食道楽は国境をこえて。

フランス・パリでの生活
おいしいものと、楽しいことに囲まれて…

Dragee ドラジェ

2011年09月21日 | おいしい歴史


フランスの結婚式に、欠かせないものといえば、Dragee ドラジェ



…、といっても、私の結婚式には、用意しなかったんだけれど。

フランスの皆さんに、馴染みのない、チロルチョコ(私とスーさんの写真入り)を準備したので




アーモンドは、昔から、豊富な栄養素、芳醇な香りと味のおかげで、高貴な人の食べ物、神聖なもの、と、大切にされてきた。

教会から広がったマカロンも、アーモンドたっぷりのお菓子。



ドラジェは、紀元前から、イタリアで作られていたと言われるほど、歴史のあるもの。

乾燥させたアーモンドに、糖衣掛けして。

色は、花嫁さんの白が基本。

色が付いているものは、たいていチョコレート。

見栄えを良くするためと、懐のため(ドラジェ、高いからね


幸福、長寿、健康、富、子孫繁栄の5つを願って、5粒のドラジェを、花嫁さんのヴェールに包んで、出席者に配るのが伝統的だけれど。

それは、結婚式を3~7日間も続けて行っていた昔のお話。

初日に使ったヴェールを切って、最終日に渡す、みたいな。


今は、あらかじめ、包んでおくのが普通。


結婚式だけじゃなくて、キリスト教の洗礼の儀式の後に、参列者に配るのも、ドラジェ。

理由は、結婚式と同じ



フランスの伝統的な習慣や、お菓子でも

起源はイタリアとか、別な国だったり。

1つの国だけでおさまらないのがヨーロッパ。

歴史も、伝統も、国境も。

いろいろ混ざってこそ、今のフランスがある

Tourteau Fromage トゥルトー・フロマージェ

2011年09月21日 | おいしい歴史


お菓子の失敗作

なんかじゃない




スーさんの地元のスペシャリテ(名物)の1つ。

“Tourteau Fromage トゥルトー・フロマージェ”

っていう焼き菓子。



名前の通り、チーズを使ったお菓子で。



チーズタルトって言っても良いかもしれない。



スーさんの地元、ポワトゥー・シャラントは、フランスでも、有数の乳製品の生産地。

バターで、世界的に有名な高級エシレバターもこの地域だし、AOPバター(旧AOCバター)もたくさん

と、同時に、山羊もたくさんいて、シェーブルチーズが豊富な地域でもある。



むか~し、フランスの首都が、まだ、今のベルギー内にあった頃。

(その頃は、まだ、“フランス”とは呼ばれていなかったけれど)

この地域は、スペインや、アフリカからの侵略を目指す人たちの野営スペースになっていて。

山羊は、そっちから連れてこられた。

侵略希望の方達は、結局、敗戦して、自国に戻ったんだけれど。

家畜達は、そのまま置き去りに。

それを、地元の人たちが、飼育するようになったのが、この地域の、畜産の始まり。



牛乳や、山羊のミルクを保存するためにチーズに加工して。

チーズを保存するために、この、トゥルトー・フロマージェにして、つまり、火を入れて、加工して。

表面を真っ黒コゲにするのも、内側の保湿のためとか。



あ、食べる時は、この、おコゲ、お好みで

地元の人も、食べる、剥がすは、人それぞれ。

先日の、スーさんの従姉妹の結婚式でも振る舞われたんだけれど、

ホント、食べ方は、自由



“ポワトゥー・シャラント名物”って書かれる事が多いトゥルトー・フロマージェ。

実は、以外と小さな地域の名物だったりする。

最近は、スーパーとかで見つける事の方が簡単になっちゃった、この焼き菓子。

ブーランジュリーや、フロマージュリーの自家製ものを、一度、お試しあれ