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徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

祓川(しめかわ)のはなし。

2015-06-01 21:21:31 | 歴史
 今日は藤崎八旛宮へ朔日の参拝に行った。古くから熊本では6月1日は「賀寿祈祷」の日として厄祓いをされる方が多いそうで、いつもの朔日よりも参拝客が多かった。
 インターネットでお付き合いいただいているM様が、Facebookで、幼い頃に川遊びをした井芹川(いせりがわ)のことを「しめかわ」と呼んでおられた。最近ではほとんど聞くことがない呼び名だが、僕らより少し上のM様の年代では普通にそう呼んでいたそうだ。「しめかわ」とは「祓川」と書く。一般的には「はらえがわ」と読むことが多い。「祓川」とは神仏を拝む前に身を清める、みそぎをする川のことをいう。明治10年の西南戦争で焼失するまで、藤崎八旛宮は熊本城内の今の藤崎台球場のところにあった。そして、かつてそのすぐ下を流れていたのが井芹川。そこでは藤崎八旛宮への参拝者がみそぎを行なったり、放生会(ほうじょうえ)が行われたりしていた。だから、藤崎八旛宮の周辺地域の住民は井芹川のことを「しめかわ」と呼んだ。今日、参拝をしながらふとそんなことを考えていた。
【備考】
 放生会とは、捕獲した魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒める宗教儀式のこと。藤崎八旛宮例大祭の原点となった。


かつての藤崎八旛宮。北側から見た絵図で、左側が熊本城、向う側が新町の方向である。


藤崎八旛宮絵縁起の七段に描かれた「しめかわ」で行われる放生会。