ここで、私の職場のガレット・デ・ロワをご紹介
まずは、
クラシックなフランジパヌ(アーモンドクリームと、クレーム・パテシエール)
王道
当店は、しっかりとした“焼き”が、特徴。
今年の私のイチオシ、
リンゴとフランジパヌ
根強いファンを誇る、
フランジパヌ&グリヨット、そして、ピスタチオ
(断面図、写真撮るの忘れた
)
今年のニューフェイス、
フランジパヌと、ノワゼット、オレンジのコラボ
当店のガレット・デ・ロワは、全部、やさしいお味。
良質な材料を使って、丁寧に仕上げている事もあるけれど。
シェフが、“食事の後のデザート”って、考えて作っているから。
食事をしっかりとった後でも、おいしく食べられるように、って。
ガツン
と、主張するんじゃない、食べやすい、ガレット。
『そんなに、ガレットばっかり食べて、飽きないの?』
なんて、聞かれる事があるけれど
こんなにバリエーションのあるものを食べていたら、“飽き”なんて、来る訳が無い
それでなくても、1年にこの時期しか食べられないからね
とはいえ、“ガレット・デ・ロワ”は、この時期だけだけど。
“Pithivier ピティビエ”は、1年中食べる事が出来る。
じゃあ、“Pithivier ピティビエ”ってなに?
ピティビエは、昔、フランスの王様だったシャルル9世の時代まで遡る。
王様なのに、誘拐されちゃったシャルル9世。
幽閉されたのは、ピティビエという名前の街。
そこで捕まっちゃっている間に出されたお菓子がおいしくて。
そのお菓子を作っていたお店を王室御用達にするほど、気に入っちゃって。
でも、このお菓子。
実は、パイ生地なんて使われていなくて。
フランジパヌが入っている訳でもなくて。
王様の馬車の車輪を模した飾りをお菓子の上に描いていたのが、パイ生地に切り込みを入れるようになり。
そんなコンクールも開かれるようになり。
いつの間にか、今の形に。
よく、
『はっきりしたお花の形がピティビエ』
とか、
『アーモンドクリームがピティビエ』
とか、
『中のクリームの量が多いのがピティビエ』
なんて言われたりするけれど。
全部、正解で、正解ではない
ネットや本で、いろいろ調べてみたけれど。
そして、いろんな人に聞いてみたけれど。
“有識者”と呼ばれる人達、全員が、自分の考えを言っていて。
定義が、それぞれ違う。
パティシエの大御所Wさんが“こう”と、言っていても、別な大御所さんは“これ”と言っている、みたいな。
私流に解釈しちゃえば、もうね、これは、“おはぎ”みたいなもの。
春には“牡丹餅(ぼたもち)”と呼ばれ、秋には“御萩(おはぎ)”と呼ばれる。
これは、こしあんと粒あんの違い、とか、
大きさで区別、とか、
高級なのがおはぎ、
なんて言われ方をする事があるけれど。
単純に、季節で呼び名が変わるだけ。
だから、実は、夏と冬にも呼び名が変わる、っていうのは、あまり知られていない。
夏は“夜船”、冬は“北窓”。
これは、言葉遊び。
和菓子の世界は、名前が雅だねぇ
で、ピティビエの話に戻ると、
結局、もう、
“ピティビエは1年中ある、ガレットは1月だけ”
っていう大きな違い以外は、“ドングリの背比べ”状態。
気にしなくていい、って事なのかもしれないね。
ただ、
フランジパヌっていうクリームが、実はイタリアで生まれたものだっていうのは、
去年の記事(←見てね)に書いたけれど。
この、送られたカトリーヌ・ド・メディシスさん。
実は、シャルル9世のお母様。
時代を経て、
自分の気に入ったお菓子に、
姿を変えて、
形を変えて、
お母さんを想って作られたクリームが使われるようになるなんて。
どこで、どう、だれがつなぎ合わせたのかは分からないけれど
こういうつながりって、なんか、ドキドキしちゃうのは、私だけ?
定義を知る事も大事かもしれないけれど。
こういう“縁”に、思いを馳せるのも、私は好き