・フェスティバル」に度々参加している。それが縁となり玉名市とクラリンダ市は姉妹都市となっている。玉名女子高のマーチングは「セント・ルイス・ブルースマーチ」を定番曲としている。


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2 コメント

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Unknown (小父さんK)
2022-12-13 21:48:08
あっ、この番組途中で見つけたので零時からの放送を録画予約しました。

>橋の下に野宿していた頃、施しを受けた黒人娼婦のひと言から発想してこの歌が誕生したこと。

へーっ、それが名曲で残ったんですね。

>「ハーレム・ヘル・ファイターズ」と呼ばれた黒人部隊が楽団を編成し、戦地で「セント・ルイス・ブルース」を演奏したこと
>ジャズは「敵性音楽」として徹底的に弾圧されたこと。
>世界各地で1,500回以上の録音が行われてきた

こんな予備知識を持つとテレビを観るのが楽しみになってきました。

>玉名女子高のマーチングは「セント・ルイス・ブルースマーチ」を定番曲

いやはやこの曲の誕生から今日に至るまでドラマそのものですね。

有難うございました。
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Re:小父さんK様 (FUSA)
2022-12-14 09:30:36
この曲の誕生から今日に至る1世紀を超える歴史とエピソードの数々を見ていますと音楽の持つ力の偉大さをあらためて感じます。

グレン・ミラーがこのブルースをマーチとしてアレンジした発想も凄いと思いますが、それによってこの曲の生命力が数倍膨らんだような気がします。
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