にほん民族解放戦線^o^

米帝→官邸→マスコミの洗脳による植民地状態からの脱却を考えてみるブログ♪主権を取り戻し、日本の未来を考えよう。

TVは洗脳情報の受信箱として生まれ、今もその役割を果たし続けている

2016年01月25日 | 雅無乱日記

日本人をアホにするために作られたTVが、今、多くの若者から見放されつつある…。

そりゃそうだろう。つまらないし。

その結果、いまだによろこんで自らTV漬けになっている中高年のみなさまがたは、相変わらず洗脳されっぱなしだが、若者には洗脳から脱して自分で情報収集し、自らの頭で考える層が育ちつつある。


そもそも、日本へのTVの導入が、明確に洗脳を目的としてなされた、という状況証拠について“日本テレビによって日本人の心理的植民地化は完成した” というエントリーで紹介したことがある(『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』有馬哲夫著)。

今回は、この書籍より重要部分を紹介したい。

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『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』有馬哲夫著より

一九五三年一月三〇日、心理戦局は「対日心理戦略計画」をまとめた。(中略)

事実この文書では「日本は極東地域にアメリカが占めるポジションから見て戦略的にきわめて重要なので、公然のものであろうと非公然のものであろうと日本において共産主義者による攻撃や破壊工作があれば、アメリカは断固たる行動をとらざるをえない」としている。つまり、朝鮮半島やヴェトナムのように軍事介入してでも守りぬくということだ。(中略)

つまり、かくも戦略上重要な日本を自らの直接的支配から解き放つことは、大変な問題だった。アメリカ軍を駐留させることで、軍事的占領は継続できるが、心理的、政治的支配の継続は大きな課題だった。

この計画も、これまでのように直接的な方法を取れないのだということを十分認識して、間接的な方法を取るように十分注意するように関係部局に呼びかけている。“日本は独立国になった”ことを忘れるなということだ。

それでいながら、アメリカ軍の駐留という軍事的占領状態の継続を日本人に受け容れさせ、そのことを問題視しないように、そのためにアメリカを敵視することがないようにしなければならなかった。これは企業や政府でさまざまなメディアを使った心理戦、プロパガンダ、PR、広告に携わってきた、CIA、国務省、合衆国情報サーヴィス、国際情報局の経験豊富な担当者にとっても相当難問だった。

しかし、これを成功させなければ、七年間にわたる占領の成果が水の泡になるばかりか、日本の共産化を許すことになり、また日本に舞い戻ってきて再び戦いを交えて、占領しなければならなくなるかもしれない。だからこそ、慎重に時間をかけて、議論と検討を重ね、サンフランシスコ講和条約締結から二年後に計画が提出されることになったのだ。


それまでの日本は、GHQによる直接支配下にあった。その間にGHQはあからさまな言論統制を堂々と行なっていたという記録は、この書籍に詳しい。

『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』江藤淳 著

もちろん、戦前から戦中にかけても日本では検閲が行われていたが、それは国内法に基づいており、その法の存在は公にされていた。伏せ字等の使用により、検閲の存在を多くの国民は知っていた。

しかしGHQが行った検閲は悪質で、検閲していること自体が秘匿され、伏せ字や空欄の使用も認めなかったため、ほとんどの日本人は、多くの情報がGHQの検閲を受けているということ自体を知らず、したがって自身がアメリカに洗脳されているという自覚さえ持てなかったのである。

ちなみに、このような行為はポツダム宣言では認められていない。

GHQが行ったのは、占領下の日本に反抗心を抱かせないようにする…、という目的をはるかにこえて、自分たちの都合の良い偏った情報を流し、史実の書き換えまでも行う、謀略工作に近いものだった、という実態がこの書籍には書かれている。

参考:http://kamomiya.ddo.jp/%5CSouko%5CC01%5CEtou_Ju%5CGengo.htm

アメリカは、サンフランシスコ条約によって日本の占領が終わり、直接支配から外れる。そこで、メディア企業を巻き込んで傘下に置き、それらメディアによって心理操作をすることによって日本をコントロールする戦略に切り替えたのである。
心理戦はメディアのみならず、文化交流・人的交流・政治的工作を含むものだったようだ。情報操作は、映画、ラジオ、テレビ、新聞、雑誌とあらゆるメディアに及んでいたが、その中でも、特に大きな影響力を持つに至ったメディアは言うまでもなくTVである。

引き続き、『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』より引用する。

心理戦局は日本での出先機関である合衆国情報サーヴィスにこの計画をどのように実行したか、どのくらい成果が上がったのかを半期ごとに報告させていて、これを読む限りでは、その目指すところは忠実に行われていたことがいえる。

実施細目を参考にして、あえてこの計画の目標を要約するならば、目標はおおよそ次の三点になるだろう。

1.アメリカおよびアメリカの同盟国との連携を強めれば日本に経済的繁栄がもたらされるが、共産主義国と連携を深めればその逆になると思わせること。

2.共産主義国は日本を侵略しようとしており、それから守るにはアメリカ軍の駐留を受け容れ、アメリカ主導の集団的相互安全保障体制に加わることが必要だと気付かせること。

3.アメリカあるいは他の非共産主義のアジアの国々とのあいだの集団的安全保障体制は相互のものなので、日本は再軍備をして、その構成員としての義務を果たさなければならないことを日本人に認識させること。


砕いていうと、「アメリカは味方で日本を搾取するつもりはないが、ソヴィエトや中国は敵でしかも日本を支配しようと狙っている。したがって、アメリカと関係を強化すれば、経済的繁栄と安全保障が得られるが、共産主義陣営に付けば貧困と戦争が待っている」、だからアメリカおよびアメリカの同盟国と手を携えて共産主義国と戦おうということだ。

