ウクライナ軍、東部戦線でまた後退…「兵器が底をついた」
東部戦線の要所であるアウディイウカから撤退したウクライナ軍がふたたび退却した。ウクライナは、ロシアと戦う兵器と軍備が不足しているとして、西側に積極的な追加支援を訴えた。
ウクライナ軍のドミトロ・リホヴィ報道官は26日(現地時間)、現地の番組に出演し「東部戦線のラストチキノを防衛した部隊が後退した」としたうえで、「これらの兵力が近隣の村で、ロシア軍を防ぐための防衛線を新たに作っている」と明らかにしたと、AP通信が報じた。ウクライナ軍が18日にロシア軍の波状攻勢に押されて主要拠点だったアウディイウカから撤退したことに続き、ふたたび後退したのだ。
ロシア国防省も、ロシア軍がラストチキノを「解放した」ことを確認した。ロシア軍のアンドレイ・モルドビチェフ指揮官は現地メディアに「わが軍が、ウクライナ軍を10キロメートル外に追いだし、攻勢を続けている」と述べた。ロシアのメディアは、ラストチキノはウクライナ軍の主要な補給路であり、重要な軍事的勝利だと報じている。ロシア軍はまた、先日ドネツク地域で米国がウクライナに提供した戦車であるM1エイブラムスを初めて破壊したと主張した。
西側の専門家らは「ラストチキノの喪失はウクライナ軍にとって大きな痛手ではないが、ウクライナ軍の相次ぐ退却は、ウクライナ軍が直面している不利な状況を示している」と分析した。ロシアは最近になって、東北部の戦線で優勢な火力と兵力でウクライナ軍を攻撃しており、これに対抗するウクライナ軍は兵力と火力で劣勢をみせ、苦戦を繰り返している。
ウクライナは、戦線を維持するためには西側の兵器支援が必要だとして、追加支援を訴えている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は前日の記者会見で、米国が約束した600億ドル規模の軍事援助が今すぐ必要だと述べた。ジョー・バイデン政権のウクライナ軍事援助案は米上院を通過したが、下院では強硬派の共和党議員の反対のため表決に付されずにいる。ゼレンスキー大統領は「1カ月以内にこの資金が支援されなければ、ウクライナが必要とする兵器を確保することは難しく、戦場での立場はさらに弱まるだろう」と述べた。ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は「西側が約束した軍事支援が適時に行われたのは半分にすぎない」として、「そのため、戦線で適切な軍事行動を行うことが難しく、兵士たちの犠牲だけが強要されている」と訴えた。
西側指導者は、ウクライナ支援を繰り返し約束した。26日、フランス・パリではエマニュエル・マクロン大統領の招待で、欧州各国の指導者と閣僚級の要人20人が参加するウクライナ支援国際会議が開かれた。マクロン大統領は会議後、メディアに「米国にだけ依存せず、各国がウクライナ支援により積極的に乗りださなければならない」として、「ウクライナに長距離ミサイルと軍需物資を供給するために、新たな連合を作ることになるだろう」と明らかにした。
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