食道楽は国境をこえて。

フランス・パリでの生活
おいしいものと、楽しいことに囲まれて…

Confiserie Agrimontana コンフィズリー・アグリモンタナ

2014年09月02日 | ・産地を訪ねて
チョコレートメーカーの、ドモリさんを訪問する為に訪れたイタリア。

実はドモリさん、チョコレートメーカーの他に、コンフィズリー(ジャム屋さんみたいなもの)のメーカーも作っていらっしゃって。

(今は別会社同士だけれど、実質運営は親族、みたいな)



そのコンフィズリーメーカー・アグリ・モンタナさんにも行ってきた



こちらも、決して大きな工場ではない。

家族経営+αって感じ



“ジャムとコンフィチュールの違いは?”

なんて聞かれることがあるけれど

英語とフランス語の違い、かな。





煮込んだ果物を、

瓶詰め。

素材のおいしさが、味の決め手

おいしい果物を探す努力を怠らないそうで



あ、



マロングラッセ発見





1つ1つ、手作業

10数年前、初めてマロングラッセを買った時(それは日本)、

おいしかったけれど、なんて高いんだろうって思った。

でも、

これだけの素敵な栗たちを、

これだけの手間隙をかけて、

形を崩さないように扱うには、人手も、時間もかかる。

それだけ、貴重なマロングラッセ

あぁ、あの姿を思い出すだけで。。。




あ、



ハマグリかと思ったら、皮をむいた栗たちだった



いつも言っているけれど。

おいしいものには、理由かある。

高いものには、訳がある。



安くて、おいしくて、安全なものって、

自分で作るか、直接、生産者さんの下で買うか。





アグリ・モンタナさんは、日本にも広めていきたいコンフィズリーのひとつ



それから、



アイスクリームも展開している。




イタリア人のアイスクリーム職人さんと、本当においしいアイスクリームを作っていらっしゃって。

シャーベットには、卵白が使われているけれど。

アグリモンタナさんでは、一切使っていない。

卵アレルギーにも対応出来るし、品質も、素晴らしい



あ、イタリア&パリに店舗を構えるアイスクリーム屋さん、“GROM グロム”さんのアイスクリームは、アグリモンタナさんから。

パリのグロムさんの前、夏の時期は行列だもんなぁ



Chocolaterie DOMORI ショコラトゥリー・ドモリ

2014年09月01日 | ・産地を訪ねて
イタリア、トリノに来たのは、観光はあくまでオマケ

メインは、チョコレートの工場見学





1999年創業。

まだまだ、歴史の浅いチョコレートメーカーのDOMORI ドモリさん

一般の消費者用ではなく。

日本で有名なVALONA ヴァローナさんと同じで、メインターゲットはプロのお菓子屋さん

日本にいた時から、

“一番良い製菓用チョコレートはヴァローナさん”