そのターゲットも、「対日心理戦略計画」には前に述べたような理由で明記されていないが、一九五一年の合衆国情報サーヴィス報告書では次のようになっていた。

1.労働者
2.学生と若者
3.知的指導者
4.農民
5.婦人組織


(中略)3.は大学教師とジャーナリストを指している。彼らはメディアに関わり、大衆に対して大きな影響力を持っている。ジャーナリストが三番目にきているのは意外に思うかもしれないが、これは記者クラスのジャーナリストのことを指していて、編集長や局長や経営者などは入っていない。

というのも占領中に日本のメディアを改造したり、検閲で指導したりした際にこのようなマスメディアの上層部と十分にコネクションを築いていたし、「指導者交流プログラム」などでも優先的にアメリカへ派遣されていたので、いまさら新たにターゲットにする必要はないのだ。(中略)

これらのターゲットに働きかける方法としては次のものがある。

Ⅰ.人的交流
Ⅱ.文化(人的なものを除く)交流


(中略)もちろん、これらのターゲットは重点目標であって、それ以外の一般日本人を等閑視していたわけではない。ただ、一般の日本人の場合特定の目的やプロジェクトのためというよりは、広くアメリカの文物に触れ、アメリカとアメリカ人について理解を深めてもらいたいというのが目的になっている。そのための媒体となったのが次の施設とメディアだ。

(a)アメリカ文化センター、日米文化センター、フィルム・ライブラリーなど

(b)日本のメディア、新聞、雑誌、書籍、映画、ラジオ、テレビなど(これらにニュースや素材や番組を提供することによって)


(中略)やはり、メディアを使ってより多くの、アメリカについてあまり関心のない人々にもアメリカに触れ、理解を深めてもらう必要がある。そこで対日心理戦略計画が強く打ち出したのは、あらゆる方法、手段、チャンネルを通じて、合衆国情報サーヴィスのニュースや素材、すなわちソース、記事、写真、映画、番組などを日本のメディアに使わせることだ。ただし、それは「いかにも作為的に行われていると日本人に気付かれないように細心の注意を払って」なさなければならなかった。(中略)

とくにこれに素材を大きく依存している例として挙げられているのは共同通信社で、「編集者たちも100パーセント好意的だ」としている。いうまでもなく、共同通信社は一二〇の報道機関(合衆国情報サーヴィスの数字による)にニュースを提供する通信社で、たとえていうなら水源地だ。

地方紙の例をあげれば、関東地区では地方新聞が、合衆国情報局製作のアメリカの外交政策についてのリーフレットをそのまま記事にしたのが三〇例ほどあると報告している。このほか、印刷物、ニュース素材を使ったとして言及されているものを羅列すれば、時事通信、改造、朝日新聞、週刊朝日、毎日新聞、毎日グラフ、サンデー毎日などになる。さらに、岩波書店、世界社、早川書房、法政大学出版局などの出版社、東販、日販、丸善のような取次店なども、合衆国情報サーヴィスの素材を出版したり、流通させたりするうえで協力したと主張している。(中略)

メディア・コントロールもここまでくると、メディアにソースや番組を提供するだけでなく、さまざまな形で、編集権まで侵害したくなる。つまり、自分たちが望むトピックを希望通りの形で報道させることだ。たとえば対日心理戦略計画には以下のような目標が掲げられている。

●アメリカと日本の国家的指導者に両国の国益が似ていることを強調させ、それをメディアで広めよ。

●我々が政府や民間のチャンネルを通じて日本の産業に与えた技術的援助を大々的に報道させよ。そしてこのような援助が産業を効率化し、価格を下げ、世界における競争力を増すということを指摘せよ。

●共産主義への幻滅を書いた文学作品を日本語に翻訳させ、低価格で出版させらければならない。

●アメリカ政府と国民は日本の自由で民主的な労働組合に好意的だということを示そうとするアメリカの労働界の指導者のことを大々的に報道させよ。

●日本共産党の暴力的な戦術は、結局所有財産の破滅に終わるだけでなく日本人の自制と秩序を求める習慣にも反することを指摘せよ。


このような目標を読むと、これはアメリカ大使館とアメリカン・センターのような施設だけでできることなのかと首を傾げたくなる。また、日本のメディアにニュースや素材を提供し、相手が自分の判断で使うのを待つのではとうてい達成できないようにも見える。やはり、言外に日本のメディアをある程度コントロールすることを前提にしていたと考えざるを得ない。


このような洗脳空間は、現在日本も引き続き維持されていると言ってよいだろう。

ここまで落ち目になり崩壊寸前になっているアメリカに、いまだに尻尾を振って付いていこうというスタンスを変えていないマスコミや政治家、知識人・文化人が多いのは、彼らが状況認識さえできないバ○であると考えるより、彼らが実はアメリカの利益を代表するエージェント(売国奴)であると考えたほうが辻褄が合う。

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「所有する」という概念(オレのものはどうしようとオレの自由)が人類を追いつめる。

2016年01月19日 | 雅無乱日記

下のサイトのSilentservice氏の投稿にドキっとさせられる言葉があった。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=158271 から引用したい。

→発言権があり、組織の頂上に君臨でき、支配権があり。
「じゃあ、しょうがないな…(だっておカネ沢山持っているから)」という”主義”。

資本主義…という言葉の意味するところは、こういう事なのでしょう。

単純に、物量(貨幣の所有量・保有量)のみが、評価の対象となるという。そして、それは所有・保有さえしていれば、どんな人格的欠陥者であろうが、精神に異常を来たしていようが、そんなことは一切関係なく最も発言権があり、行使する権限があり…

加えて言えば、その大量に保有・所有された貨幣が、どのように使われているか?も、別段留意する必要もなく、決定された事を忠実に守る大多数の人々がいれば、よくよく検討もされずに正当化されてしまう、という。



