新型コロナで止まっていた北朝鮮-中国陸路貿易、
1年半ぶりに再開か
中国ネットユーザー、鴨緑江鉄橋を列車が渡る姿を録画
2020年の新型コロナウイルス感染症発生後に封鎖された北朝鮮-中国を結ぶ貨物列車の運行が再開された。だが、両国が国境貿易を全面再開するかはまだ不明だ。
16日の複数の対北朝鮮消息筋の話を総合すると、この日午前9時頃、北朝鮮と国境を接する中国遼寧省の丹東に北朝鮮側の貨物列車が到着した。この列車は、早ければ明日にも医薬品や生活必需品など「緊急物資」を載せて北朝鮮に戻る予定と伝えられた。
中国のネットユーザー「君楽宝」氏が中国版TikTokと言われる「抖音」(Douyin)に上げた52秒の短い動画を見ると、北朝鮮の新義州(シンウィジュ)と中国の丹東を結ぶ鴨緑江(アムノッカン)鉄橋(中朝友誼橋)の東側(北朝鮮)から西側(中国)に向けて貨物列車がゆっくり渡る姿を確認できる。このネットユーザーは動画で「北朝鮮の列車が渡ってきた。見たかい?今日、中朝友誼橋の列車通行が再開された」と話した。
北朝鮮は、2020年1月に中国で新型コロナが発生した直後、国境封鎖で旅客列車の運行を中断した。また同年8月には断続的につながっていた貨物列車の運行まで中断し、事実上、陸路貿易を全面中断した。
北朝鮮と中国はその後、中国内の新型コロナ状況が安定した昨年上半期から貨物列車の運行再開を推進してきた。北朝鮮はそのために昨年3月初めに最高人民会議常任委員会で「国境通過地点における輸入物資消毒関連制度の整備」を骨格とする輸入物資消毒法を成立させた。また、義州(イジュ)飛行場に鉄道を連結し、滑走路周辺に仮設の建物を建設しており、国境貿易のための専門担当防疫施設として使われるのではないかとの観測が出ていた。しかし昨年11月、北朝鮮と国境を接する東北3省で新型コロナが再拡散し、運行再開も延期された。だが、北京冬季五輪を控えた中国と、徹底した「ゼロコロナ」政策を維持中の北朝鮮が陸路貿易を直ちに再開するかはまだ不明だ。ひとまず緊急物資調達のための試験運行を経た後、防疫状況に異常がなければ徐々に往来の幅を広げていくものとみられる。
これに先立って読売新聞は今月1日、中朝貿易関係者の話を引用し「北朝鮮の政府関係者から陸路貿易を1月中に再開する方向で準備を進めるよう(中国が)通知を受けた」と伝えた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます