虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

海底軍艦(1963/日)

2004年11月22日 | 映画感想か行
監督:本多猪四郎
出演: 田崎潤 高島忠夫 藤山陽子 小泉博 上原謙 藤木悠 佐原健二 平田昭彦 天本英世 小林哲子

 12000年前、地殻変動のため海底に沈んだムウ帝国は海底都市で地熱の力で生き延びていた。しかし突然地上に現れ、全世界に植民地になるよう要求、世界各地に攻撃を開始する。太平洋戦争終戦間際にこつぜんと姿を消した神宮司大佐たちは、孤島でひそかに強力な海底軍艦を建造していた。かつての神宮司の上司・楠見はムウ帝国と戦うために轟天号の出動を要請。だが旧日本帝国にこだわる大佐は肯じない。一方、神宮司の娘・真琴と恋人・旗中はムウ帝国に連れ去られてしまう…。


 「レインマン」を探しにいったら、店にあったので借りてきてしまった。
 これはご本家の小説とは全然違うのですね~。戦後20年といっても、日本が敗戦国で平和憲法の国だ、というのがかなり強烈に出されてるし。
 それなのに話の展開はかなり乱暴で、交渉もなしに、いきなりムー帝国全体を国民もろとも滅ぼしちゃう。このギャップにはいささか唖然。
 でも、古い特撮ものについて回るちょっとしたチープ感があまり感じられない。物理法則はまったく無視したような、空を飛び、海をもぐり、地中を先端ドリルで驀進する海底軍艦・轟天号にわくわくしてしまった。
 怪獣がマンダ一匹しか出てこなくて、それもあんまり活躍しないので、当時の特撮としては異色、というか特撮だから無理やり怪獣入れてみましたって感じ。
 
 ヒロインはきれいだけど、色彩センスのすごい衣装ばかりで気の毒。ムー帝国皇帝役さんはふっくらした世間知らずのわがままお姫様の感じでいかにもという雰囲気があって素敵だった。
 男の人が良くて、特に若い俳優よりおじさん連に見とれる。私は細長系より重厚型が好きなので、藤田進とか高田稔が並んでると、それだけで映画の評価上がっちゃう。特に神宮寺役・田崎潤はもうぴったりでたまりません。
 
 突っ込みながらキャーキャー楽しんで見てしまった。
 天本英世が出してくる海底軍艦設計図が青焼き~~~!「青焼きが20年持つのか?」「いや、しまったままなら持つかも」「なんで突出した科学力を持つムー帝国が槍で戦う?」「デビルマンでも銃は撃たずに振り回してたし!」海底軍艦が地中を進む所では「あ、一応残土排出してる!」「あれじゃ足りんだろうなあ」、「ムー帝国の光線兵器の造形(マンダ型?)は、帝国の美意識がこだわっちゃったのね~」「平田昭彦はなんで夜でもサングラス?」「平田昭彦だから!」「まあ、富士山麓のような絶海の孤島!」
 「ありえね~」世界をいっぱい楽しめた映画です。音楽が伊福部昭で、ちょっとゴジラっぽいけど荘重感があってわくわくします。


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5 コメント

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Unknown (samurai-kyousuke)
2004-12-07 21:05:56
初めまして。ブログ読ませていただきました。

「海底軍艦」大好きです。特に試運転で伊福部さんの曲をバックに水面から空中に浮かび上がるシーンは大拍手です。

神宮寺艦長いいですね。

ムー帝国皇帝の決め台詞「マンダの生け贄にせよ !」最高。
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こんにちは (ningyo)
2004-12-08 08:03:54
コメントありがとうございます。

本当に、あの浮上シーンは素敵でした。

神宮寺艦長は、もうはまりすぎていてかっこよくて、見惚れてしまいました!

ゴジラ Final Wars 、轟天号は大事にされてるのかちょっと心配です。
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個人的なツボ (arudenteな米)
2004-12-21 16:35:52
昔見たときは海底軍艦の勇姿や神宮寺艦長のこだわり(意固地)が記憶に残る映画でしたが前に見直した時に笑ったのが8mmが郵便で送られてくるシーン。

「ムー帝国工作員!?」って言ってましたが宛名が書いてある!律儀だ。
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ありました! (ningyo)
2004-12-22 09:55:09
工作員23号さんでしたっけ?

刑事課長あてに届いてましたよね。



うちでは映画の中に登場する車が「そろそろ国産車になってる」

グロリアとか、プリンス・スポーツ(だと思います)とか。

突っ込みどころはいっぱいでも轟天号の名前もいいし登場時のわくわく感たら、古い映像にも漲ってました。



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「特撮映画特集」開催について (倉敷東映)
2005-06-26 11:01:52
はじめまして、私、岡山県倉敷市にございます倉敷東映という映画館の者です。



早速ですが、「特撮映画特集」についてご案内させていただきます。



7/31~8/ 9 「戦国自衛隊」(1979年作)



8/10~8/20 「ゴ ジ ラ」(1954年作) 「空の大怪獣ラドン」(1956年作)



8/21~8/30 「大怪獣ガメラ」(1965年作) 「地球防衛軍」(1957年作)



9/ 1~9/10 「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年作) 「海底軍艦」(1963年作)



この機会に、是非大スクリーンでご鑑賞ください。



※9/11~20は「宇宙戦艦ヤマト」「さらば宇宙戦艦ヤマト」も上映します。



詳しくは、当サイトをご覧下さい。
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