先日、玉名の母の実家からみやげにもらった西瓜を食べた。西瓜を食べると必ず思い出すのが「御馬下の角小屋(みまげのかどごや)」における篤姫のエピソードだ。「御馬下の角小屋」とは、江戸時代、細川藩や島津藩が参勤交代の際、休息所として使っていた豊前街道沿いの商屋のことだ。熊本城下を出て一里と四分の三ほどだろうか。薩摩の島津家から篤姫が第十三代将軍徳川家定にお輿入れの旅の途上、ここに立ち寄ったのは嘉永6年(1853)8月のこと。何しろここは江戸時代中期から西瓜の名産地として知られる植木とは目と鼻の先。当然のごとく一行に西瓜がふるまわれた。篤姫もおそらく喉も乾いていたことだろう。ついつい食べ過ぎてしまった。
「御馬下の角小屋」で永年番頭を務めた利平の目撃談が、今は資料館となっている商屋の一角に貼られている。
「御馬下の角小屋」で永年番頭を務めた利平の目撃談が、今は資料館となっている商屋の一角に貼られている。