つまり、「オレのカネなんだからどう遣おうがオレの勝手だろ」ということである。

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数千年前に「文明」というものが興って以来、先住民族以外の人々の間で常識になったこの原理が、実は世界の崩壊を無限に押し進めている根幹にあるということに最近気が付いた。

例えば、「私有」という概念を持たない先住民族は、生活の場であり生活の糧になっている森林をどう扱うか。

森林が豊かだからこそ木の実や果物が採れる事を彼らは知っている。樹木があるからこそ水源は保たれ、狩りの対象の獣たちも生きていけることを。仮に樹を一気に斬って無くしてしてしまえば、自分たちや子孫が生きていけなくなる事を彼らは知っている。

だから当然、自然のあらゆる対象と対話しながら、そこに垣間見える摂理に従って生きていくだろう。

しかし「私有する」という常識を持つ文明人においては、それはまったく異なる。

実際、北米・南米の森林は別の場所からやってきたヨーロッパ人の「所有物」になってからこんなことになった。

自分が所有する土地に勝手に住んでいるネイティブは虐殺して一掃する。土地や資源の私有権をめぐって争いが起これば人を殺す事だって正当化する(戦争の基本はこの私有権をめぐる争いである)。樹が高く売れるなら、そこに生えている樹を伐採して売り飛ばす。伐採後は草を焼き払ってカネになる作物を植える…奴隷を使って耕させ植えさせる。アフリカから強制的に連れてきたアフリカ奴隷は、当然「所有物」なので、彼らが煮て食おうが焼いて食おうが取引で売買しようが自由である。もちろんカネになる動物は絶滅寸前まで狩り尽される。その土地の作物の育ちが悪くなれば、化学肥料をしこたまぶち込んで生産性を上げ(させ)る。水が売れるのであれば水源も当然所有する。そのうち水源が枯れ、土が劣化して何も育たなくなれば(カネを生まなくなれば)うち捨てられる。そうやって砂漠が広がっていく。その後、その土地がどうなろうと知ったことではない。

そこに働いているのは「オレのモノなんだから、それをどうしようが、オレの勝手だろ」という意識である。

この価値観を持つ、その土地に住んでいない第三者がその土地を「私有」する限り、その土地が持つ「カネになる」部分だけが収奪され、劣化させられた残りカスだけがうち捨てられていく。これは歴史が証明している通り必然である。そうやって積もり積もって、地球全体で生態系は破壊され砂漠は増え、大気や水が汚染され、多くの生物が棲めなくなって絶滅し、最後は人類自らも生きていけないような環境になりつつある。

※このあたりの詳しい事例については、このメキシコの先住民運動であるサパティスタのページをぜひ見て!
 http://homepage2.nifty.com/Zapatista-Kansai/EZ070325.htm

このような狂った状況を生み出したスタート地点。

それは「個人が所有する」という価値観。つまり「所有したものは、所有者がそれをどうしようが所有者の自由である」というという価値観それ自体である。

その価値観は、少なくとも結果を見る限り、自然の摂理に反しており、絶対的に誤っているということは明らかであろう。

誤解しないでいただきたいが、別に私は共産主義とかなんとかそれに類するようなイデオロギーに染まっているわけではない。客観的にこのままではマズいやろ、どうにかせなあかんやろ?と言いたいだけである。

ではどうすればよいか。これだけ「私有財産」というものが常識になってしまった世の中で、世界の崩壊を食い止めるのはたしかにかなり困難なことである。

少なくとも、その土地や環境にこれからも棲み続けるような「集団」(その土地を自分たちの一部であると感じることのできる集団)を単位としてその土地を管理し、所有者個人の自由にさせないようなシステムを創りあげることが最低でも必要であろう。それができない限りは、どんな目先のゴマカシの手を打とうが、力(所有権・カネ)を持つ一部の自己中と、彼らの洗脳によって浪費者たらしめられている人々の手によって、地球のあらゆる生態系が破壊され尽くされるのは、残念ながら原理的に止められないということになる。


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アメリカ、銃規制に踏み切れる?…アメリカがなかなか銃規制に踏み切れない本当の理由

2016年01月07日 | 雅無乱日記

>アメリカ・ケンタッキー州で4月30日(2013年)、5歳の兄が2歳の妹を誤射し死亡させたのに続いて、フロリダ州では5月4日に13歳の兄が誤射して6歳の妹が重傷を負った。ケンタッキーの事故で使われたのは子供用ライフル銃だった。大手スーパーなどで当たり前に売られているというから、アメリカの銃社会はあまりにも異常だ。

>米国では4月、幼い子どもによる銃の誤射事件が相次いだ。テネシー州では4歳の男児が48歳の女性を死なせたほか、ニュージャージー州では6歳の男児が4歳の友人の頭を撃って死なせている。

これまでのアメリカでの悲惨な銃の事件の数々。(犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたします。)

誕生日のプレゼントでもらった本物の銃で妹を殺してしまうとは…

 

しかし、アメリカはさすがに、いよいよ本気で銃規制に踏み込む動きを見せている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201601/CK2016010602000246.html

でも、圧力団体や多くのWASPの世論の抵抗はまだまだ大きいんだろうな…

一般市民のテロへの恐怖を煽る形で話は進んでいくのかもしれないが、

「購入時の身分証明書の提示」程度で、これまでのような悲惨な事件が防げるのかというのはギモンだなあ。

 

この件で、マイケルムーアーの『ボウリング・フォー・コロンバイン』をまた思い出してしまった。

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マイケル・ムーアー監督の映画“ボウリング・フォー・コロンバン”http://www.gaga.ne.jp/bowling/top.html)。

