徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

愛おしき映画たち・・・その3 ~ 米(1957) ~

2010-05-24 21:41:32 | 映画
  戦後10年くらい経った頃の茨城県霞ヶ浦地方。敗戦から立ち直り、日本人が貧しくも逞しく生きていた時代。半農半漁の村に生きる人々の姿を描く。今はもう見ることはできない昔の農作業風景や帆引き漁など、今日では昭和史の貴重な映像資料とも言える。
 今井正監督初のカラー映画として作られたこの映画は、1957年度のキネマ旬報日本映画ベストテンの第1位に選ばれているが、この年、今井監督は、「純愛物語」が同ベストテンの第2位を占めるという快挙を成し遂げている。また、この年のベストテンには、他に木下恵介監督の「喜びも悲しみも幾年月」、川島雄三監督の「幕末太陽伝」、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」と「どん底」など日本映画史に残る名作がズラリ。今井監督の充実ぶりが一層光る。
【出演】江原真二郎、中原ひとみ、中村雅子、望月優子、木村功、加藤嘉、原泉、南原伸二、藤里まゆみ、森下義秀ほか