虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ブロークン・フラワーズ(2005/アメリカ)

2006年11月27日 | 映画感想は行
BROKEN FLOWERS
監督: ジム・ジャームッシュ
出演: ビル・マーレイ   ドン・ジョンストン
   ジェフリー・ライト    ウィンストン
   シャロン・ストーン   ローラ
   フランセス・コンロイ   ドーラ
   ジェシカ・ラング     カルメン
   ティルダ・スウィントン    ペニー
   ジュリー・デルピー   シェリー

 プレイボーイのドン・ジョンストンは、いい年齢になっても気ままな生活を続け、一緒に暮らしていたシェリーも出て行った。ちょうどその時差出人不明のピンクの手紙が届き、そこには彼の知らない19歳の息子がいると書かれていた。それを聞いた親友のウィンストンは、お節介にもドンがいままで付き合ってきた女性たちを訪ねて回る旅を段取りしてしまう。

 なんだか分かり易すぎてジャームッシュじゃないみたいに思えるような映画。
 人間誰しも、眼に見える、他の人間と共有しているものとは別の世界を持っている、あるいはそこからはずれたところで生きている部分があり、だから人間はすべて社会との違和感を感じないではいられないのだと思う。今までのジャームッシュの映画ではそういった感覚をモロに刺激してくるような気がしたのだが、この映画で私が見たものは、人間の普遍にもつ感覚には違いないけれど、まあ、あくまで私にはだけど、「命」「人生」を意識させるものだった。
 とりあえず経済的にも安泰で、わずらわしいものは極力遠ざけ、テレビを見ながら暮らしている、一種の理想の生活。でも、彼は自分がこれから何を求めずにいられなくなったか分かってしまいました。もちろん旅にでたということは、既にそれを知っていたのでしょうが、ふたをしていたのでしょう。そして旅先で自分と人生を確認するような作業をしてしまったので、もう元には戻れないでしょう。
 寂しさがひたひた足もとから来るような気分で、エンディングをいささか呆然と見続けてしまった。


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4 コメント

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侘び寂び (arudenteな米)
2006-11-27 22:07:34
非常にほのかな味のある映画だったと思います。

噛むほどにかすかなにじみ出るかどうかな味ですが美味しかったと思います。
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じわじわと (ningyo)
2006-11-28 20:14:34
私はあの「ぐるり」でどっかんときました。
以来、なんとなくじわじわ効いております。
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やっと見ました。 (satoshi)
2007-01-09 01:03:06
ビル・マーレイの魅力あっての映画ですね。
ちょっと変わった音楽、ビル・マーレイの無表情な演技・・・コーヒー大好きな僕にはコーヒーなしでは見れない映画です(^o^)丿
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音楽が素敵 (ningyo)
2007-01-09 19:27:55
時々なんとなくあのとぼけたメロディが浮かんできます。
私はいつの間にか食い入るように見ていました。

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