これは現代アメリカ社会の病理の一端が見えてくる、実に考えさせられる映画だ。もう古い映画になってしまったが。

アメリカでは毎年10,000人以上が銃によって殺されている。それは「なんでだろう?」、がこの映画のテーマ。

(↑クリック。このニコニコ動画を見れば、アメリカの歴史の本質が分かる^^;)

そもそも、原住民のほとんどを虐殺して建国されたアメリカ。

虐殺して住み着いた連中は、復讐が怖くて銃で武装しないと恐怖から逃れられなかった。

そして、強制的にアフリカから黒人を連れてきて奴隷として使役する。

この黒人の怒りによる反逆も怖いから、当然武装する。

自分たちが歴史的に行ってきた数々の虐殺による復讐が怖くて、銃を手元に置いておかないと、おちおち眠ることもできない。だからアメリカでは銃規制ができないのだ…。

アメリカが、もともと住んでいた人々のほとんどを虐殺することによって建国された国家であること。黒人をアフリカから強制連行して奴隷として使役してその労働力を搾取して発展して行ったこと。そして、自分たちが虐げて甘い汁を吸ってきた連中が、自分たちにいつ復讐するかわからない、という恐怖が刻印されていること。

これを前提に考えると、その後の現在のアメリカの異常な価値観や行動の理由が少しは理解できる。

この映画に、第二次世界大戦後のアメリカの虐殺史を映像とともに振り返るシーンがある(バックにかかっているのはなぜかルイ・アームストロングの“この素晴らしき世界”。うーん、エエ曲や)。以下に引用してみたい。

1953年
米、イラン モサデク政権を転覆。国外に逃げていたパーレヴィ国王を傀儡として据えて独裁政権樹立を支援

1954年
グアテマラの民主政権を転覆。その混乱の中20万人を殺害

1963年
南ヴェトナムのディエム大統領の暗殺を支援

1963~1975
米軍は空爆などで東南アジア全域で民間人を含む計400万人を殺害(注①)。


注①:枯葉剤などの有毒除草剤が、何百万ヘクタールもの農地や森を破壊するために使用された。村々は徹底的に焼き尽くされ、住民は虐殺された。ヴェトナムだけで約200万人が死亡。そのほとんどが、米軍の北爆や銃撃での民間人の死亡者といわれている。

1973年
チリで軍事クーデターを支援。民主派のアジェンデ大統領を暗殺。
ビノチェト独裁政権を支援し、約5000人のチリ民間人を殺害

http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/4dd328538683b42edecf92d30fea4552

1977年
エルサルバドルの軍指導者を支援し、7万人の民間人と4人の米国人尼僧を殺害

1980年
対ソ連政索でビン・ラディンなどムジャヒディンを教育・武器援助。CIAを通じて30億ドルの資金を提供。

1981年
コントラ支援(注②)


注②:1979年、米が支援していたニカラグアの独裁政権(ソモサ政権)が市民の革命によって倒され、共産主義のサンディニエスタ新政権が樹立された。その後、米政府はCIAを通じてソモサ残党を組織し資金と武器を供与、ニカラグアに送り返した。彼らソモサ残党は、“コントラ・レボルシオン”を名乗り、市民への掠奪・虐殺の限りを尽くした。米政府はそれを支援した(コントラへ援助した資金の出所は、レーガン政権がイランに対して武器を違法売却して得ていたことが後に明らかになった)。

1982年
対イラン政策のため、フセインに数十億ドルを供与。

1982~1983年
レバノン内戦に米軍が直接介入。イスラエルと右翼のファランジ軍を支援(彼らは約2000人のパレスチナ人を虐殺)。

1983年
対イラク政策のため、イランに武器を秘密供与。

1986年
ドイツで起こった米兵に対する爆弾攻撃事件の犯人はリビアのテロリストとして、リビアのトリポリを爆撃。無実の100人の市民が虐殺される。(後にアメリカは、その事件にリビアは責任がないということを認めた)

1989年
CIA兼パナマ大統領ノリエガが米政府に反発。彼の逮捕のため2万5000人の米兵をパナマに送り込む。その軍事介入によって約3000人が殺害(うち、パナマ兵50人、米兵26人、残り2千数百人は全て民間人。殺戮された民間人のほとんどは、ゴミ袋に詰められ秘密裏に集団墓地に埋められた。)

1990年
米国から援助された武器を使って、イラクがクウェートに侵攻。

1991年
米がイラクを攻撃。イラク人の死者15万人(注③)。クウェートの独裁者を復権させる。


注③:米軍はこの時、様々なハイテク兵器の実験を(実際の戦場で)行っている。バグダッド・バスラなどの爆撃で数千人の民間人が虐殺。戦後も、米軍が用いた劣化ウラン弾、米軍の徹底したインフラ破壊、さらには米政府主導の経済制裁により、イラクは荒廃。ユニセフの推計によると、食糧不足や医薬品の不足による死者が毎月7500人、10年間で計100万人を超えるイラク人が死に至った(うち子供は50万人以上←国連の推計)

1998年
スーダンの「武器工場」を爆撃するが、誤爆。実はそこは単なる「薬品工場(アスピリン工場)」だった。

2001年~
アフガニスタンに空爆開始(注④)。


注④:現在も時折空爆を行っており、先日も民間人の死傷者が多数出ている。『アメリカはアフガニスタンで何人の人々を殺したのか!?』ニューハンプシャー大学のマーク・ヘロルド教授によると、アフガン空爆による死者の数を世界のマスメディアの報告から推計、3,000人~3,400人が殺されたと結論づけている。が、実際はその2倍から3倍と考えられている。

なお、米軍が公式にアフガニスタンでの誤爆を確認した例は数件にすぎないが、米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、空爆が継続して行われた2001年10月から2002年2月末までに、市民が死傷した誤爆事件は計194件起き、死者数は1067人から1201人に上る


