どこ吹く風

旅のことを主に書く。

レ・ディアボルレ  グレッシャー3000

2006年08月10日 07時13分07秒 | モンブラン
 グスタードを出発したバスはたちまち街並みを抜けて郊外へ出た。
あたかも峠巡りをしているようだ、峠へ行くのだから当たり前だが・・。この辺りはフランス語圏でコルとは鞍部、峠の事なのでコル・デ・ピヨンはピヨン峠です。峠はレストランとロープウェイ乗り場があるだけの閑散とした場所だった。駐車場は広い、冬場は大勢のスキー客がいるのだろう。

 スーツケースを事務所に預けて頂上へ、さらにリフトで雪原に下りた。一面雪に覆われている、これまでは山は雪に覆われて氷河は川のように流れていたが、ここは一面雪の平原だ。緩やかなスロープはスキーに適しているだろう、スキー用のリフトは動いていなかったが夏スキーのメッカらしい。

 しばらく雪道を歩いていくと犬が橇を引いているのが見えた。周回するコースと展望の良い地点までのコースがある、高かったが展望の良い地点まで犬ぞりに乗ることにした。スノコになった橇に座ると10匹ほどの犬が橇を引く。イヌイットのようにムチを振るうことはせずに声で励ましたり、ルートを誘導している。緩やかに上りだが犬はきつそうだ、声も止むことなく発せられている。
雪上車が通ったり人が歩く所はミゾが掘られてデコボコになっているので段差を乗り越えるのがタイヘンな様子だ、犬も一所懸命引っぱっている。

 途中から雪の原に入る、踏み後の無いまっさらな雪の上に出ると快調に進んだ、犬もすべりが良くなったせいか元気が出たようだ。ソリと座席のスノコの間に雪がたまって動きが鈍くなったので雪を掻き出すために一時ストップする、周囲を見回して雪原の犬ぞりツアーを実感した。
三人とも年甲斐も無くキャッキャと騒ぎ顔に雪つぶが当たるがこれも又楽しい、1泊分相当の費用がかかったがめったに体験できない事をした。
一人75chfでした、時間は20分足らずかな。同じ場所まで雪上車で行けば12CHFとのこと。
 レ・ディアボルレ、グレッシャー3000と銘打った雪原は日本からの観光客は少なくガイドブックにも説明が少ない、時間に余裕があるならシャモニへの途中あるいはジュネーブやローザンヌから足を延ばしてみては如何でしょうか。半日あれば寄り道して別天地を楽しめます。
 モンブランやマッターホルンが見えるはずだが高曇りのためにハッキリ確認する事は出来なかった。

峠のレストランでスープを頼みバスが来るのを待った。オーベーぶんぶん(ハエが多いさま)はスイスの特徴と諦めているがやはり気になるので手で振り払いながら食べた。
 今日はレ・ディアボルレの村に止まる予定だったが、少しでもシャモニに近づくのが好いだろうと、鉄道の分岐点マーティニMartignyまで出ることにした。
バスから降りて1両だけの電車でAigleエーグルに出てマーティニまで行った。

 アイガーの見えるメンリッフェンを朝出てグレッシャー3000の雪原を楽しみモンブランの入口マーティニまで行けるのだから、私たちの行動力というよりも”スイスは狭い”を念頭に入れて計画した方がいい。また日が長いので行動時間も長く取れるのもアタマに入れておくことも肝心です。

グレッシャー3000へ

2006年08月09日 16時46分13秒 | モンブラン
 7月4日の火曜日、今日で7日目になる。
長いようでアッという間に過ぎたようで、自分でもよく分からない。旅は非日常の世界なので日にち曜日は意識しないと分からない、気にもならない。まだ道半ば足らずでこのような日々が暫らく続く。

 5時過ぎにグロッセシャイデックの方向が赤くなり暫らくしてから雲の上から太陽が山々を照らし始めた。朝日に輝くアイガーは昨日載せた。
ベルナーオーバーランドはいいところだ、またスイスに来ることがあるなら又この地に来るだろう。何遍来ても感激することでしょう、この次はどのような歩き方をするか反省を加えながらベランダから眺めた。

 スイス観光局のサイトによると「アルプスの明峰」として次のところを詳しく紹介している。
1 サンモリッツ周辺
2 中央スイス地方
3 ベルナーオーバーラント地方
4 ディアブルレ周辺
5 アレッチ氷河周辺
6 サースフェー周辺
7 ツェルマット周辺

