今では日本、海外を問わず、女優さんが歌うのはちっとも珍しくなくなったが、昔は、ミュージカル女優は別にして、歌える女優さんはそう多くはなかった。そんな時代にイタリアのソフィア・ローレンは出演する映画でよく歌った。「河の女(1955)」の“マンボ・バカン”、「島の女(1957)」の“イルカに乗った少年”そして下の「月夜の出来事(1958)」の“ビン・バン・ボン”などは日本でもヒットした。まだソフィア・ローレンが20代の前半の頃で、スクリーンからあふれ出すようなセクシーな魅力に少年だった僕らは圧倒された。「月夜の出来事」で共演したケイリー・グラントが恋に落ちたのも無理はない。
ナポリ湾(1960)より