2002年~
米英軍イラクを攻撃(注⑤)


注⑤:今回のイラク戦争で亡くなった民間人の数を、随時集計しているウェブサイトうちの一つ(http://www.iraqbodycount.net/)によると、2007年8月28日現在で最大77,272人が犠牲になっているようだ。

2000.9.11
ビンラディンが(注⑦)約3000人を殺害(注⑥)。


注⑥:>ニューヨークのテロ犠牲者は、テロ直後から、5,000人、6,000人という数が連日報道されこれがアメリカの「報復戦争」への熱を煽った。そして、すでに10月半ばにはこのような数はおよそ現実的ではなく、2千数百人という数が妥当であるという論調が相次いだにもかかわらず、ニューヨーク市は5,000人という数を公式発表として流し続け、「プライバシーの尊重」「正確さを期すため」と称し反論に耳を貸さなかった。(中略)そしてタリバン政権の崩壊がほぼ確定的になってはじめて、テロ犠牲者数は大幅に下方修正された(http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Afghan/pamphlet_afghan_summary.htm)。

注⑦:なお、このテロ自体、米政府の自作自演であるという説も存在する(ルース・チェインジⅡ日本語字幕版(必見!)→http://www.asyura2.com/07/war95/msg/246.html)。

 


こうして見ると、実は世界最大のテロ国家はアメリカである、という事実が見えてくる。

アメリカは建国後235年のうち、何と214年の間戦争し続けている国。

国土そのものもインディアンから取り上げたものだし、その後も戦争を繰り返しては国土を拡張してきた。

復讐がコワくて銃を手放せない…

…しかし、子どもさえもなのか?こんな事件が起こってさえもなのか?

息子の5歳の誕生日に銃を買ってやり、その本人も枕元に銃を置いてしか安心して眠ることもできない…としたら、そんな人々は軽蔑をこえて哀れである。

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北朝鮮が水爆実験?…どうしてこうなったんだ北朝鮮『ドキュメント北朝鮮』~③千里馬運動と独裁の強化

2016年01月06日 | 雅無乱日記

どうしてこうなったんだ北朝鮮 『ドキュメント北朝鮮』より~①金日成 権力掌握まで

どうしてこうなったんだ北朝鮮 『ドキュメント北朝鮮』より~②朝鮮戦争

につづき、いよいよ、最後の③。

 

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◆チョンリマ(千里馬)運動と独裁の強化

金日成による粛清の嵐の中、チョンリマ(千里馬)運動が始まる。

大衆を大量に動員し、経済の5カ年計画を推進する。
そして、5年の計画をたった2年半で達成したとウソを発表

「産業の発展は重工業に偏っており、人々の暮らしに直結する生活用品・医療品は大幅に不足という状況」…ソ連大使はこのように本国に報告した。

その翌年(1959年)から「帰国事業」が始まる。
当時日本の左よりの多くのメディアで“地上の楽園”と謳われていた憧れの北朝鮮に、在日朝鮮人(戦前から戦中に日本に強制的につれて来られていた人々など)たちが、2年間で7万人以上帰国していった。

しかしその後、多くの人の消息が途絶えることになる。

当時副首相の補佐官であったオ・ギワンはこう語る
>北朝鮮では、生活必需品が不足していた。
>彼らは不満を募らせていただろう。
>しかし不満を口にする人は監獄へと送られた。


(一部の方々は、スパイの養成のために日本語教育などに強制的に従事させられた可能性もある。←by管理人)

金日成は軍事力を強化。1962年には、全人民の武装化をなし遂げる。つまり子供や老人や女性にも鉄砲を持たせて軍事教練をした。

当時のソ連の試算によると、60年代後半、軍事費は国家予算の50%を超えていた。そして国民生活はますます圧迫する。

その頃、ソ連のフルシチョフ(西側との平和共存を志向)と中国の毛沢東(革命闘争の継続を志向)で共産主義の路線対立が起こる。

金日成はどちらの側にも属さず、中ソ両者の間をうまく立ち回って両方の援助を獲得する(現在にも通じる外交の巧みさはすでにこの頃から?by管理人)

金日成は、中ソの対立の最中、「主体思想」を唱えた。

※画像は「主体思想塔」

政治における「自主」、経済における「自立」、国防における「自衛」を掲げ、北朝鮮独自の路線を歩むことを宣言した。

ドミトリー・カプースチン(当時のソビエト大使館情報分析官)は次のように語った。
>金日成は、人々を洗脳するプロパガンダの重要性を熟知していた。
>「主体思想」という概念を使って、彼はさらにそれを推し進めた。
>その洗脳はあまりにも早く、我々はただ黙って見ているしかなかった。


金日成による「主体思想」教育によって、歴史の書き換えも進んだ。歴史は、金日成への賛美で彩られるようになった。

http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/4211f386f6e7f8de60cb0d4cef4e4c36
…に書いたが、金日成が初めて朝鮮の民衆に紹介された時、「ニセモノでは?」とどよめきが起こったのだが、記録映画には、「10月14日、私が民衆の前に立つと、群集の歓呼は最高潮に達した」とされており、また、田舎に戻った時の写真の中のソ連のメクレルの顔が別の朝鮮人の顔に改竄されていたりする。

1968年1月、韓国大統領官邸襲撃事件が起こる。
31人のゲリラが大統領官邸を襲撃。韓国軍と2週間にわたって銃撃戦。その結果ほとんどが射殺される。

ただ一人拘束された人物の尋問映像(米国立公文書館)の中で、このように語られる、
>大統領官邸にいるパク・チョンヒ大統領を銃殺し、主要な幹部も撃ち殺す任務を与えられた