2と3を見て廻ったので、これからシャモニへ向かうがその前に4のディアブルレ氷河に寄るつもりだ。今回の旅のテーマに氷河も入っている。テーマの数が多いが氷河を間近に触れて体感したい気持ちも大きかったし、シャモニへの途中でもあるのでディアブルレを組み込んだ。
 見所のグレッシャー3000は鉄道のゴールデンパスラインのグスタード駅と盲腸路線のレ・ディアブルレ駅の間にあるコル・デ・ピヨン(峠)からロープウェイ乗らねばならない。この峠へは1日数便のポストバスしかない、時間が狂うとそこまで行っても素通りせざるを得ない事態も考えられるし、また頂上まで上がったはいいけど街へ行く交通手段が無くなることもある。
慎重に計画しなければならないので、メールで運行時間の確認と確実に運行されるかをポストバスに問い合わせもした。

 スームーズにグレッシャー3000を見物するためにはインターラーケン発9時25分の汽車に乗ればいい、そのためにはメンリッフェンを始発のケーブルに乗る必要がある。
ということで朝は大急ぎで食事を済ませ駅に行った。ウェンゲンでの乗り継ぎ、インターラーケン駅でマイリンゲンから送ってあった荷物を受け取り予定していた電車に乗り込んだ。
ベルナーオーバーランドの山が小さくなり見えなくなった。ツバイジンメンで乗換てグスタードに着いた、スーツケースを持っての満席の汽車はツライものがある。

バスの出発までちょっと時間があったので例の如くスーパーで買出しをした。花を売っている店でエーデルワイズを売っていた、ひと鉢10フランで隣の紫陽花は20フランもする、所変われば物の価値も違うようだ。
聞くところに依ると紫陽花はシーボルトが西欧に紹介して、そこで品種改良されたものが日本に逆輸入されたとのこと。

 ポストバスは時間通りにコル・デ・ピヨンに向けて駅前を出発した。

写真は、ウェンゲンの駅前、後にメンリッフェンへのケーブルカーのロープが見える。

メンリッフェン Mannlichen

2006年08月08日 18時09分35秒 | モンブラン
 フェルストからベルナーオーバーランドの明峰アイガー・メンヒ・ユングフラウを見るために8時過ぎの電車に乗る。
クライネシャイデックや泊まったホテル方面の景色もいいが、アイガーの直下を線路が走っているので北壁が迫ってくる様はこれまた圧巻である。牧草が森林に変わりグリンデルワルトに着いた。

 スーパーで買出しをしてロープウェイに乗る。フェルストまでは20分ほどかかる長いロープウェイだ。去年はここフェルストで泊まったので窓越しに部屋を覗いた、キツネが出てきた所へも行った。
大空を飛び交っていたパラセールは無かった、時間的に早かったのか、気流の関係があったのだろうか。正面のアイガーや雪のユングフラウは素晴らしい、ここで夕日も眺めたいがメンリッフェンからクライネシャイデックまでハイキングの予定があったので早々に下る。

 麓に下るとアツイ、日差しが強く気温が高いので山の上に居たほうが心地よいとばかりにメンリッフェンに向かう。12時過ぎにはロープウェイに乗っていた。このロープウェイはこの辺りでは最長を誇るらしい。林越しにグリンデルワルトが遠のいていくのが見える。谷間に長く伸びる集落、牧場、山小屋のアルプス風景がいい。

 メンリッフェンは賑わっていた、屋外のテーブルで休んでいる人、食事をしている人とみんな満足げな顔をしている。ここに泊まりたかったので空室状況を尋ねると空いているようで直ぐ部屋へ案内された。グロッセシャイデックを望むベランダつきの部屋で内装も新しく気持ち良さそうな部屋なのでマンゾク!
 グリンデルワルトで買ったものを部屋で食べてハイキングに出かけた、クライネシャイデックで預けた荷物を取らねばならないのだ。

 ハイキングコースはダラダラとした緩やかな下りで快適この上ない。ズボラな年寄り向きのコースである、のんびりゆっくり道端に咲く花を見て、景色を楽しみ鼻唄交じりで歩いた1時間半だった。
荷物を受け取りウェンゲンまで電車に乗る、ウェンゲンも保養地・リゾート地で街並みも落ち着いて観光客が多い、最終に近いゴンドラでメンリッフェンへ登る。私はちょっと調子が良くないのでパスしたが、二人は頂上まで散歩しに行った。