と、教えられてきた。

フランスに来ても、そんな雰囲気。



でもね、

ドモリさんのチョコレートを食べたら、イメージ、変わる



チョコレートは、カカオ豆から出来る。

カカオ豆が育つ地域は限られている。



カカオの木は3種類(+1)。

最高品種のクリオロ、これは、全体の0.03%のみ

トリニタニオ、

工場製品のチョコレートに使われる、フォラステロ。

このフォラステロが、カカオの木の80%を占めている。



早速、工場の中を見学開始

見学スペースなんて無い、本当の工場内を歩くので、



全身&髪を全部隠して

案内は、ドモリの重役さんで、営業担当。

もともと、家族経営から始まったドモリは、今も、その一族さんがメインで活躍されていらっしゃる。



カカオの豆は、ラグビーボールを少し小さくしたような殻に入っている。

そこから豆を取り出して、袋に入れられて運ばれてくる。




『袋がきれいなのは、それだけ丁寧に準備されて運ばれてくるから』

とは、案内役の方。

カカオ豆が栽培されているのは、言ってしまうと、発展途上の国々。

カカオ豆の生産、収穫に子供たちが駆り出され、十分な賃金をもらえていない…、なんて問題も出て来ている。。。

チョコレートに精製する所まで運ぶのも、劣悪な環境だったりして、着いた時にはカビが生えている、なんて事も



安いチョコレートには、安い理由がある。

それが、私たちの目に見えないものでも、ね。



で、ドモリさんのカカオ豆は、各国の信用出来る農家さんから頂いた豆。

それを、念の為、選別機にかけて、小石とか、不純物を取り除く。

実際の豆の大きさは、親指の爪くらいの大きさ。



選別した豆を、



砕いて、

粉砕して、




チョコにする。



ここに、

カカオバターを加えて、

ビターチョコレートの、“何%カカオ”っていうのが決まる。



調整されたチョコレートを、

型に入れて、型から外すと、



私たちの知っているチョコレートに



ラッピングして、



出来上がり。





そのまま食べるチョコや、



プロ用は、

板チョコと、




タブレットタイプと。



有名なヴァローナさんは、このタブレットに厚みがあるので、それを使い慣れている人には、少し扱いにくいかも、なんて話を聞いた事もあるけれど。

そこはプロ

何回か使えば、慣れるそうで。





品質管理までが、大事なお仕事。




こうして出来たチョコレートが、私たちの元に届いたり、パティシエさんの元に届いたり。




ドモリさんは、初代のおいしい物好きが高じて始まったメーカーさん。

おいしいものを作りたい、届けたい

という考え方だったから。

立ち上げてから、採算が取れるようになるまで、カカオ豆の栽培に没頭。

その情熱の集大成が、



いろいろな種類のチョコレートたちに注がれている。



本当においしいチョコレートたち。

ぜひ、試して頂きたい

Domaine Marcel Deiss ワイン醸造所 2

2012年04月21日 | ・産地を訪ねて
どうしようか悩んだんだけど

2軒続けて、試飲させて頂いたワイン醸造所ご紹介。







Domaine Marcel Deissさん



なぜ、この醸造所を選んだのか?



それは、おもしろいワイン造りをされていらっしゃるから



というのも。

アルザスのワインは、前回の記事のワイナリーのように、単一品種のワインが多い。

つまり、“リースリング”っていう品種のぶどうを使うなら、それ以外の品種は使わない。

品種の違いで個性を出す。



それが、この醸造所は、テロワール、土壌の違いで個性を出す事を念頭に置いていらっしゃる。







試飲ブースの横には、土壌の様子を再現したものが。

地面の下の事なんて、考えた事、あります?





12種類、試飲させて頂いて。



こちらでも、いろいろ、お話をうかがって。




え?

ワイナリーなのに、作っている所の写真が無いって?



