虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

十二夜 (1996/イギリス)

2005年06月19日 | 映画感想さ行
TWELFTH NIGHT
出演: ヘレナ・ボナム=カーター
    イモジェン・スタッブス
    トビー・スティーヴンス 
    リチャード・E・グラント
    ナイジェル・ホーソーン
    ベン・キングズレー 

 海で遭難して別れ別れになった双子の妹ヴァイオラは男装してオーシーノ公爵に仕える。公爵に恋をするヴァイオラだが、そうとは知らない公爵は、彼女につれない女性オリヴィアとの恋の取り持ちをさせようとする。ところがオリヴィアは男装のヴァイオラに恋してしまう。

 正統派に進行で、思い切った新解釈とかはありません。でもスピーディーにまとめてわかりやすくなってる。気持ちの良いコメディなので、シェークスピアを楽しむにはとてもよいのではないかと思う。もちろん「恋に落ちたシェイクスピア」ファンにもあの映画の関連で楽しむにはこの雰囲気は馴染むのでは。
 シェークスピア劇団の舞台そのままの映像化みたいなのではないので、シェークスピア劇の独特の台詞回し(タタッ、タタッの後半にアクセントがかかる感じ)でなく、普通にしゃべっています。コスチュームがヴィクトリア時代になっているので、男装の主人公の軍服が華奢な感じの顔に映えて、宝塚的・少女漫画風の美少年ムードに溢れ、とっても素敵。私としては、オリヴィアは少し感じが違う。きっちりした自分を作ってきた女性が、ヴァイオラのユニセックスで不思議な美しさと、恋するヴァイオラの公爵代理の口説き文句の裏の恋心に彼女自身の心の中の種火が煽られ、かきたてられ、鎧が落ちていくイメージなのです。
 ほかの映画で主役やってる方たちが脇にまわって愉しそう。ベン・キングズレー、歌上手いです。