 人気のいないメンリッフェンは静寂そのもの、昨日・今日と山の上は静かだ、その点でも麓・谷間・集落よりも山の上が気持ちがいい。静かに暮れていく、アイガーとメンヒの上の雲が夕日で赤く染めている、アイガービューのペントハウス風の部屋でベランダ付きなので満足いくまで眺めていた。
 朝日も夕日に劣らず素晴らしい光景を見せてくれた。山の上からの眺めを楽しむために是非ベルナーオーバーランドの高い所にあるホテルに泊まってもらいたい。ただ施設設備はグリンデルワルトのそれを期待すると問題が起きるだろうけど。
ホテルを楽しむのではなくアルプスの風景を堪能するために1泊は山の上にしたら如何でしょうか。

写真は、アイガー、メンヒの朝 メンリッフェンから見る

クライネシャイデック

2006年08月07日 07時25分01秒 | モンブラン
 宿も決まり夕食も済ませてからホテルの近くを散歩した。
直ぐ上のレストラン風の建物を夫婦らしい人が点検している、シーズン入りしたのでオープンの準備をしに来たようだ。考えるに未だ本格的なシーズン入りでは無いとも言える、それ故た易くホテルが見つかるのだろう。

 ダンスサークルのメンバーにこういう状況もあったと話したら、奥さんが怒ったでしょうとかこのような杜撰な計画で行くものだ、とかの非難の声が出た。私としては綿密な計画に基づく行動だから、予定外の宿探しも慌てずに次善策が取れるのだと言いたい。
 見るべき所は見たい、そうするには日程・行動に弾力性が必要だ、そのためには行動を縛るホテルの予約を避けなければならない。旅を恙無く続けるには宿を決めておいたほうがいい、しかし日程をフレキシブルに自由に変更したい気持ちもある、天候の都合で延泊しなければならない状況も出てくるでしょう。矛盾するがどのように折り合いをつけるかです。

 そのために私はこの時期を選んだ、プレシーズンなので人出はそれ程多くないのでホテルは予約しないでもたぶん大丈夫でしょうと、根拠も無いのに確信に近いものを持っていた。この後でも満室で目当てのホテルに断られた日もあった。
でも旅とはこういうことがあっても良いじゃないですか、結果的に何とかその場を凌げれば。

 ベルナーオーバーランドではミューレン、クライネシャイデック、フェルスト、メンリッフェンで3泊することにしていたので、ユングフラウヨッホを見てフェルストまで上がれないというアクシデントは想定内の出来事といえる。騒々しいであろうクライネシャイデックでは泊まりたくない気持ちが何処かにあったのであのような行動計画を立てた面もあるにあった。

 ところが5時過ぎのグリンデルワルトにラウターブルンネン行きの電車が出てしまうと人影が見えない。昼間の混雑ぶりがウソのような静けさだ。
アイガーは目の前に聳えている、ユングフラウも頂上まで見える、陽射しも柔らかくなり肌寒くさえ感じる。鉄条網の柵を越えて牧草地帯に入ると花が咲いている、小さな池に木組みの小屋のベランダには大きな傘が付いているテーブルが並んでいる明日は大勢の客が坐ってこの景色を楽しむだろう。

 この空間、この景色を独り占めして暮れゆくクライネシャイデックを眺めた。
ホテルは二段ベッドが2台入っている狭い部屋でバス・トイレは共用のが3ヶ所あった。部屋からの眺めは悪く窓から洗濯物干し場に出られる。窓から出入りして星空や朝焼けを見た。
朝日に当たるアイガーを目の前にして”ハインリッヒ・ハラー 白いクモ”などの語句がアタマに浮かんだ、白いクモは何処にあるのか・・・
ピーク部分が赤くなり夜が明けた、気持ちの良い朝だ今日はフェルストに行きさらにメンリッフェンに登り、ハイキングでここクライネシャイデックに戻ってくる予定だ。荷物はここに預けておこう。

写真は朝日に映えるクライネシャイデックです。

ユングフラウヨッホ Jungfraujoch

2006年08月06日 06時28分04秒 | モンブラン
今朝はミューレン側の最高峰シルトホルンShilthornにロープウェイに登り昨年果たせなかった山頂からの景色を堪能した。午前中のほうが天気は安定しているようだ。続いて麓のトリュンメルバッハの滝まで見物してラウターブルンネンまで戻り、13時発の電車でクライネシャイデックへ向かった。

