徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

石垣の修復

2021-11-27 21:42:48 | 熊本
 加藤神社に参拝する度、北側石垣の修復工事の様子をしばらく眺めることにしている。熊本地震で最も大きな被害を受けたのが石垣で、973面・約79,000㎡に及ぶ熊本城の石垣のうちの約1割が崩落し、緩みや膨らみのため積み直しを要するのは全体の約3割の面積に及ぶという。加藤神社北側の石垣もその一部である。
 地震前には木や草が生い茂って見ることできなかった壁面が、まさに修復工事のため白日の下にさらされたという感じだ。その石垣をじっと観察しているととても興味深いことが分かってくる。

石垣の下半分が補強された「はばき石垣」だと思っていたが、点線で囲った部分に角石の算木積みが確認できる。つまりその外(左)側も「はばき石垣」と思われる。何度も崩落や緩み・膨らみを繰り返し、その都度、応急的な補強が行われてきたことが推測される。

石垣中央の点線で囲った部分に、明らかに色の異なる石が積まれている。これは積んだ時代が異なるのかそれとも石の種類が異なるのだろうか。


崩落した築石はすべてナンバリングした後、クレーンで空堀に降ろされ整理・仮置される。積み直しが始まるとこのナンバリングによって元の位置に戻されることになるが気の遠くなるような膨大な作業となる。