。韓ロ関係は、ロシアが韓国人をスパイ容疑で逮捕した事件によってさらに泥沼に陥っている。韓国の安全保障状況をこれ以上悪化させないためにも、対ロ関係を管理するための戦略的外交が切に求められる。

2024-03-15 15:43:09 | しらなかった
 

プーチン大統領

「北朝鮮独自の核の傘」発言の思惑とは…「韓国を揺さぶること」

登録:2024-03-15 06:40 修正:2024-03-15 11:20
 
 
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が12日、モスクワでロシア人ジャーナリストのインタビューに応じている/ロイター・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は13日(現地時間)、北朝鮮が「独自の核の傘」を備えていると述べた。核拡散防止条約(NPT)を無視し、北朝鮮の核保有国としての地位を公の場で認めようとする第一歩とみられる。韓ロ関係が悪化し続ける場合、プーチン大統領はこれをさらに公式化する措置に進むものと予想される。

 ロイター通信の報道によると、プーチン大統領は同日、国営放送の「ロシア1」などとのインタビューで「朝鮮民主主義人民共和国は独自の核の傘を備えている」と述べた。北朝鮮の核問題と核拡散防止問題に詳しい専門家は、「プーチン大統領の今回の発言は、北朝鮮の核保有を認める方向に進もうとする第一段階の布石で、韓国を揺さぶろうとしている」とし、「プーチン大統領が今年訪朝して北朝鮮の核保有国の地位を認め、実質的な核協力に進む可能性がある」と懸念を示した。

 北朝鮮はすでに技術的には核兵器能力を保有しているが、国際的に核保有国の地位を獲得することは別問題だ。NPTにおける核保有国は米国、ロシア、英国、フランス、中国の5カ国であり、これとは別に政治的に核保有国の地位を認められたインド、パキスタン、イスラエルがある。インド、パキスタン、イスラエルはNPTで禁止した核兵器を開発してから「事実上の核保有国」の地位を獲得したが、北朝鮮もこの道を模索してきた。

 韓国の国家安保戦略研究院のキム・ソンベ首席研究委員が最近発表した報告書「北朝鮮が事実上の核保有国の地位を目指す経路の検討および考慮事項」によると、インドとパキスタンは核実験後、米国との交渉を通じて制裁の解除と原子力協力を得て核保有国の地位を確保した。イスラエルは米国との密約を通じて制裁を受けることなく政治的に核保有国の地位を手に入れた。北朝鮮も長い間、核実験後に米国と交渉を通じて核保有国の地位を獲得するルートを目指してきたが、2019年にハノイで開かれた朝米首脳会談が決裂したことで、この戦略は失敗に終わった。ただし、ドナルド・トランプ前大統領が政権に復帰した場合、米国から核保有の承認と制裁の緩和を引き出す案を進める可能性は残っている。

 現在、北朝鮮は後見国のロシアと中国から、国際制裁の不履行と核保有国としての政治的承認を獲得しようとしている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長とプーチン大統領は「あらゆる懸案を含め、朝ロ関係を強化する」と宣言し、戦略的な密着を強めている。15~17日のロシア大統領選挙で圧勝が予想されるプーチン大統領は、5月の就任式後に北朝鮮を訪問し、「北朝鮮の核保有」を戦略的に認める宣言をする可能性がある。北朝鮮との原子力協力の再開を打ち出し、原発技術の提供に乗り出せば、北朝鮮の事実上の核保有国の地位を公の場で認めるイベントになる。

 北朝鮮は非核化ではなく軍縮交渉に進むための武力示威も強化するものと予想される。キム・ソンベ首席研究委員は、「北朝鮮が大韓民国を第1の敵対国であり核攻撃の対象と規定する好戦的な言動を見せるのは、朝鮮半島で核戦争の危機を作り出し、軍備統制交渉へと誘導するための戦略だ」としたうえで、「北朝鮮は朝鮮半島で戦争危機の蓋然性を高めるため、局地的な挑発など意図的に緊張を高める行動に出るだろう」と予想した。

 韓ロ関係の悪化は、北朝鮮にさらに有利な状況を作っている。韓ロ関係は、ロシアが韓国人をスパイ容疑で逮捕した事件によってさらに泥沼に陥っている。韓国の安全保障状況をこれ以上悪化させないためにも、対ロ関係を管理するための戦略的外交が切に求められる。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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