韓国の大統領を倒せば、民衆が蜂起し革命が起こる…と金日成は考えていたと伝えられる。

(これがきっかけで、金日成暗殺のための秘密部隊が結成され訓練されたが、太陽政策への転換によって暗殺計画が白紙に。訓練された兵士が反乱を起こしたのが「実尾島事件」と言われ、韓国の大ヒット映画シルミドhttp://www.hancinema.net/korean_movie_Silmido.phpのモデルになった←by管理人)

そして、その事件のわずか2日後、またもや世界中を震撼させる事件が起こる。

1968年1月、北朝鮮はアメリカの情報船「プエブロ号」を拿捕し、乗員82人を拘束した。
北朝鮮は、領海侵犯したことをアメリカが謝罪しない限り、乗員は解放しない…と警告。
当時のジョンソン大統領は「公海にいた(領海侵犯などしていない)」と反論。
アメリカは北朝鮮への報復爆撃のため航空母艦3隻と200機以上の戦闘機を出撃させた。

軍事同盟を結ぶ北朝鮮がアメリカと戦争になれば、ソ連も巻き込まれる恐れがある。その状況に、ソ連が震撼し、当時のソ連の首相コスイギンは、ジョンソン大統領に直接書簡を送った。

>この問題を解決する為には、軽率な行動を取らないことです。(コスイギン)

書簡の2日後、ジョンソン大統領は北朝鮮に協議を呼びかけるという方針に転換した。

一方、金日成は次のような書簡をモスクワに送っている。
>我々は、侵略者に対し、反撃を加える準備をしなくてはなりません。
>戦争が起きれば、ソビエト政府は我々と共にアメリカ帝国主義と戦うと確信しています。
>その場合、総力を動員して我々に軍事援助を与えてくれることを望みます。


ソ連のブレジネフ書記長が金日成の説得に乗り出した。金日成をモスクワに呼ぶが、彼は国を離れられないとソ連訪問を拒否。

そして板門店で、北朝鮮とアメリカとの直接交渉が始まる。

11ヶ月に及ぶ長期交渉の間、北朝鮮側は「謝罪しなければ乗員は解放しない」を繰り返す。

そして、ついにアメリカ側が譲歩。北朝鮮が用意した謝罪文書に形だけサインした。おかげで、乗員82人は無事解放されたが、プエブロ号の返還は拒否された。
その際のフィルムも、「帝国アメリカが北朝鮮に膝を屈した」として、金日成のプロパガンダに利用された。
※プエブロ号は北朝鮮に展示され、これも現在に至るまでプロパガンダに利用されている。

この「プエブロ号事件」の外交的勝利に味を占めた北朝鮮は、その後も強硬主張を繰り返すことになる。“瀬戸際外交”はここから始まった。

こうして北朝鮮は、完全にソビエトのコントロールから外れ、70年代に金日成の個人崇拝が大幅に強化されたのである。

この頃から裏では既に、金正日への権力の継承準備が着々と進んでいたのであった。(4/2放映の「NHKスペシャル:ドキュメント北朝鮮」まとめはここまで)
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うーん、壮絶な歴史だ。

大国に翻弄され、自国民同士で殺し合いをさせられ、間接支配される中で、したたかに立ち回ってきた金日成はある意味すごい。日本は相変わらずアメリカの間接植民地状態であることを思えばたいしたものだ(もっとも多くの人にその自覚は無いが)。

前世紀のスターリン型独裁の政治形態をそのまま残して国家が成立しているところに、北朝鮮の危うさがある。軍隊を強化し、情報を統制し、人民を貧困のままの状態にしておくことで、支配を永続させている。国内の統合もまさに“瀬戸際”という感じだ。

核開発にしても、本音では彼らは決して放棄するつもりはないだろう。彼らなりの生き残る為のギリギリの選択肢なのだ。大国の圧力の中で、瀬戸際外交をしながら存在を続けている金正日とその側近連中は、国際社会やマスコミからは「キ○ガイ」扱いされているが、実は極めてしたたかなのではないだろうか。

それに比べて、大国の真の意図を探ろうともせず言われるがままに搾取されまくっている日本は、「北朝鮮は危険だ!日本に攻撃してくるかもわからん!」みたいなニュアンスで騒いでいるが、これもおどらされているだけなのではないかという疑いが頭をもたげる。

※この番組については、↓このサイトが非常によくまとめてくれている。併せて読んでみて…お勧め!
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/f379914603d6e62e69dfbc0ccb5ff390


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北朝鮮が水爆実験?…どうしてこうなったんだ北朝鮮 『ドキュメント北朝鮮』より~②朝鮮戦争

2016年01月06日 | 雅無乱日記

前のエントリーNHKスペシャル『ドキュメント北朝鮮』のまとめの続き。

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その後、北緯38度線で分断された朝鮮半島は戦火に巻き込まれることになる。

1950年6月、北朝鮮は南に進行を開始。
ソウルを陥落させ、一時、南端の釜山の近辺まで迫る。
ところが、南から国連軍(実質は米軍)が介入し、一気に北に押し返す。
さらに、中国やソ連が北に加勢し、南に押し戻す。
別名「アコーディオン戦争」と呼ばれる所以である。
この戦争で、国土は荒れ果て民間人が大量に殺戮され、難民が溢れた。

詳しくはウィキペディア「朝鮮戦争」を参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%88%A6%E4%BA%89

この冷戦の代理戦争で、同じ民族同士で血で血を洗う争いが繰り広げられた。
この状況をちょっと想像してみてほしい。例えていうなら、東京を首都とする東日本と、大阪を首都とする西日本が戦車やミサイルや戦闘機を使って全面戦争をするようなものだ。
戦闘自体も凄惨を極めたが、それ以外にも家族は分断され、同じ民族で敵味方も見分けも付かずスパイや密告は横行、隣人への疑心暗鬼は増大し、朝鮮民族に大きなトラウマを残した。
100万人以上が死に(一説には400万人とも言われる)、1000万人以上が離散家族となった。

※画像は↓ここから。朝鮮戦争を描いた映画“ブラザーフッド”より
 http://www.inbong.com/2004/brother/
 (まだ観てない人は“シルミド”とともに必見!)

