ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

シラノ・ド・ベルジュラック2

2018-06-16 18:08:00 | ライブ
この「シラノ」は、たびたび映画や舞台に取り上げられている有名な作品ですが
簡単にご紹介しますと…勇猛果敢な剣豪で、類いまれな詩人でもある
甲斐さんのお好きな(笑)「文武両道」の男・シラノは
権力や虚飾を嫌う熱血漢であるが故に
出世には縁がないものの、仲間からは一目置かれる人気者

ただ、人並みはずれた大きな鼻にコンプレックスを抱いていて
美しい従姉妹・ロクサーヌに恋心を打ち明けることが出来ずにいる内に
当のロクサーヌから、シラノの所属するガスコン青年隊に配属された
クリスチャンとのキューピッド役を頼まれてしまう

でも、クリスチャンには、ロクサーヌが求めているような詩心が全くなく(苦笑)
シラノが代わりに手紙を書いて、仲を取り持つことに…
そのアシストのおかげで2人はめでたく結婚するも
予てより、ロクサーヌに思いを寄せるド・ギッシュ伯爵は
ガスコン青年隊に危険な戦闘地への出撃を命じる

…というのが、第1部(95分)のあらすじみたいなんだけど
19世紀に書かれた「古典」といった堅苦しさはなく
もともと痛快かつ感動的な「娯楽作品」であり
今回の舞台でも、ニヤニヤ、クスクス
果ては、爆笑のシーンまであったらしい(笑)

上演台本を担当されたマキノノゾミさんと鈴木哲也さんの間には
「恋をすると、人間は少し頭が悪くなる」という共通理解がおありだったそうで(笑)

「ものすごい詩人で剣豪(ただしルックスが残念!)
そして、ものすごい美女と美青年!
その3人が中学生のように純情な恋をしている!
これはもう面白くない訳がありません
と同時に、美しくないはずがありません」とおっしゃってます(笑)

奥さんが劇場へ足を運ぼうと決めたのは
「吉田鋼太郎さんの舞台が観たい♪」というのが最大の理由ですが
もう1つは…「わたしに運命の恋なんてありえないと思ってた」という
クリスマスのスペシャル?ドラマが
「シラノ」へのオマージュだと記憶していたからみたいで

そう思ってリプレイしてみると…
高橋一生さん演じるIT企業の社長は
部下である女性社員に3年間も片想い中…
ある日、ネットの恋愛ゲーム開発のために多部未華子さんが招かれ
高橋社長は、多部さんに恋愛のレクチャーを受けることに…
おかげで、高橋社長の恋は実るものの
いつしか多部さんは社長に恋をしてしまっていて…

という具合で、確かに女性版「シラノ」って感じもあり
デート中に困った高橋社長が「何か、会話くれ!」と
LINEで多部さんに助けを求める辺りは
木陰から、バルコニーにいるロクサーヌへ愛を囁くシーンと重なりました(笑)

もっとも、個人的には「女性社員」の好みのタイプを探るため
恋愛ゲームに登場する「王子様」や「オラオラ系」「甘えん坊」など
いくつものキャラクターを演じる社長を
「情緒不安定」と心配するシーンに爆笑でしたけど…(笑)

それはさておき…舞台はまず、妻帯者であるにも関わらず
ロクサーヌに思いを寄せるド・ギッシュ伯爵が
自分の甥と結婚させた後、ゆるゆると口説こうと画策していることを知り
シラノが、その「おバカ」な甥を挑発して決闘に持ち込む場面から…

韻を踏み、美しい詩を紡ぎながら剣を振るうシーンは
「チャンバラ活劇」に「ラップ対決」を持ち込んだみたいだと奥さん(笑)
ボクは「桃太郎侍」が「ひと〜つ!人の世の…」と口にしながら
悪人たちを斬り捨てる場面を思い浮かべました(笑)

続く「百人斬り」のシーンでは、1人斬るたびに「チーン!」と
「セイヤング」でお馴染みの鐘が鳴り(笑)
また、吉田さんも「44、45…」とカウントなさっていたそうですが

このシーンの殺陣をマスターされるのに1ヶ月もかかったらしく(汗)
最後に、2枚重ねのマットレスが2組用意され
悪人2人がバルコニーから落ちて「百人斬り」が終わった時には
盛大な拍手が起こったんだとか…

もっとも、吉田さんは、終演後のトークショーで
「『百人斬った!』というセリフだけで済ませれば良かった…」(笑)
と、おっしゃっていたらしいんだけど
セリフの量が「シェイクスピア劇より多いかも知れない」上に
Wキャストのお二人と、それぞれ稽古をなさって
更に「百人斬り」…って、ものすごくパワフルですよねぇ(汗)

パワフルといえば、この「百人斬り」の場面では
清塚信也さんも、それまで「芝居」を邪魔することなく
それぞれの場面に応じて、しっとりと演奏なさっていたのが
身体ごと叩きつけるような激しいフォルテシモに変わり
「あっ、生演奏だったんだよねぇ」と奥さん(苦笑)

その清塚さんは…「即興性はピアノの武器であり、自分の取り柄でもあるので
稽古と同時進行で曲を作ってます
そして、稽古中には完璧に曲を決めずに
本番で臨機応変に音楽をつけていければと思います
何よりもそれが生演奏の醍醐味ですから…」と話されてますが

アルバム「エゴイスト」の頃の甲斐さんが
「ピアニストの思考回路が理解できない(笑)」と
島健さんのピアノを絶賛なさったり
上綱さんが「毎回違うアレンジ」で【青い瞳のステラ】をお弾きになることに驚いておられたのは
ピアノという楽器の「魔力」も関係していたのかなあと…?

ともあれ…「あくまでもストレートプレイですから
音楽が『説明』にならないように
芝居と音楽の力で相乗効果が生まれるように心がけています」とのお言葉通り
まるで、映画「イントレランス」を観た時みたいに
あるいは、ミュージカルを楽しむかのように
奥さんが、この贅沢な「BGM」を味わったことは間違いありません

余談ですが…以前に奥さんが意を決して(笑)観賞に臨んだミュージカル
「コインロッカー・ベイビーズ」が再演されることになり
しかも、今度は「キク」役と「ハシ」役をお互いに交代する公演日もあるらしく
このちょっとヒネったWキャストに心惹かれているようです(笑)
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