虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

宇宙戦争 (2005/アメリカ)

2005年07月01日 | 映画感想あ行
WAR OF THE WORLDS
監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: トム・クルーズ    レイ
   ダコタ・ファニング    レイチェル
   ティム・ロビンス  
    ジャスティン・チャットウィン     ロビー

 重機オペレーターのレイが、いつもは別れた妻とその夫の元にいる息子のロビーと娘レイチェルと共に過ごす日、街に異変はが訪れた。強風、そして激しい雷が地上に何度も落ちた。様子を見に行ったレイの前で地面から巨大なマシンが現れ、何もかもを灰にしていく。パニックの中、レイは子どもたちと逃げる。

 はい、突っ込もうと思えば突っ込めますが、さすがにスピルバーグと言いますか、パニック映画としてはすごくドキドキさせてくれましたし、退屈だと思うようなところはありません。
 画面も、筋の運び方もとてもよく出来ているし、宇宙人もメカも小説のオリジナルイメージを大事にしてるようで、あの宇宙人の見た目はエイリアンかプレデターかで、これが数百万年も地球人より文明の進んだ知的生物ですか…あ、これは突っ込みになってしまいますね。
 ただ、ラストでも危機を乗り越えて「やった!」いうような人間の力で乗り越えた感じがない。乗り越えてはいるんだけど、やっつけた爽快感はない。
 だから豪華で緻密な絵で、丁寧に作ってあるのがわかるのに、なんだか地味な印象。
 それに作ってるほうも、それをわかって作ったような気がする。
 原作も全て打つ手無しの絶望に見舞われたところでのまったく僥倖で助かるというか、地球の生態系に助けられるという結構あっけない結末で、読んでるほうも少し肩透かしを食わされる気分になる。この映画も似てる。パニック克服映画の充実感に満ちたラストより、あえてこのラストを選んだということでしょう。
「なぜ、何のために?」襲われるのかがわからない、意思の疎通というものがまったくない敵。手も足も出ない恐怖や、目にする事柄への怒り、無力感、そしてギリギリのところでも一人では生きられない人間というものの姿を映した緊張感の張り詰めた映画。

附記
音楽がちょっと気になるのがありました。「え?まさかね」みたいなの。また行けたら確認したいけど、きっとDVDリリース後に確かめることになるだろうな。今年の夏は「SW」だものね~。