 天気が良いうちにユングフラウまで廻ってしまおうと考えたのです。45分の登りはスイスを代表する景色で、落ち着いて坐っている気分ではない、高まる気持ちを抑えきれずに立ち上がって窓にしがみついて眺めた。
 
 ラウターブルンネンとグルッチュアルプを結ぶケーブルの路線に数本のクレーンが立っている、路線の改修工事をしている。もし例年通り運行していたなら、運行時間に間に合わないので、あの時間にマイリンゲンからミューレンに上がる計画は立てなかっただろう。運行休止なのでステッヘルベルグ経由で登るようにとの案内を見つけ、運行時間が遅くまである事が分かったのです。

 クライネシャイデックはさすがに人出が多い、30分間待ち時間で登山電車に乗る、アイガーグレッチャーまでは素晴らしい景色が堪能できる、森林限界帯を越えているので遮る木々も無く草原が続き、迫り来る氷河にクライネシャイデックからメンリッフェンが額縁に入った絵のようだ、シルトホルンも見え隠れする。
後はトンネルの中だが、アイガーヴァンドからの岩や氷河、遥か下に見えるグリンデルワルトは別世界で、じっくり眺めたいけど列車は合図もなしに出発するので時間が気になり早々に電車に戻った。

 トンネルを抜けると行きの世界になっている、照り輝く雪が眩しくサングラスを取り出す。トップオブヨーロッパと宣伝している展望台へ急ぐ、ちょっとガスったり晴れたりのまあまあの天気だ。メンヒの山頂付近は賑わっている、山頂からの眺めは格別だろうが登る体力技術が無い、一昨年天候不順で敗退したOB仲間の無念さが伝わってきた。
ユングフラウもすぐそこに見えたがガスの中に消えた、アレッチ氷河は谷全体を覆い広大な流れとしてゆったり流れ落ちているように見える。ここからは判別できないが後日エッギスホルンから眺める予定なので、その方向をシッカリ見た、下からはここがどのような姿で見えるだろうか・・・
1時間ほどの展望を楽しみ降りる。

 今夜はフェルストに泊まる予定なので早々に降りることにした、地下フォームはこの時間からは下り客で混雑するのでそれを見越して早めに並んだ。
電車の中ででフェルストへのロープウェイの運行時間を調べると間に合わない事が分かった。今夜はクライネシャイデックで泊まらざるを得ない。
 一日でこれだけ動き回って更にフェルストまで登るのはムリだった。天気が良いうちに見るべき所は見て、天気が思わしくない日はハイキングでもしようと考えたのがいけなかったようだ。

 あれこれ考えているうちにクライネシャイデックに着き、駅舎と同じ建物の山岳ホテルに行くと本日は泊めないと言う。理由は言葉のハンディで分からなかったが、とにかく宿泊オコトワリだった、その代わりに近くのHotel Eiger Nordwand を紹介してくれた。
駅から200mほど離れており、メンリッフェンへのハイキングコースの出発点のところだった。

 夕食はコーンスープとラクレットを頼んだ、スイス名物なので食べるようにと娘に勧められたメニューです。隣で食べているものが美味しそうだったので料理名を聞くとベラビスタ Bellavista という、ラクレットと同じチーズの料理なので別の機会に賞味することにした。

写真は、Eigerwand から見た風景です。

シルトホルン、トゥリュンメルバッハの滝

2006年08月05日 07時00分15秒 | モンブラン
 身体は未だ日本時間ようだ、夜中に目が覚める。
天気は良く星が見える、山なみは薄明かりの中でも稜線がはっきり分かる。アイガーの明かりは印象的だった、赤い光も見えるが鉄塔か何かあるのか。
 
 二度寝、三度寝とベッドに入っては又ベランダへ出るのを繰り返しているうちに夜が明け始めた。みなを起こして日の出をベランダで待つ。グロッセシャイデックの少し左側から日が昇りだした。近くのブライトホルンにも日が射し始めて雪が紅色に輝いている、これがアルプスの夜明けだと清々しい空気を胸いっぱい吸い込むが寒かった。

