ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

15時17分、パリ行き2(ネタバレあり)

2018-03-05 18:23:00 | メディア
どれだけ口説かれても首を縦に振らなかった甲斐さんを
甲斐バンドの楽曲をベースにしたオムニバス映画とはいえ
銀幕デビューにいざなわれた(笑)青山真治監督

その青山監督のレビューには…
「前作『ハドソン川の奇跡』に続いて、またもや90分台
このことに驚くのは、その前の『アメリカン・スナイパー』まで
クリント・イーストウッド監督作は、ごく初期の数作を除いてことごとく
数十年間120分を超える上映時間を持った悠然たる語り口で通して来たからだ

今年で米寿を迎える大ベテランが、それゆえの余裕でもって
急に作風を変えるといったことも当たり前のように起こってしまうのが
映画の恐ろしいところではある」…と記されていて

思わず、ロック界の「大ベテランが、それゆえの余裕でもって
急に『芸風』を変える」と読んでしまいました(笑)スミマセン!m(__)m

ともあれ…「冒頭、いきなり何者かの白いパンツの尻が映る
これは、暗闇で目覚めるトム・ハンクスの
痛切な顔のクローズアップで始まった前作と、くっきりとした対称をなす
どちらも、何か不穏な、あるいは不安に満ちたものだという点では共通する

前作もエンドロールで、主人公を含めたご本人たちが登場していたが
それとはまたレベルが大きく飛躍している
本作の主人公3人を演じている実際の事件の当人たちが
俳優として実にいいのだ

『アメリカでは普通に売れっ子だ』と言われたら信じてしまうだろう
これがオスカーにノミネートでもされたら
ハリウッドのスターシステムは崩壊してしまうかも知れない
いや、実はそれが狙いかも…」と青山監督がおっしゃる通り

空軍のパラレスキュー部隊を目指したものの
奥行知覚検査に引っかかってしまい
戦場での対処法…SERE(生存回避抵抗脱出)…
の指導教官を目指すスペンサー・ストーンと
軍人だった祖父に憧れ、自らも軍人になる夢を果たしたアレク・スカラトス

2人の母が、同じシングルマザーで隣人同士だったことから兄弟のように育つが
小学校の担任から、2人はADD(注意欠陥障害)のために
授業に集中できていないと投薬を勧められた上に
「問題児の多くは片親だ」と言われた母親たちに
私立中学へ進学させられることに…

でも「教師に口答えをした」「授業のベルが鳴っても廊下を歩いていた」など
些細なことで校長室に呼び出される毎日…
その「校長室の常連」が、事件当時、学生だった(笑)アンソニー・サドラー

この3人の俳優ぶりはもちろん、小中学生時代の子役が素晴らしい♪
アレク役のブライス・ガイザーは映画出演経験があり
スペンサー役とアンソニー役は、本作が映画デビューらしいんだけど
この新人の「スペンサー少年」が奥さんを泣かせます!(笑)

アンソニーと意気投合し、更にいたずらが加速したスペンサーが
母親から「もう、うんざり」「ガッカリだわ」と叱られ
「僕を平和の道具にして下さい
憎しみには愛をもたらし、いさかいには赦しを、闇のある所には光を…」と
眠る前のお祈りを捧げるシーンや

アンソニーが公立中学に転校した後
今度は、学校がアレクを父親に引き取らせるように手を回し
離ればなれになってしまうその別れの日
涙を見せずに「敬礼」で見送るシーンに涙腺が決壊した模様…
ズルイぞ、ウィリアム・ジェニングス君(笑)

ちなみに…そのウィリアム君の成長した姿が、スペンサーご本人な訳ですが
「甥っ子か何か?」ってくらい違和感がアリマセン(笑)
スペンサーの母親役を務めたジュディ・グリアは
その出演シーンのほとんどをウィリアム君と共にした後
スペンサー本人に会って感銘を受けたらしい(笑)

それはともかく、この「事件の追体験」とも言える映画出演について…
スペンサーが「正直言って、これまでの人生で最高に楽しい2ヶ月だったよ
嫌な気持ちになるとか、不快に感じたことは1度もなかった
僕らはみんなこの出来事がポジティブなストーリーだと思っているからだ

唯一、クレイジーだと感じたのは、銃で撃たれたマークとのシーンかな
僕らはあの日と全く同じ服を着て、同じ列車の中で
同じようにマークが流した血だまりの中にいた

彼だけじゃなく、彼の奥さんも一緒にね
僕とマークはカメラがあることを完全に忘れ
あの日、お互い口にしたことをもう一度繰り返したんだ」と振り返ると

アンソニーは「何もかもそのままだった
とても奇妙でパワフルな体験だね」とコメント

アレクも「全てをリアルに再現するということは
僕らが忘れていたことを思い出すサポートにもなったんだ
寸分違わぬディテールを作り出すためにクルーは苦労したろうね

彼らはリサーチに膨大な時間を費やした
僕らの着ている物まで、ほぼそのまま再現されていたんだから
どんな些細なことまでも正確に作るこだわりに驚かされたよ」と話してるんだけど

そのアレクの衣装?(笑)は、ドイツで彼女とデートした後だったからか
バイエルンの25番ミュラーのユニフォームでした(笑)

それに「こだわり」ということで言えば
甲斐さんは「『全てのことにこだわって良いんだ』っていうことを
クリント・イーストウッドから教わった」んですもんね?(笑)

アンソニーは「そのことが、僕らのように演技の経験を持たない人間にとって
どれだけ助けになったことか…」と感謝してましたが

イーストウッド監督は、元々、撮影開始を告げる
「アクション」という言葉を穏やかに発することで有名な上に
今回は、3人のために本番直前に雑談している状況から
カメラを回し始めることが多かったそうです

「撮るのが速い」監督であり「撮り直しがキライ」な俳優だからこそ
「一般人」を必要以上に緊張させたり
集中力を途切れさせないようにしたりといった
気配りが出来るのかも知れませんね?
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