ユン・ヨジョン、バラエティ番組「花より姉さん」や「ユン食堂」、「ユンステイ」などで、情感あふれるユーモラスな姿が知られるようになり、若者にも親しまれるようになった。

2021-03-17 20:56:38 | 韓国文化

アカデミー助演女優賞候補ユン・ヨジョン、

「ユーモア感覚と冒険心に満ちた俳優」

登録:2021-03-17 09:14 修正:2021-03-17 10:16

[監督やプロデューサーらが語る俳優ユン・ヨジョンの魅力] 
『女優たち』のイ・ジェヨン監督「年輪から醸し出されるユーモアが魅力的」 
『浮気な家族』のイム・サンス監督「年齢を超えてつねに挑戦」 
『勝手にしやがれ』のプロデューサー「対応が柔軟で相手役を生かす演技」 
『チャンス商会』のカン・ジェギュ監督「後輩を叱っても後腐れはない」 
『チャンシルさんには…』のキム・チョヒ監督「映画を諦めないように導いてくれた」 
ユン・ヨジョン「在米韓国人2世の映画に参加し、やりがいを感じた…すべてに感謝」

 
俳優ユン・ヨジョン=フックエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 「マネージャーは泣いたけど、私は(頭がぼうっとして)涙が出なかった。(自主隔離で)マネージャーと二人だけで(ノミネートを)祝うつもりだが、マネージャーはお酒が飲めないから私一人で飲まなきゃ。マネージャーは私がお酒を飲むのをただ見ているだけ」

 ユン・ヨジョンらしく率直で愉快な感想だ。彼女はオンライン動画サービス(OTT)アップルTVプラスのドラマ『パチンコ』の撮影のために訪れたカナダから今月15日に帰国した1時間後に、アカデミー助演女優賞にノミネートされたというニュースを聞いた。そしてこのような感想を残したと、AP通信が報じた。

 ユン・ヨジョンは感情を表には出さない。その代わり、ウィットに長けた言葉をぽんぽん投げかけ、相手の緊張をほぐし、笑わせる。以前は多少近寄りがたく、都会的なイメージが強かったが、ナ・ヨンソク・プロデューサーのバラエティ番組「花より姉さん」や「ユン食堂」、「ユンステイ」などで、情感あふれるユーモラスな姿が知られるようになり、若者にも親しまれるようになった。

 
映画『女優たち』のスチールカット=ショーボックス提供//ハンギョレ新聞社

 このような彼女の魅力を早くから見抜いていたのは映画監督たちだ。イ・ジェヨン監督は2008年、ユン・ヨジョンに初めて会った。イ監督は「個人的にはファンだったが、実際会ってみると、自分を含め多くの人が彼女についてあまりにも知らなかったことに気づいた」と語った。「歳月と年輪から醸し出されるユーモアが興味深かった。こういう魅力を人々に知らせたいと思って企画した映画が『女優たち』(2009)でした」。世代の違う女性俳優6人が集まり、台本なしで即興演技を繰り広げるフェイク・ドキュメンタリーは、ユン・ヨジョンにとっても挑戦であり、冒険だった。しかし、出演を快諾し、撮影を楽しんだという。

 ユン・ヨジョンのチャレンジ精神は早くから発揮されていた。イム・サンス監督は映画『浮気な家族』(2003)の浮気性の義母役にユン・ヨジョンをキャスティングした。「ほかの俳優たちは『(役の)キャラクターが強すぎる』と断ったが、ユンさんは『面白そう』と承諾しました。その後、『ハウスメイド』や『蜜の味 テイストオブマネー』など型破りな作品にも快く出演してくださいました。私は彼女を“若い”と表現したいです。年齢と関係なく、新しいこと、やったことのないこと、よく知らなくても監督を信じてやってみる冒険精神の持ち主ですから」

 
映画『ハウスメイド』のスチールカット=サイダーズ提供//ハンギョレ新聞社

 撮影現場でも彼女は相手を配慮し、ユーモアを忘れない。ドラマ「勝手にしやがれ」(2002)などを演出したパク・ソンス元文化放送プロデューサーは「相手の演技に沿って柔軟にリアクションすることで、相手役の俳優(の演技を)を生かせてくれる」と話した。映画『チャンス商会 初恋を探して』(2015)を演出したカン・ジェギュ監督も「大先輩なので私やスタッフたちも緊張していたが、冗談も飛ばし、食べものを配ったりして、気さくに振る舞ってくれた。後輩の俳優が遅れたり、ミスをしたときは厳しく叱ることもあったが、後腐れのない人」だと伝えた。

 1980年代半ばに歌手チョ・ヨンナムと離婚した後、生活のために再び演技を始めたユン・ヨジョンは後日、インタビューで「食べていくために命をかけて演じた。子どもを育てなければならなかったから、とんでもない死に方をする役や到底理解できないストーリー展開のドラマも引き受けた」と、当時を振り返った。しかし、子育てから解放された60歳以後は、好きな人たちとやりたい作品だけを選んで出演している。イム・サンスやイ・ジェヨン、ホン・サンスなど、一度縁を結んだ監督らとの仕事を続ける傾向がある。

 
映画『バッカス・レディ』のスチールカット=CDVアートハウス提供//ハンギョレ新聞社

 イ・ジェヨン監督の映画『バッカス・レディ』(2016)で高齢者を相手に売春を行う「バッカスおばあさん」を演じたのもそのためだ。イ監督は普段からユン・ヨジョンと話し合いながら、老いと死についてじっくり考えたうえで映画を構想した。型破りのテーマであるうえ、低予算だったため、出演をためらってもおかしくない映画だったが、ユン・ヨジョンはイ監督を信じてもう一度挑戦に出た。その結果、国内外の映画祭で主演女優賞を受賞する成果を成し遂げた。

