のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

帰還事業

2013年04月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 そろそろですかねぇ。金ちゃんの国のミサイル発射。

 50年ほど昔のことですが、隣の町には戦前からの朝鮮系の人がずいぶんたくさん住んでいたようです。都市部と違って生活の厳しい地域ですから、大きな軋轢もなく共存していたようですが、新朝鮮への帰還事業が始まりました。

 この辺りに既にいた朝鮮系の人たちのほとんどは南のさらに南部の出身がほとんどで、現在の北朝鮮方面の出身者はいなかったと言われていますが、新しい国に大きな期待があったようです。

 現在60代の知人が言うには、近所に大工さんの息子で同じ年齢の朝鮮系の友達がいたそうです。

 帰還事業が始まり、日本の新聞もそれを賛美し、この一家も半島に戻ることになりました。帰還する人たちは売れるものをすべて売って、当事日本でも珍しかった自動車まで買い込んで帰る人がいたみたいですが、この一家はとりあえず現金を作り、近所の人たち(日本人)のわずかばかりのカンパ金を持って、駅から旅立ったそうです。

 この知人と親しかった息子が「向こうで金持ちになった呼んでやるからまっててね。」と言われ、日本のこの土地でしか生きるすべがない自分と比べてうらやましいなと思ったそうです。

 あれから幾星霜。「迎えが来なくてよかった!」と安心していますが、国家ぐるみのだまし討ちみたいなものです。

 国家ぐるみのだまし討ちなんて、現在の中国でもさんざんやらかしており、工業地帯を作るために農民を移住させ、移り住んだ先が半分砂漠化した不毛地帯なんてことは日常茶飯事。

 国の制度も歴史的な成り立ちも違うのですから、基本的に世界が違うんだから、これはこれで「はぁ、そうですか」程度でかまわないと思いますが、日本に生まれてよかったと感謝はしたいですね。

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