 シルトホルンは昼過ぎからはガスってしまうので早めに登る事にする。ロープウェイ運営会社の系列ホテルに泊まれば朝食は頂上展望台のレストランで取るサービスがあるのでそのホテルに泊まろうとかと考えた事もあったが料金の面で止めた。趣向としては面白いと思う。
荷物はホテルに預けて8時25分のロープウェイに乗る、去年はガスっていたのでビルグまでしか行かなかったが今日は晴れているのでサッサと乗り換えて頂上へ。
霞み様なものが薄っすらとかかっているので遙か彼方のマッターホルンはくっきりとは見えない。北の方にはテトリスが見えるかと思ったらとんでもない方角にある、東側にあるのだ、20chfを越すがやはり地図を買うべきか。(結局買っていない。)

 展望台を何周かして景色を楽しみ下山した、次はお花畑のアルメンドフーベルにケーブルカーで行く。5分ほどで着く牧場風のキャンプやハイキングに適したところで昨年はここからグッチュアルプまでハイキングをした。トラバース気味に緩やかに下り森林帯になると一気に下るルートで初級者コースだった。
今年は時間の都合で30分足らずで降りた。

 ミューレンは夜着いて午前中それも早い時間に降りたので14時間ちょっとの滞在でしかなかった。ピークに登るのを優先するか、のんびりしたハイキングを楽しむかは迷うところです。初めてアルプスに来た妹のためにロープウェイやケーブルが架かっているところは全て登る計画にしたがもっとハイキングを組み込んでも良かったと今頃になって反省している。

 トゥリュンメルバッハの滝は谷が細く深く切れ込んでいる場所を流れているのでまるで地下の洞窟にあるような錯覚を覚える。アレだけの水量が狭い谷から流れ落ちる様は将に圧巻のひと言、華厳の滝を10段並べた感じだった。
入場料の11フランは高いしスイスパスの割引も無い、気分的に面白くないが見たほうがいい。ラウターブルンネンからポストバスで10分ほどの距離だし1本道なので迷う事も無いでしょう。
10ヶ所ビューポイントがあるのでまずはエレベーターに乗り、降りたら滝を見ながら最上段の滝を目指し、そこからは下まで歩いて下るのが楽な見かたです。これなら1時間コースです。
数百メートルを落ちる滝も凄いけど狭い峡谷を流れ落ちる滝にも圧倒される、山の頂上から地の底の滝まで楽しみました。

 いよいよユングフラウヨッホへ行くのだ。


写真は、スイスらしくないけどシルトホルンの山頂展望台にて。
    自分の写真はめったに載せないけど例外として。

ミューレン Murrenへ

2006年08月03日 21時30分52秒 | モンブラン
峠めぐりは5時半ごろにマイリンゲンに戻った。峠への上りもすごいし、下るときのクネクネ曲がる道路を見るとこれまた凄く、周囲の山々が昔の峠越えの困難さを浮き立たせている。一日中バスに乗っていたが疲れは感じない、風景に圧倒されたのでしょう。

 これからミューレンまで行かねばならない。バスを降りてから汽車の出発時間まで5分しかなかったが、スーツケースは朝のうちにインターラーケンへ発送してあったので身軽に動き回れ無事乗れた。プリエンツ湖沿いに走りインターラーケン・オスト駅に着いた。待ち合わせ時間があったのでキオスクでビールを買う、高い4フランもした。カップヌードルが5フランもするのでしょうがないか。
韓国人ツーリストが多い、日本人はこの時間にこの辺りをウロチョロするはずが無い、既にグリンデルワルトのホテルに入っているだろう。

 電車はベルナーオーバーランドの入口である谷に向かって走り、山の切れ目からは雪を被った山も見え出す、いよいよアルプスだ。これまでも山に登り雪に触ってきたのにインターラーケンから谷沿いに進み上りだすと気持ちが高ぶってくる。アイガーやメンヒ・ユングフラウヨッホを中心とするベルナーオーバーランドはやはりスイスを代表する地域で他所とは違う魅力のある地で、スイスへ行ったら一度は見ておくべき場所なのだ。

 スイスパスはラウターブルンネンまで乗れるのを始めて知った、後で知った事だがウェンゲンまで有効です。なんだか得した気分になった、ミューレンへ登るケーブルカーが今年一杯改修工事のために運休なのでポストバスでシュテヘベルグまで行き、ロープウェイでミューレンに上がった。ポストバスはフリーになるのを知っていたが、なんとロープウェイまでフリー・ただなのです。またまた得した気分の倍増です。
途中のギンメルワルドで乗換がある、面白いのはシュテッヘルベルグ~ギンメルワルド間、ギンメルワルド~ミューレン間のロープウェイが同時に一ヶ所の運転所で運行管理されている。中間のギンメルワルドで2台が同時に発着しているのは距離が同じなのだろうか。