そう。

ここも、試飲のみ。

カーヴの公開はしていないんだって。



昔はね、公開していたそう。

でも、1度、見学されていた方が、カーヴ内で転んで、けがをされて。

『あんな暗い所で、照明も無く、見学させるなんておかしい

って、訴えられそうになったとか。

それ以来、見学ツアーはやめてしまったとの事。



なんてひどいお客さん



『あなたたちのテーブルに、ワインのボトル、置きっぱなしにしてたでしょ。

あれね、普通はやらないんだよ』

と、おっしゃった。

『タダだからって、ガブガブ飲んで、帰って行っちゃう人、いるんだよねぇ…』



こちらで、試飲に使われていたのは、“リーデル”っていうグラスメーカーのもの。

安くても、1000円。

それを、たくさんの観光客の皆さんが、レストランに行く前の食前酒代わりに飲んで。

何も買わず、飲むだけ飲んで、

『じゃあね~』

って、帰って行っちゃうんだって

しかも、“乾杯”的に、グラスをぶつけ合って、壊しちゃうとか



『さみしい事だけど、そういう人達、結構いるんだよねぇ…』





なんか、旅行記なのに、変な方向に話が進んじゃったけれど

要は、旅行にも、マナーはあるって事で




もちろん、こちらでも、ワインを購入

なんだかんだで、“極甘口”ばっかり、購入させて頂いた

Domaine Marc kreydenweiss ワイン醸造所

2012年04月21日 | ・産地を訪ねて
お腹もいっぱいになって

向かった先は、





Domaine Marc kreydenweissさん

アルザス屈指のワイン醸造所



アルザスに来た目的の1つが、ワイン

少し前の記事にも書いたけれど、

アルザスは、フランスでも有数の、白ワインの産地。



本当は、たくさん回りたかったけれど。

日程の関係と、スーさんが車を運転してくれているから、

私だけ、飲むっていうのも、ねぇ



そんなワケで、今回は、2軒だけうかがった。

その1つが、ココ






試飲ブースに案内して頂いて。




この他に、2つ、合計7種類を試飲。

2ケース購入させて頂いた




この醸造所は、ワインに使われるぶどう品種の、“リースリング”っていうぶどうを使ったワインを得意とされていて。

ぶどうは、“biodunamique バイオダイナミック農法”で、栽培。







有機農法?



ちょっと、違う。



日本では、あまり知られていないけれど。



ルドルフ・シュタイナーさんっていう、人智学者さんが提唱しはじめた、太陰暦に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行う有機栽培の一種。

つまり、月の動きなんかを軸にする、農業。

私達が行った時は、

『今週は、畑を耕す週なの』

そう、おっしゃった、私達を担当して下さった女性。

『今年のバイオダイナミック農法では、来週から、棚仕立てに入るの』

と。



月と、農業の、関係性?

この辺に関しては、私もまだ、勉強中。

頂いた資料も、まだ、読めていないし



ただ、このワインは、おいしい…

そして、説明して下さった女性の、ワインへの情熱、探究心。

こういう方達がいらっしゃるから、ステキなワインが、飲める。

うかがって、良かった



ちなみに、



この村の地図。

白い文字の入っている所が、ぶどう畑。

色の着いている所が、この醸造所の所有畑。

ほんの少しの、場所の違いで、同じ品種でも、味が違う



ワインによって、



コルクの長さを使い分けたり。





こちらでは、毎年、ラベルの絵を、違うアーティストさんにお願いしているんだって

原画は、20cmくらいのものから、2mもの大画まで様々とか





建物のすぐ後ろが、有名な特級畑

機械なんて入らない丘の斜面が畑だから。

もちろん、全て、手作業



熱意が無いと、出来ない仕事だよね。



ステキなご招待を頂いたのだけれど。

予定が合わないので、また、次の機会にさせて頂いて。



今度は、緑の葉が生い茂る季節に来たいなぁ

Beurre de Echire

2011年02月13日 | ・産地を訪ねて
先日、トリュフ・ショコラに使ったBeurre de Echire-エシレバターの残りは、毎日の食事のパンに塗ったりして消費している

で、

『スーさん、エシレバターの工場見学に行きたいねぇ』

と言うと。

『うん、それはムリだね』

と、スッパリ返すスーさん。


『エシレバターの工場は、厳しく制限されてて、1年に10人とか、それこそ超大手の輸入代理店(すでに契約済み)とかのVIPだけしか入れないよ』

との事。


…残念


まあ、あまりに有名で、自分から宣伝する必要もないメーカーさん

エシレの広告やポスター探そうと思ったら、至難の業で。




やっと見つけた1枚

本当に、こんなカンジなのかなぁ



日本で、フランスで売ってる値段とそこまで変わらない価格で買えるワイン(もちろん、モノによるけど)と違って、フランス産バターやチーズを日本で買おうと思ったら相当高い

