goo blog サービス終了のお知らせ 

徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

黒川温泉ホテル解雇裁判

2005-05-25 17:20:49 | その他
 ハンセン病元患者の宿泊拒否で刑事処分を受け、その後廃業した南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」を解雇された従業員が、解雇無効の確認と未払い賃金の支払いを求めた仮処分申請について熊本地裁は25日、解雇を無効とし、賃金の支払いを命じる決定を出した。裁判長は決定の中で「解雇回避の努力義務を怠った」と述べた。
 この決定自体についてはよしとするが、今世の中ではびこっているリストラと称する「解雇」のことを考えると複雑な思いを禁じえない。理由はどうあれ、黒川温泉ホテルが廃業したのは事実であり、解雇せざるをえない事情は理解できる。ところが、日頃我々が耳にしているリストラは、何の理由もなく、ある日突然言い渡されることが多い。現にそんな目に遭った人を何人も知っている。しかし、こんな人たちが労働基準監督署に駆け込んでも、ほとんど取り上げてもらえず、かと言って裁判を起こすほどの資金も無いのが実態だ。
 今回の決定は、あれほど注目を浴びた事件だけに裁判所も「ええ格好」せざるを得なかったのではないかと思うが、一般社会の現実とのギャップを感じてならない。