虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ボウリング・フォー・コロンバインとアメリカ史

2004年06月02日 | 映画感想は行
去年からアメリカ史の本を読んでいる。
マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見た時に、なんだか違和感が残って、素直に感想をかけなかった。
後から資料を見て、彼が構成を緻密に組み立てたわけでなく、本当にその場で進行を決めて行ったりしたということがわかって、それなりに納得はしたのだが、あの映画は、こちらに立ち止まって咀嚼する暇を与えず、監督に引きずっていかれるような感覚がある。構成の緩さゆえだろうか。次は?とこちらが納得する前に画面が進行していくようにも感じられる。見た後に強引さ、ちょっとあくどさに似たものが残る。映画というメディアの制約上しょうがないのだけれど。他の映画ではこれ以上に製作者の意図にのせられているから、それを感じないのだということもわかっちゃいる、けれど。

特典映像で監督のインタビューを見てショックだったのは、彼の少年時代の体験。キング牧師が暗殺された時に、アイルランド系の家庭で育った彼はちょうどミサで教会にいたのだが、知らせを聞いて皆が歓声を上げたというのだ。キング牧師の暗殺に?なぜ?キング牧師の行動が誰かから何かを奪うようなものだろうか?

アメリカ史を読んでいると、アラモ砦も「時の娘」で言うトニイ・パンディ(事実が都合の良い伝説に化ける)にはまりそう。先住民・ブラックピープルなど弱い立場のものがますます追い詰められていくのが苦しい。しかしそれに対して闘う人々の輝かしさもまた同時にあるのだが。

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