“生もの”を“空輸”して、新鮮なまま、品質を損なわないようにしようとすれば、そこまで高いのは、考えてみれば当たり前。

とっても、贅沢品



エシレバターの工場とはいかなくても、バター工場、時間があれば行ってみよう


…あと、チーズとチョコと、シャルキュトリーと…

食べ物全部…

見てまわりたい

Vanille バニラ

2010年12月05日 | ・産地を訪ねて
フランスでも、子供向けに、“物事の由来”とか“○○の歴史”的なテレビ番組を放送している。

昔の日本の“まんが・初めて物語”みたいな。

(え? 古い)


フランス語勉強中の私は、正直、テレビのニュースより、こういう、子供に話しかけるスピードの方が聞き取りやすいので、この番組、よく見てるんだけど

先日の放送で、バニラを紹介していたので、思い出しついでに、ブログに載せる事に



~バニラを求めてタヒチ旅行~


そう

バニラといえば“タヒチ産バニラ”

その、品質の良さとお値段の高さにびっくりしつつ…。



行っちゃった

タヒチ




着いたのは大晦日の早朝。

日本で家を出た時に着ていたコートは、飛行機を降りれば無用の長物

常夏の国、フランス領・ポリネシア、タヒチ


なんといっても、タヒチは、フランス語が公用語。

スーさんと一緒なら、海外といっても、言葉に不自由する心配なし



宿泊したのは、



タヒチ本島の、某リゾートホテル。

9月に予約したのに、水上コテージはキャンセル待ち数十人と言われ…

さすがシーズン。

でも、皆さん、いつ頃予約しているのか


本島では、





モチロン、マルシェを見学して



カンジンのバニラ農園は、首都のあるタヒチ・ヌイ島から、飛行機で1時間以上。

タヒチは、たくさんの島々からなっていて、それぞれの島に特産物があったり。




私たちがうかがったのは、フランスの農業コンクールでも優勝している、ホンモノの“高級タヒチバニラ農園”

というのも、ここに行く前に、スーさんの持ってた“バニラが出来るまで”のDVDを見て、予習していたんだけど

(某大手バニラ農園のPR・DVD)

そこでは、当たり前のように青いバニラのサヤを収穫して、蒸して、あの、バニラ独特の黒っぽい色にしていた。

この前見たテレビでも、青い状態のバニラのサヤを収穫して、同じような工程をふんでた。



それが、こちらの農園では、黒くなるまで=十分に熟すまで待ってから、収穫しているそうで。

手間ヒマをかけてでも、良いものを作りたい、という想いが伝わってきた





農園は、



こんな所に。



12月末は、ちょうどバニラの花の受粉が終わった所との事。

受粉は、1輪、1輪、手作業で行なっているとか




私たちは、9月には、うかがう事をお伝えしていたので、1輪だけ、私たちに受粉の様子を見せてくれるためにとっておいてくれたそう


良い景色と、気持ちの良い空気で、間違いなく、おいしそう

なんて思ったけど。

皆さんの努力のおかげなんだなって。





これは、実験用の苗木とか。

『今以上に良いものが出来たら』

っておっしゃっていた。



のんびりとした雰囲気の島で、熱く仕事に取り組む社長さん



ちなみに、バニラの初めては、メキシコだそう。

で、ヨーロッパにも伝わって、栽培を始めたけど、うまくいかず…。

それから、100年位して、何故か、マダガスカルに苗を間違って持って行っちゃって。

試しに植えてみたら、大成功

そこから、近隣の島国に拡大していったそう



昔、スパイスは、金と同じ値打ちがあったっていうけど。

今でも高価なのは、純正のサフランと、バニラくらいかな


うかがったバニラ農園は、日本には輸出していないそう。

(私たちがうかがった時点では)

日本人の輸入業者さんが交渉に来たけど、提示された値段が原価だったとか…。

『安売りをするつもりも、必要もない。

価値を認めてくれる人にだけ使ってもらえれば』

って事で、スーさんは、個人輸入して使ってた

値段、大変なことになってたけど


愛情と情熱を持って仕事をされているバニラ農家の皆さんに出会えて、直接お話を聞けて。

とっても、貴重な時間を過ごした