 バス・ロープウェイはミューレンでの生活の足になっているのでけっこう遅い時間まで動行している。観光の中に生活を取り入れたのか、逆に生活の中に観光を受け入れたのか、定かではないが上手く行っているように思われた。

 ミューレンでの宿は昨年泊まったAlpina、チェックインが遅くことは告げてあったので遅くなっても焦る事は無い。
8時過ぎに着いた。今年はちゃんとアイガーユングフラウヨッホが見える部屋を用意してあった。8時とはいえ日本の感覚で言えば6時ごろなのでそれ程遅い時間とは思えない。
夕日に照らされるブライトホルンは素晴らしい、メンリッフェンの方向に明かりが見える、アイガーヴァンドの光も見えた。とうとうミューレンまで来た、これまでは序章でいよいよ本編が始まる。

写真は、ミューレンの案内板

峠めぐり

2006年08月02日 23時04分57秒 | モンブラン
 マイリンゲン Meiringen はメレンゲ発祥の地として有名らしいです。
駅の近くに宿を取ったが、1階はレストランとお菓子の販売をしており当然メレンゲもおいてある。
夕食後3人で一つ注文して食べた、子供の頃台風の中何もすることが無いのでオフクロがお玉で作ってくれたカルメラを美味しくしたようなものだった。あのカルメラに比べるのは不遜かな。(笑)
韓国の新婚さんらしいカップルが生クリームのタップリかかったものを注文して持て余し気味の様子がおかしかった。

 ホテルBrunnerは駅からの近さと安さが取り得というだけのホテルだった。エレベーターはレジカウンターの横を通り抜けて厨房の中? 何かゴチャゴチャした所に狭い箱があった。バス・トイレは1フロアに一ヵ所しかないし、出入りは2Fから外階段を利用せざるを得ない。ここではこのレベルでこの価格が相場なのだろうしょうがない。

夜中に向かいのオープンカフェで大声で歌い、話している若者グループがいる。腹が立つというより、もう少し若ければビールを飲みに行ったのに・・夜明け間際に解散した。男女の比率は6:4で、観光客なのだろう。

いよいよ峠めぐりだ、9時30分発なので前泊したのだが、9時ごろ着けるなら近くの名所で泊まる手もある。アーレシュルフト峡谷やホームズ終焉の地を見る予定だったが、電車の接続に無理があり、1時間のロスが出たため行けなかった。この次ということあるサ~・・

 今回のスイス旅行のテーマの一つに「峠めぐり」がありました。
昨年は未だ開通してしておらず乗れなかったので、今年こそはと執念を持ち、計画を立てるときに、何時から運行するのか、出発時間は、などポストバスに問い合わせて資料を送ってもらいました。

 この地域にはアンデルマット~オーバーワルト間のフルカ峠、マイリンゲン~オーバーワルト間にグリムゼル峠、マイリンゲン~アンデルマット間にあるスーステン峠、北側のアイロロ~オーバーワルト間のヌフェネン峠、アイロロ~アンデルマット間のサン・ゴッタルド峠の五つの峠があります。

 ポストバスではFour Passes Toure 四峠めぐりと銘打ってマイリンゲン発着のフルカ峠を除く四ヶ所の峠をグル~ッと一周するバスがあります。フルカ峠に行けないのはザンネンですがそれに乗りました。
チャンとした観光バスかと思いきや短距離でも乗れる普通運行のバスで、乗客は多くてマイリンゲンでは積み残しが出るほどでした。で、3っ目の停留所で降りる人もおり、せっかくの企画だから長距離専用にしたらいいのに・・・と思います。

 峠はそれぞれ歴史・背景がありクネクネと九十九折が続いているのバスでさえ喘ぎながらという感じで登っていくのを見ると、峠の重要性を実感させられる。峠には湖があり宿泊施設もある。かつて通行税徴収や郷土防衛の拠点として重要な場所だったことがうかがわれます。

 どの峠も特色があるのですが、最初に見たスーステン峠は当然印象に残っています。また景観の面からいえばスーステン峠は迫りくる氷河を見ながら進むので圧巻でした。峠めぐりは未だ通っていないがフルカ峠とスーステン峠で充分だと思います。
峠に上れば涼しく、あるいは寒くて下れば暑い、の繰り返しでした。運転手が遠くの山々を解説するのですがドイツ語なので分からなかった。

