「国民が夫、金大中大統領と私にたくさんの愛を施してくださったことについて感謝している。国民が愛し合い、和合して幸せな人生を送ることを願っている」

「天国に行って民族の平和統一のため祈りを捧げます」
登録:2019-06-12 05:38 修正:2019-06-12 06:09

李姫鎬・金大中平和センター理事長死去 　
　
最後まで朝鮮半島の平和を心配 　
「愛を施してくれた国民に感謝し　
愛し合い、和合することを願う」 　
葬儀は5日間、社会葬として行われる予定

　　　　　　　　　　

ソウル新村セブランス病院の葬儀場、特1号室に今月10日夜、老衰で亡くなった李姫鎬女史の遺体が安置された中、故人の遺影の横に無窮花大勲章が置かれている。出棺は14日だ=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

　「天国に行って、国民のため、民族の平和統一のため、祈りを捧げる」

　10日夜に亡くなった李姫鎬(イ・ヒホ)金大中（キム・デジュン）平和センター理事長は、最後の瞬間まで朝鮮半島の平和を心配した。11日、李姫鎬理事長の葬儀執行委員長を務めたキム・ソンジェ金大中平和センター常任理事が公開した遺志によると、李理事長は「国民が夫、金大中大統領と私にたくさんの愛を施してくださったことについて感謝している。国民が愛し合い、和合して幸せな人生を送ることを願っている」と述べたという。

　李理事長は、生前住んでいたソウル東橋洞(トンギョドン)の自宅を「大統領私邸記念館」(仮称)として使ってほしいとも言い残した。金大中元前大統領のノーベル平和賞の賞金も、故人の遺志に従い、大統領記念事業のための基金として使われる予定だ。李理事長は遺言執行に対する責任をキム・ソンジェ常任理事に任せ、「金大中大統領記念事業と民主主義と平和統一のための金大中平和センター事業を頼む」と要請したという。李理事長と家族は昨年から遺言状の作成を進めてきた。

　李理事長は10日夜11時37分、ソウル西大門区新村(シンチョン)セブランス病院で他界した。享年97歳。金大中平和センターの代弁人は当日夜、「一部マスコミで肝臓がんと闘ってきたという報道もあったが、ガンの診断を受けたことがなく、老衰で亡くなった」と発表した。李理事長は今年に入って健康が急速に悪化した。今年4月20日、長男のキム・ホンイル元議員が死去した際にも、状態が深刻だったため、李理事長に息子が死去した事実を伝えなかったという。

　李理事長の葬儀は社会葬で行われる。数百人規模で構成される葬儀委員会は、李洛淵(イ・ナクヨン)首相やチャン・サン元首相代理、クォン・ノガプ民主平和党顧問が共同委員長を務め、与野党5党代表は顧問として参加する。副委員長は、パク・チウォン民主平和党議員とチェ・ヨンジュン天才教育会長らが務める予定だ。

　北欧3カ国を歴訪中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、李理事長に他界直後、李首相に電話をかけ、共同葬儀委員長を引き受けるよう指示した。李首相は同日に政府ソウル庁舎で行われた国務会議で、「政府は故人の献身と業績にふさわしい礼遇と共に、支援を行う」とし、「大統領が歴訪中なので、場合によっては、外国で弔問に訪れる指導者たちを私が迎える可能性もある」とし、徹底した準備を指示した。李理事長は最後の瞬間まで意識を失わず、家族が見守る中、永眠したという。10日午後4時55分に盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の夫人、クォン・ヤンスク女史が見舞に訪れた際は、しばらく目を開けたりもした。クォン夫人が「愛していますし、尊敬する。長らく記憶されるだろう」と述べた後、「李女史がうらやましい。大統領のそばに行かれるのだから」と言うと、李理事長がしばらく目を開けたという。最期が迫った夜10時42分には、家族全員が集まり、賛美歌「わが道を全うできるように」を歌い、旧約聖書詩篇23篇を朗読した。金大中平和センターは「家族があつまり、賛美歌を歌って祈りを捧げた時、女史が一緒に歌うように少し口元を動かし、家族が非常に驚いた。女史の好きな賛美歌と詩編だったため、歌おうとしたのではないかと思う。安らかに永眠した」と伝えた。

　遺族には息子のキム・ホンオプ(元国会議員)氏やホンゴル(民族和解協力汎国民協議会代表常任議長)氏、嫁のユン・ヘラ氏、シン・ソンリョン氏、イム・ミギョン氏らがいる。葬儀は5日葬で行われ、遺体安置所は新村セブランス病院の葬儀場特1号に設けられた。12日午前11時30分、入棺礼拝を行う。出棺は14日朝6時で、葬式礼拝は朝7時に故人が生涯に通った新村のチャンチョン教会で開かれる。故人はソウル銅雀洞(トンジャクドン)の国立ソウル顕忠院にある金大中元大統領の墓地に葬られる。
キム・ウォンチョル、チャン・ナレ、イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)