1953年、大量の犠牲を出して朝鮮戦争が終結すると、金日成は、「我々はアメリカ帝国主義に勝利した」というプロパガンダを始める。

その間、ソビエトから政権周辺に送り込まれたソ連系朝鮮民族が、金日成を支えた。その数400人以上。

カザフスタンに住むそのうちの一人、チョン・サンジュン元文化宣伝長次官が取材に応じ、こう語る。
>スターリンと同じように金日成も絶対的に崇拝されるべきだと当時は考えた。それが当時は正しいことであり、疑いは全くなかった。

その後、金日成は権力を利用して、反体制派の粛清を始めた。

当時の朝鮮は4派閥があった。
①国内派:朝鮮半島で抗日活動を行っていたグループ
②ソ連派:ソ連系朝鮮人のグループ
③中国派:中国で抗日活動を行っていたグループ
④パルチザン派(満州派):キム・イルソンの派閥(当時は最小だった)


まず、副首相のパク・ホニョンが、アメリカのスパイとして逮捕され、処刑された。
その後、朝鮮戦争の失敗の責任の全て押し付け、パク・ホニョンの派閥(国内派)を一掃する。

次に、スターリンの死によってソ連からの統制が緩み、粛清の刃をソ連派に向ける。
スターリン政権をモデルに金日成の個人崇拝を押し進めてきたソ連派は、自らが与え強化したその強大な権力によって次々と粛清・追放されることになった。

ソ連がフルチショフ体制になりスターリン批判が始まると、金日成の個人崇拝も批判されるようになる。
金日成は、フルチショフより直接提言を受け、一度は「個人崇拝を排除する」と約束したと言われている(しかし、彼は逆の方向…つまり個人崇拝の強化へと突き進む)。

ソ連からの批判で勢いづいた中国派がクーデターを計画。
党大会で金日成を正面から批判する。

当時副首相の補佐官であったオ・ギワンはこう語る。
>中国派の一人が金日成の個人崇拝を批判しました。すると、パルチザン派が大勢で罵声を浴びせたため演説を続けられなくなった。他の中国派は発言することさえできなくなったのです。

金日成は、実は事前にクーデターを察知していた。
これをきっかけに粛清の波がまさに中国派を襲わんというときに、再びフルチショフが動いた。
中国の毛沢東とともに特使を派遣したのである。
金日成は、中国派の除名を一時撤回する。

しかし、翌年再び中国派を除名。その波に乗ってついに思想弾圧が開始される。
一ケ月で2000人以上が摘発。裁判は公開され、300人以上が公開銃殺された。

この事態を、ソ連は黙認した(共産主義陣営の一員で、しかも自分達が創ったか依頼政権に「問題がある」ということを公に認めるわけにはいかなかったためだろうと言われている)。



<③につづく>

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北朝鮮が水爆実験?…どうしてこうなったんだ北朝鮮 『ドキュメント北朝鮮』より~①金日成 権力掌握まで

2016年01月06日 | 雅無乱日記

北朝鮮が水爆実験を…

http://jp.reuters.com/article/north-korea-nuclear-success-idJPKBN0UK0AM20160106

世界中が大騒ぎである。

北朝鮮っていったいどういう国なん?言ってることもどうもわけわからん。どうしてそないなったん?という素朴な疑問がわいてくる。

…ということで、ちょっと勉強してみることにした。

と言っても、以前録画しておいた、NHKスペシャル「ドキュメント北朝鮮」を観ただけなんやけど。

せっかくなので内容をまとめてみた。何かが少しでも浮かんでくるかもしれない。

以下、2006年4月2日(日) 午後9時~9時59分 総合テレビで放映“ドキュメント北朝鮮” 第1集 「個人崇拝への道」 から 感想込みでまとめてみる。

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北朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国の初代指導者は金日成(キム・イルソン)

彼は、実はソ連によって見出され、個人崇拝によって絶対権力を手にしてきた。
「ドキュメント北朝鮮」第一回は、旧ソ連から出てきた秘密文書をもとに、金日成が絶対権力を得るまでの軌跡を追う。

※上の画像はピョンヤンにある金日成像(なんと高さ23m)。1972年に金日成生誕60周年を記念して建立された。
  画像はここ「チョンゲグリのページ」よりお借りした↓
  http://www.jakonett.com/03north94-02.html


◆権力掌握まで-スターリンの傀儡政権としての出発
金日成は、“朝鮮人の部隊を指揮して、悪辣な日本軍から朝鮮の人々を解放し独立した”と北朝鮮の国民には信じられている。
しかし、それは実は真っ赤なウソ。
ソ連の秘密文書によると、金日成の経歴は次のようなものである。

19歳から、旧満州で抗日ゲリラ活動をしていた。
その後、ハバロフスクに逃れ、ソ連極東軍の88特別旅団に所属。
その88特別旅団とは、ソ連が創った朝鮮人と中国人による部隊だった。
彼は、軍司令官などではなく、一つの小隊の指揮官にすぎなかった。