 テーマの一つで期待していた峠めぐりは、バスに揺られ九十九折れのカーブに揺られた一日だったが、四つの峠はそれぞれの特色があるので退屈する事は無かった。峠めぐりはロープウェイで山登りするのとは趣が違う、チャンスがあれば是非バス旅行を楽しんでください。

写真は、スーステン峠からマイリンゲン方面へ下る道です。

リギからピラトスへ

2006年08月01日 05時48分11秒 | モンブラン
 今朝も2時半には目が覚めた、身体はまだ日本タイムのようだ。
トイレへ行ったり夜空の星を眺めたりするうちに又寝入ってしまった。4時半ごろ起き出して裏手の頂上に登る、寒いのでセーターを着込む、ほんの200mも歩けば頂上に着いてしまった。近くの山は黒々と見える、山並みの遙か東の空はに明るい光のスジが横に流れている。時とともに赤みが射してくる、ほどなく真っ赤な太陽が顔を出し始めてにしの山に光が届き山頂が輝く。

 設置されている概念図を見ると、アイガー、メンヒ、ユングフラウが確認できた。ここリギ山から見える順序はメンヒとアイガーが逆になっている。
メンヒはピラミッド型の雄大さがあり、アイガーは凛々しく聳えている。ベルナーオーバーランドは意外に近くにあった。明峰三山に朝日が当たり輝きを増していく、アルプスの夜明けは素晴らしい。

 昨日行ったティトリス山は思わぬ方角にある、ティトリスは東に位置していたのだ。晴れていたらアイガーが指呼の間に見えただろう。これから行くピラトスも雄大だ、独立峰なので高さ以上に雄大に見えるのだろう。周りに三つの湖があるリギ山は湖と緑の牧草地、森、湖と山、遠くアルプスの山々と多様な風景が楽しめる場所だ。
日本ではさほど名が売れていないので個人旅行以外はなかなか足を延ばすことはないだろう、同宿の日本人夫婦はハイキングを楽しみ明日帰国とのこと。時間に余裕がありスイスに何回か足を運んだ人が来るようだ。

 今日はピラトスを登りマイリンゲンまで行く予定を組んである。スイスのホテルの朝食は遅い、ここは8時からとのこと。少人数(3組)なのでバイキングではなかった。パン数種にハム・チーズ、サラミなどの盛り合わせにジュースにコーヒー満腹しました。

 9時半の始発電車で山を下る。朝から見た牧場に湖、遠くに見える峰々、見飽きない風景をオープン客車から見る。10時過ぎにクルージング、昨日のコースを逆に進む。サマースクールなのか子供の団体が多い。

 ピラトスはケーブルカーにロープウェイ、登山電車を乗り継いでグル~ッと廻るツモリなので、まずバスでロープウェイ乗り場へ行ったが街中にあり、降りるバス停も知らないのでアタフタしたが、乗客に教えてもらった。12時前にはゴンドラに乗っていた。ケーブルの中継地点にはお楽しみ広場がありアスレチックや3分はかかる長~い滑り台(?)などの施設があった。
そこからは上は樹木が無く荒々しい岩肌が目に付くようになった。悪魔の山と表現されてもむべなるかなという感じの山頂はガスッている、しかし観光客は多くホルンの演奏があった。頂上まで登り昼食にする、JALの機内食のパンがようやく無くなった。

 下りは電車だがスゴイ傾斜だ、山頂開発にかけるスイス人の執念を見る気がした。麓のアルプナハシュタッドからは船もあるが、汽車でルチェルンに戻る。
マイリンゲン行きの発射まで1時間あるのでスーパーで買い物をして5時前に汽車は出た。
 今回はのんびりというよりビッシリ組み込んであるので移動が激しい、出発して間だ3日でスイス滞在48時間でよくもここまで見て廻るものだと我ながら感心する、大きな山を3ヶ所巡り船旅もし、氷河も堪能するというスケジュールをさほどキツサも感じずにこなした。
ただ坐っているだけなので疲労感は無い。

さあいよいよアルプスの山が待っている、これまでの山は中央アルプスと銘打たれているが、やはり前座、本場アルプスの前に座している山である、山高きにして尊からずとは言え、雪に抱かれた山々を想うと心がはずむ。

写真は、月並みだがピラトス山のホルン演奏