虫干し映画MEMO

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ルビー&カンタン (2003/フランス)

2005年07月06日 | 映画感想ら行
TAIS TOI !
監督: フランシス・ヴェベール
出演: ジャン・レノ  ルビー
    ジェラール・ドパルデュー 

 恋人を殺されたルビーは、裏社会のボスから大金を奪い、恋人の復讐も果たそうとしている。金を隠し警察に捕まったルビーは、そこでまったく場が読めずにしゃべり倒してはトラブルばかり引き起こしているカンタンという男に勝手に親友にされてしまう。
 ルビーの周到な脱出計画も、カンタンの用意した計画に先回りされ、一緒に警察とボス一味にともに追われることになる…

 ヴェベール監督は私には肌に合うのかもしれない。「奇人たちの晩餐会」も、「メルシィ!人生」も面白かった。フランスコメディでも「ミッション・クレオパトラ」は「どこがおかしいのかわかるけど笑えない」という不思議な映画だったが、これは爆笑なしだけど自然に笑えた。ドパルデューはさすがで、頭の回線が少し切れちゃった「奇人」が活き活きしてます。
 カンタンは「まっすぐで、裏のない、ためらいもない」という、実生活上では実に実にはた迷惑な、付き合うにはほんとに困っちゃうだろうな、という人間。それをドパルデューがいかにも、のリアリティ感じさせてくれて感心しきりです。ジャン・レノは人に合ってる役。
 ジャン・レノのルビーにとってはめぐり合ったが災難で、とんでもない男になつかれてクールなアウトローが調子が狂ってしまう、そして結局その奇人パワーに巻き込まれてしまう様子が期待通りでおかしい。でも、これも双方にとって運命的な出会いだねえ、と思わせちゃうのは俳優さんたちの力量でしょう。
 アクションは量も控えめでオーソドックスなので、結構ピシッと決まっていますが目立たない。車談義やギャグも、二人の逃走に絡んでいくチンピラさんたちのシーンもかなり面白かったけれど、やはり主役がきっちり笑わせてくれます。ラストも予想通りだけど、これでないと納まらない感じはします。

 この映画も「奇人~」や「メルシィ~」ほどはストレートじゃないけど、人間て、相手に自分の思考を投影してしか判断してないなあ、なんてことも考えてしまいました。

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