徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

新作能 「草枕」

2014-03-18 20:47:57 | 音楽芸能
 2002年に法政大学能楽研究所が発表した新作能「草枕」は、夏目漱石の新体詩「鬼哭寺の一夜」の物語を、小説「草枕」の世界の中で展開するという、何とも不思議な能らしい。一度見てみたいものだが、そんな機会があるだろうか。

【あらすじ】
 旅の詩人が肥後の山里を訪ねる。菜の花が咲き、雲雀が鳴くのどかな春の山路をどんどん登って行く。「山路を登りながらこう考えた。智に働けば角が立つ 情に棹させば流される 意地を通せば窮屈だ とかくに人の世は住みにくい。住みにくき世から住みにくき煩いを引き抜き ありがたき世界をまのあたりに写す それが詩それが画・・・」などと思いめぐらせながら歩を進める。峠の茶屋も越え、七曲りも過ぎ、今宵の宿、那古井温泉も近くなった頃、俄かに雨が降り出す。やがて古い伽藍が見えてくる。さては峠の茶屋の姥が話していた長良乙女ゆかりの寺であろうと、ここで一夜を明かすことにした。すると仮寝の枕辺に女の霊が現れる。女の霊は詩人の問いに答えて、自分は長良乙女の霊だと告げる。二人の男に思いを寄せられ、どちらとも決めかねたあげく、鏡池に入水した身の上を語り、水底の舞を舞う。そして思いの丈を謡に託し、春の暁の中に姿を消す。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。