 「60歳を過ぎてからは笑って生きることにした。以前は生計型俳優だったので、作品を選べなかったが、今は好きな人たちの映画にはお金をもらえなくても出演している。好きな作品を選べるのが私にとっては贅沢だよ」。ユン・ヨジョン『チャンシルさんには福が多いね』(2020)のキム・チョヒ監督に聞かせてくれたという話だ。ホン・サンス監督の映画プロデューサーとしてユン・ヨジョンに会ったキム監督は、「最初はよそよそしかったが、ユンさんを手作りの食事でもてなしたことをきっかけに親しくなった。私が映画をやめようとした時も諦めないように導いてくださった」と話した。ユン・ヨジョンはキム監督の短編『山菜娘』(2016)に続き、長編デビュー作『チャンシルさんには福が多いね』にもノーギャラで出演した。

 
映画『チャンシルさんには福が多いね』のスチールカット=チャンラン提供//ハンギョレ新聞社

 ユン・ヨジョンのこのような態度は『ミナリ』でも現れた。普段から親しいイ・イナ・プロデューサーの紹介でシナリオを読み、監督の真心を感じ取り、劣悪な環境であることを知りながらも快く出演を決めたのだ。その結果、予想もしなかったアカデミー賞にノミネートされた。ユン・ヨジョンは16日、所属事務所を通じてこのような感想を伝えた。「在米韓国人2世たちが作る小さな映画に、大変だったけど、やりがいを感じながらかかわることができたと思っていましたが、このような嬉しい瞬間を迎えることになりました。映画のシナリオを私に渡し、監督を紹介し、その責任感で今日まで共にしてくれる友達のイ・イナ・プロデューサーに感謝します。心に余裕が生まれたら、感謝の気持ちが芽生えるようです。余裕がない時には恨みばかり抱くようになりますけどね。私にも余裕が生まれたみたいです。これまでのすべてに感謝します」

ソ・ジョンミン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 

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韓国に行ってもこのようなメッセージを伝えたい」と付け加えた。「中国」や「クアッドプラス」には直接言及しなかったものの、韓国政府には少なからぬ負担になる見込みだ。

2021-03-17 10:43:57 | アメリカの対応

米日、「中国」4回言及し「インド太平洋の安定を損なう」

登録:2021-03-17 05:37 修正:2021-03-17 07:06
 
米日安全保障協議委員会(2プラス2)共同発表文 
中国の海警法発動で“警告”鳴らし 
香港と新疆ウイグルに触れ、懸念を表明
 
米国と日本政府が今月16日午後、東京でバイデン政権発足後初めての両国外務・国防担当閣僚が参加する安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。(左端から)米国のロイド・オースティン国防長官とアントニー・ブリンケン国務長官、日本の茂木敏充外相と岸信夫防衛相が記念撮影を行っている/ロイター・聯合ニュース

 米国と日本が16日、外務・国防担当閣僚が参加する安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表文で、異例にも「中国」を4回も言及して批判するなど、今回の会談の目的が中国牽制にあることを明確にした。

 米日は同日、東京で外相と防衛相がそれぞれ2国間会談を行ったのに続き、4人が出席した2プラス2を開いた。会談後の共同記者会見では「中国による既存の国際秩序に合致しない行動は、日米同盟と国際社会に政治・経済・軍事・技術的な課題を提起している」とし、「ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者に対する威圧や安定を損なう行動に反対する」と明らかにした。

 米日の2プラス2には米国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官、日本の茂木敏充外相と岸信夫防衛相が出席した。同会議は2019年4月以来2年ぶりに開かれたもので、バイデン政権発足後、閣僚級が日本を訪問したのは初めて。特に米日会談は韓米外務・国防担当閣僚協議(17~18日)と米中高官級会談(18~19日)に先立って行われたバイデン政権初の同盟外交という点で、象徴するところが大きい。

 同日の会議では「同盟と共に中国を牽制する」というバイデン政権の対外政策基調が具体的な内容として示された。両国の閣僚は「米日同盟がインド太平洋地域の平和と安全、繁栄の礎になる」と強調した。また東・南シナ海をはじめ香港と台湾、新疆ウイグル問題を取り上げ、中国が「インド太平洋地域」の安定を損なうと批判した。ブリンケン国務長官は記者会見で、中国によって「多くの場所で民主主義や人権、法の支配という価値観が危機に陥っている」と述べた。また、中国の香港民主派弾圧などについては「力を使って攻撃している」と批判し、新疆ウイグル自治区については「人権を蹂躙している。これは国際法違反だ」と強調した。

 米日は特に、中国政府が海警の武器使用を許可する「海警法」を施行したことについて「地域における混乱を招く動きについて深刻な懸念を表明」し、尖閣列島(中国名・釣魚島)問題が米国の対日防衛義務を定めた「日米安全保障条約第5条」の適用対象だと強調した。オースティン国防長官は「中国が威圧的な行動を取っている」とし、「これが米国地域の同盟国まで脅かしている」と述べた。

 ブリンケン国務長官は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた同盟と友好国の協力を強調した。記者会見で「インド太平洋地域は地政学的に重要な地域」だとしたうえで、「友好国や同盟国とともに共通の概念に基づき、強力な形ですべての人のために安全保障を獲得していかなければならない」と述べた。17~18日に韓国を訪問するブリンケン長官は「その後、韓国に行ってもこのようなメッセージを伝えたい」と付け加えた。「中国」や「クアッドプラス」には直接言及しなかったものの、韓国政府には少なからぬ負担になる見込みだ。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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