虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

幕末太陽傳 (1957/日)

2004年04月30日 | 映画感想は行
傑作

監督:川島雄三
出演:フランキー堺 南田洋子 左幸子

かなり昔に見て、いわゆる記憶に残りそうなシーンは
頭に残っていたが、今度も唸りっぱなし。
それに、見終わってなぜか井伏鱒二「厄除け詩集」の
 花発多風雨 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 人生足別離 サヨナラダケガジンセイダ
が浮かんできた。
さっきデータを調べるためにちょっと検索したら
これは川島監督の口癖だったそうだ。
…なんか、できすぎ。

生の絶対的な肯定のようでありながら
虚無と死の影のちらつくコメディ。
遊郭という、嘘が真実の場が舞台。
ねじれあった嘘と誠の最後に
なぜか書割のように見える風景に消えていくフランキー境。

私は石原裕次郎という俳優にあまり魅力を感じないのだ。
この映画を前に見た時も小林旭の軽さが良かった。
どの映画を見ても裕次郎はみんな話す調子が同じに聞こえる。
この先入観がなければ、もっと面白かったに違いない。

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