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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

鶴見川ウォーカー

2012-03-03 10:00:00 | Weblog

                 

  
 3月の声を聞くと冷気もさすがに鳴りを潜める。
このまま順調に気温が上昇するとは思えないが春はもう目前。
暖かい陽ざしを浴びて水耕の風信子(ヒヤシンス)が一気に開花、ももちゃんドールは春の夢のなかでまどろむ。                             
        
 さて、どこかに出かける時(買い物、散歩、旅行、映画など)、あなたは以下のどのスタイルを選ぶ?

 (1)夫婦で揃って出かける 
 (2)つれあいに留守番をさせてひとりで出かける 
 (3)つれあいに出かけさせてひとりで留守番をする
 
 もちろん私は(2)...ではなく(3)だ!
留守番が好き。ひとりでいて、誰の為にもならないことをする(もしくは何もしない)ことが一番リラックス出来る時間だから。
時々ひとりにさせてくれるなら、ダイヤも毛皮も着物もいらない。
しかし私のこの趣味はなぜか理解されがたく、何度説明してもオットーは分かろうとしない。
むしろオットーは、自分ひとりで楽しむことに罪悪感を感じていて、何をするにも私と一緒にやることが女房孝行だと考えている節がある。

 ところが今回娘の方から、とても素敵な提案があった。

 「夫婦で四国旅行をするのよ。横浜でココア(犬)の世話をしながら一週間留守番をしてくれると助かるんだけれど...いかがでしょうか?」
 
 ひとりになりたがりの私の性向をよく理解している娘が、どうやら自宅の留守番にかこつけて「解放された一週間」の時間をプレゼントしてくれるらしい。

 「あはっ、最高!! 行く♪行く♪」
 
 この冬の長く厳しい寒さでちょっと鬱気味になっていたから、気晴らしにはちょうど良い。
家事や雑事から解放されることもありがたい。
オットーに留守番を押しつけて出かけようとする我が重症のエゴイズムに関しては、この際目を瞑ってもらうことにする。

 世間一般の常識では、私の年齢なら孫の世話にかり出されるのが大勢を占める。
でも孫よりもうんと気楽で責任のない犬の世話、今回に限っては孫がいないことに感謝、感謝。
「オレの世話より犬の世話の方が大事なのか?」
オットーには嫌な顔をされたが振り切って出かけた。

 で、私は横浜で一週間何をしてきたかと言うと...


          

              『鶴見川』


 娘の住居のすぐ傍を流れる鶴見川の川辺を毎日ココアと、あるいはひとりで黙々と散歩した。
鶴見川は日本で一番汚い川として有名だそうだが、特にヘンな匂いもしなかったし、鳥もいたし、河川敷や遊歩道は広々と整備されていて気持ちがよかった。
早春の遊歩道は、マラソンやウォーキングやサイクリングをする人たち、犬の散歩をする人たちなどが行き交い一日中活気に溢れていた。
鶴見川は、源流から河口までの全長42.5キロの大部分の河畔を歩くことが可能、日本で一番散策者が集まる川としても有名だそうだ。
 
 私は毎日、今日こそはどこまでもどこまでも歩き続けようと決意して家を出るのだが、たいていは3・4キロも行けば疲れてしまって、帰りはいつもバスに乗って戻ってくることになるのだった。

 鶴見河畔以外の道もあちこち歩き、旧東海道を見つけ芭蕉の句碑も発見した。
お腹が空いたら安くて美味しそうなお店を探してひとりご飯。
一週間の滞在中に3回も行った印度カレー屋さんがある。
鶴見川の近辺の風景にすっかり魅せられてしまった私は、住居からあまり遠く離れることなくのんびりと穏やかな時間を過ごし無事留守番の任務をやり遂げた。
もしもう一度留守番をさせてくれるのなら、次回はしっかり体調を整えた上で2・3日かけて鶴見川の全長を歩いてみたい。