福島ズボラーヌ

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大阪市福島区(並びにその周辺)をうろうろ徘徊。

patisserie a la Rive

2014-12-12 | 西区靱本町・京町堀・江戸堀・土佐堀
土佐堀川沿いにある近代建築「山内ビル」に出来たケーキ屋さん。
「Rive」とはフランス語で「川岸・河畔」という意味なので
日本語で言いますと「川岸洋菓子店」というところでしょうか。



山内ビルは、昭和8年(1933年)築の建物で、国登録有形文化財。
もとは法律事務所として建てられたビルです。
この界隈には昔よりはかなり少なくなったとは言え、
戦前の建物が点在しており、近代建築好きには非常に魅力的なエリアです。
(山内ビルについては、古建築のブログの方でそのうち取り上げようと思ってます)

作家 水上瀧太郎がかつて下宿していた旅館がこの近くにあり
(筑前橋近く、今のYMCAの北側の土佐堀川沿いだと言われています)
彼もこの道(旧土佐堀通)をよく歩いていたのだろうと思うとワクワクします。

小説『大阪の宿』はまさに土佐堀界隈と舞台にした物語で
東京の山の手生まれのインテリ青年とアクの強い大阪の庶民との交流を描いたものです。
出てくる大阪人が非常識な人間が多くて、辟易することもありますが
大正時代の豊かな大阪の都会生活がよく分るし、
土地勘のある人間には面白く読むことが出来ます。
特に「うわばみ」とあだ名される芸妓のお葉さんが格好いいです。

以前はこのビルには「里山カフェ」という飲食店が入居していたように記憶していますが
残念ながら、閉店しました。
昔は「青楓グリル」という老舗洋食店でした(1947~2004年頃?)

そして今年10月にオープンしたのが、この「ア・ラ・リーブ」です。
お店はそんなに広くはないのですが、店内飲食も可能。



川のほとり、という立地および店名のイメージから、
鮮やかなブルーの看板を設置したのでしょうが…。
あくまで個人的な好みなのですが、古びたタイルの外壁には
いまひとつ似合っていないような気がします。

店内の内装も真新しく、古色が乏しいのが残念。
ただ飲食店である以上、
ピカピカに見える方が清潔感があってよいのかもしれません。



この日、購入したのは、モンブランとフルーツの乗ったチョコレートケーキ。
どちらもとても美しいケーキです。
特にチョコレートケーキは食べるのがもったいないくらい。
(食べたけど)
濃厚なチョコレート、柔らかなクリーム、フルーツの酸味がとてもバランスよく
とても美味しいケーキでした。

追記
残念ながら閉店されました。
2016年8月より、アクセサリーショップ「アガット 肥後橋(agete)」に変わっています。
ケーキ店の頃に設置された青い看板は撤去され、
レトロビルにふさわしい外観になりました。

「patisserie a la Rive(パティスリー・ア・ラ・リーヴ)」
住所:大阪市西区土佐堀1-1-4 山内ビル 1F
電話:06-6147-3984
営業:11:00~21:00
休日:-
備考:水上瀧太郎 - Wikipedia  水上瀧太郎を歩く 大阪編