どこ吹く風

旅のことを主に書く。

ゴルナグラード Gornergrat

2006年08月19日 09時08分07秒 | モンブラン
 7月10日の月曜日となっている。行きたいところへ行く、見たいところを見るという日々を過ごしていると何日とか曜日の概念が無くなる。前日やどの予約が出来なかったのは週末だからだったのだと気付いた。世の中の人がみんな休みになるのに自分らだけが休んでいる錯覚に陥っていた。

 電車から降りてホテルの方へ歩くと岩の上にヤギかカモシカがいる、角の生え方からカモシカのようだ。子供が切り立った岩の縁を歩いている大丈夫かなと気になるが子供は人間も同じで気にすること無く平気のようだ。昨年もいたのを思い出した、思いがけない歓迎を受けてフロントへ行く。何から何まで新しい、去年は改築中のため泊り損ねたので感慨もひとしおだった。
山小屋の面影はあるもののホテルそのもの。私の目には高級ホテルにしか見えない。

 夜中に目を覚ますと快晴、月明かりで山がよく見える、星は影が薄い。クルムホテルは建っている位置も高いが場所代も高い、コレまでのホテルの二日分(3人で440chf)を払った。
眺めは良く夕焼けに朝日にと申し分ない、目の下には氷河がありモンテローザは指呼の間でマッターホルンも刻々と色を変えながらその存在感を充分発揮している。

 ゴルナグラードにある3ヶ所のホテルはどちらも高級だがムリしてでも一泊する価値がある。金銭的に余裕のある方ー1拍2食付で1万5千円だから普通の人にはそれほど高くないでしょうーはゴルナグラードに連泊してそこを拠点にしてもいい、そこまでの鉄道で登り降りしなければならないけども得られるものと比較するとオツリがくる。

 リッフェルベルグは山々を見ながら草原を散歩する、ほんの少し登れば景色もまた違う、小さな教会とマッターホルンの組み合わせがいい。
ゴルナグラードは裏のピークに登ればモンテローザ、マッターホルンは言うに及ばず四方とも4000m級の山々が連なっている、この景色を独り占めしているようで気が大きくなる。氷河は川なのだと思わせるような流れ方がしている氷河が前にも後にもある。雄大さは天下一品です。
もちろんゴルナグラードには必ず登ってくるでしょうが泊まるとまた違う景色が楽しめます。バカの高上がりと言われようが、山では高い場所のほうが気持ち好いです。

 サンモリッツ行きの氷河急行の時間の関係で8時前の始発電車で降りなければならなかったのはザンネンだが、後ろ髪を引かれる思いで下った。途中すれ違う電車は満席で9割が日本人と思われた。次々と登っていく電車の人数から静かだったピークも騒々しくなるだろう。夕日・朝日を静かに充分楽しむにはやはり上のホテルで泊まるべきだろう。