虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ハートに火をつけて (1989/アメリカ)

2005年07月05日 | 映画感想は行
CATCHFIRE
監督: デニス・ホッパー
出演: デニス・ホッパー 
   ジョディ・フォスター 
   ディーン・ストックウェル 
   ヴィンセント・プライス

 概念芸術家アンはマフィアによる殺人事件を目撃してしまった。組織に殺されそうになり、警察でも安全ではないと知ったアンは、一人で逃げる。そして組織に雇われて彼女を追う殺し屋は、彼女に恋をしてしまった……。

 今の気分で見直そうと思って見ている映画で、先週が「ファントム・オブ・パラダイス」、今週が「ハートに火をつけて」
 見直してもやっぱり「ファントム~」は今ひとつ面白く感じられなかった。
 そしてこの映画は好き。なんとなく笑っちゃう。
 出てくる男たちがみんな笑いを誘ってくれる。プロフェッショナルなこだわりのキツイ殺し屋も、マフィアの殺し屋も、ボスも、警官も、なんかおかしい部分を持った男ばかり。特に主役が一番。こだわりのインテリアも、サックスを吹く姿も、投げつけるシーンも、デニス・ホッパーの癖のある容貌もあって、おかしくて、どこかジンワリする。
 ヒロインの概念芸術家、って電光掲示板に意味深なようなフレーズ、断章を流すというアートがおかしい。それがまた、別人に成りすましたら化粧品のコピーになっちゃうというのも皮肉でおかしい。
 プロの殺し屋が、はじめに情報を得るための捜索で彼女の黒下着写真に参ってしまうところから、一緒に行動するようになっての浮かれぶりが可愛くておかしい。アンのほうでも、いつの間にかしっかり彼の手綱を握っていて、ラストでは映画もサスペンスタッチ強調になっちゃうんだけれど、2人がどことなくゲッタウェイ調に息があうのも面白い。
 デニス・ホッパーが編集権をめぐって会社と争い、アラン・スミシー監督で公開されたそうだが、来週はたぶんこの映画の監督編集版「バックトラック」(こちらは初見)が届きそうなので、比べてみるもの楽しみ。