goo blog サービス終了のお知らせ 

徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

魚屋町三丁目十三番地 上村元三商店

2013-02-04 16:14:23 | 熊本
 熊本市の中でも古町(五福、慶徳校区)という地区は一風変わっている。考古学の富田紘一先生が書かれた「城下町みてある記」によれば「町割がまるで奈良や京都の町のように南北と東西の道路が碁盤の目のように整然としている。もともと城下町では、敵の侵入に対して見通しが利かないような道筋になっているが、この一帯は加藤清正公の隈本城時代から一貫して町人町だったところで、流通を優先した都市設計になっている。そして、ほぼ正方形の区画の中央には寺院が配置されている。町の名前には呉服町・米屋町・魚屋町などの商品に由来するところ、鍛冶屋町・大工町・細工町など職種に起源を持つのが多いのも特徴。同様な町名は、むかし町人町であった新町や坪井にもあったが、今ではそのまま残っているのは古町だけになっている。」という。
 そんな古町地区の魚屋町3丁目の一角に、日ごろお世話になっている「上村元三商店」がある。かつての金物卸問屋から、時代の変化とともに変遷を重ね、現在の店主元三さんになってからは出張バーベキューの企画運営や予約制居酒屋などのサービス業、さらにはキャンドルショップと多角的な事業展開を図っている。昨年、熊本市では城下町の景観を残す新町・古町地区の街並みを保全する「城下町づくりモデル街区」と「町屋認定制度」が創設されたこともあり、このほど「上村元三商店」でも、かつての景観を復元すべく改修工事を行なうことになったという。古町の名案内人としても知られる元三さんにとって、おそらく“第二の創業”の心意気を示す工事なのだろう。完成が楽しみだ。

▼写真はいずれもクリックすると大きなサイズを開きます

元三さんと奥様の敏子さん


いつも仲間の笑顔が絶えない上村元三商店