虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

キッチン・ストーリー (2003/ノルウェー、スウェーデン)

2005年06月04日 | 映画感想か行
SALMER FRA KJOKKENET
監督: ベント・ハーメル
出演: ヨアキム・カルメイヤー  イザック
    トーマス・ノールシュトローム  フォルケ
    ビョルン・フロベリー  グラント

1950年代初め。キッチン近代化のために、使う人の行動パターンを知る調査が行われ、スウェーデンの“家庭研究所”から多くの調査員が調査対象者宅へと派遣された。“馬”がもらえるからと調査に応募したノルウェーに住む初老の男性イザックの家にも、中年の調査員フォルケがやって来た。

 調査対象と調査員は交流せず、生活に干渉せずテニスの審判席のような椅子に座ってじっと観察するだけ。
 短い映画だけど、はじめの神経戦のような無言のにらみ合いのおかしさは大好き。コーヒーの一杯がきっかけで垣根が倒れるように「付き合い」が始まるのもおかしかった。
 食べるものを作るという人間の基本的なところを調査されるというのにこだわって見せまいとする感覚もわかる。見られている人間を覗き返してやるのもわかる!自分以外に興味の対象が出来たことにちょっと嫉妬する気分もわかる。遠い寒い国の出来事だけどなんだか「これわかる!」の連続。
 淡々とした映画のラストでちょっと一山あるけれど、結局人間が豊かに生きるために必要なのは気持ちをくつろがせる場所と時間。心の通う友人付きなら尚可、という感じにじ~んとしましたね。
 いかにもむさい爺さん役のカルメイヤー、調査員役ノールシュトロームは小市民という匂いがふんぷんで、ほんとにどんぴしゃです。

 ただ知識不足だなあ、と感じるところも多々。
 ノルウェーとスウェーデンでは、半島を縦に割ったようなもので、この日本から見ているとさしたる違いのあるべきか、と思ってしまうけれど、やはり国が違うと意識の違いとか、お互いに抱く感情も様々なのね、など考えさせられます。お国料理も違うようです。もらえる「馬」も有名なものらしいですね。きっとこれは爆笑ネタなんだな…と、勘違い以上には認識できない私。
 言葉がわかれば、もっと映画から得られる情報が多いだろうにというのはヨーロッパ映画、ヨーロッパを舞台にした映画を見るといつも思う。それぞれノルウェー語、スウェーデン語があって、二人はどちらで話してる?それとも親戚語みたいなもので、何とか通じるのかな?