
今年4月に亡くなった黒木和雄監督の遺作なので見ておきたかった。「美しい夏キリシマ」や「父と暮せば」などの、いわゆる戦争レクイエムシリーズを見ていない人にはちょっとつらいかもしれない。何しろ映画というより戯曲を見るつもりで行かないと、あの1カット長回しや、長ゼリフにはとまどうだろう。映画の舞台が熊本との県境にも近い、鹿児島の米ノ津であることや幼い頃の記憶に残る昭和20年代の家の様子や生活ぶりが再現されていることも興味深かった。原作は実話に基づいているそうだが、多くの日本人がこの映画のように淡々と別れ、淡々と戦死していったんだろうなぁと思ったら、涙がとまらなくなってしまった。それにしても原田知世って、何本かの大林映画に出てた頃から見ているがホントにいい女優になったなぁ・・・