当時の金日成の上官であったワシーリー・イワーノフ(当時のソビエト極東軍中佐)は語る。

>私が彼に、戦略や戦術教え込んだ。
>「朝鮮軍」などというものは存在しなかった。


実際に朝鮮北部を解放(?)したのはソ連軍だった。
朝鮮人部隊はソ連軍に参戦を進言したが、却下されており、戦いにも参加していない。

当時のソ連はスターリンの独裁下にあった。
北朝鮮にソ連の傀儡国家を作るために、その候補者を面接したのが、当時のソビエト軍事特別宣伝部長であったグレゴリー・メクレルだった。

>私は、候補者と面接し、ソビエトへの忠誠度や能力を測った。

当時候補として名前が挙げられていたのは、「朝鮮のガンジー」と呼ばれる民族主義者であり国民的に人気もあったチョ・マンシク
メクレルは面接で、チョ・マンシクは指導者として信用に値しないと判断(心底ではソ連に忠誠的でない…つまり傀儡としてコントロールしにくいと判断)。

金日成についてはグレゴリー・メクレルはこう語った。
>ずっと満州やハバロフスクにいたので、朝鮮国内のことは知らないと思っていたが、実によく知っていた。

結局、ソ連は彼を指導者として選び、北朝鮮を間接支配下に置くことにした。
おそらく、チョ・マンシクより若いし、御しやすいと考えたのだろう。
(その間接的証拠として、金日成は帰国直前にモスクワに呼ばれスターリンと会談したという話しは有名)
そして、1945年10月14日、ソビエト軍の歓迎集会、数万人の前で、金日成は“抗日闘争の英雄”として紹介される(当時33歳)。
金日成は、満州での抗日運動で名前だけは朝鮮の人々に知られていたが、人々は意外な反応を示した。
「若すぎる」「あれはなんだ?ニセモノじゃないか」ということで会場は大騒ぎに…。

そこでメクレルは策略を練る。
金日成に「故郷に行くと発表せよ」とアドバイス。
彼は側近をつれて故郷に戻り、大歓迎される。それを新聞を使って大々的に発表し、ニセモノ説を打ち消した。

ソ連の秘密警察やソ連から送り込まれた朝鮮系のエージェントたちのもと、1948年に朝鮮民主主義人民共和国は設立される。

その時の演説で金日成はこう言ったと記録されている。
『朝鮮民族の解放者であるソビエト軍と偉大な領導者スターリン大元帥万歳!』(米国立公文書館資料)
建国パレードにも、スターリンと金日成の肖像画が並べて掲げらたのだった。


<②につづく>


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米国 日本にさらに12個の原爆を投下する予定だった のだそうな

2015年12月29日 | 雅無乱日記

日本は(現在の政府は)こんな国に尻尾を振って、言うとおりにさせられている。

従軍慰安婦の件は、それはそれであったんだろうし、一定謝罪する必要はあると思うが、今回の合意はアメリカからの圧力があったことは明白で、アメリカが自分たちの『戦争犯罪』を隠蔽し、自分たちへの非難をかわすために、日本の戦時中の残虐性を大げさに騒いでいるようにしか思えない。しかも、あの首相がいきなり不自然でしょ?何があったん?

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米国は、広島と長崎に原爆を投下した後も、日本への原爆攻撃をやめるつもりはなかった。彼らは、三発目を投下するばかりでなく、さらに12もの原爆投下計画を持っていた。新聞「The Daily Beast」が、広島・長崎への原爆投下70周年に関連して公表された米国の軍事アーカイヴの資料を引用して伝えた。

1945年8月13日に行われた高位の軍事専門家らによる交渉をまとめた資料は、より強力な三回目の攻撃のための原爆用材料が、マリアナ諸島にほぼ集められ、8月19日に用いられる可能性があった事を裏付けている。またさらなる12回の攻撃用に原爆製造の準備がなされ、米国は、日本が降伏するまで、原爆攻撃を続ける計画だった。 

米国の特別軍事委員会は、京都や横浜、小倉、新潟さらには東京も標的にしていたと見られる。専門家らは、原爆攻撃の効果を詳しく研究したいと考えていたため、まだ通常爆弾での攻撃により大きな被害を受けていない、諸都市を選んだ。東京は、すでに空襲により著しい被害を被り、10万人もの人々が亡くなっていたが、特別軍事委員会は、標的のリストから除外しなかった。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150816/753235.html#ixzz3vikuHZfa

  

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アフリカの内戦は、欧米支配の強化のために捏造された民族対立が元で起こっている

2015年12月27日 | 雅無乱日記

先日、ある中学生から、「コンゴとベルギーの関係って?」という鋭い質問が飛んできた。

関連して思い浮かんだのは、ルワンダの虐殺。

これについては映画「ホテル・ルワンダ」にも描かれているが、極めて不十分。もっと本質を見ていく必要があるように感じている。

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ルワンダ虐殺について、中日新聞2007年6月5日夕刊に載っていた、板垣真理子氏の記事を紹介したい。

アフリカ映画としては前代未聞の話題をよんだ「ホテル・ルワンダ」に続いて、この4月に「シネマアフリカ」と銘打った、8本のルワンダ映画が東京・渋谷で公開された。ルワンダ人のつくったルワンダ映画として、2週間をかけて上映された作品はどれも現地から発信される説得力に満ちていた。


「ホテル・ルワンダ」はかなりの期待を持って観たが、私にとっては正直言って失望だった(映画≒エンターテイメントとしてはよくできているのかもしれないが)。

基本ストーリーは、妻の属するツチ族(の一部)を守ろうと奮闘するフツ族のホテル支配人の英雄伝であり、所詮は、ヨーロッパ人監督の視点から描かれた映画だったように思う。

歴史的背景が省略されているがゆえに、フツ族の民兵グループがまるで単なる悪魔の如く描かれていた(100万人も虐殺したのだから仕方ないといえば仕方ないが…)。

アフリカの黒人達がいくら死のうが関係ない、というヨーロッパ世界が、国連の平和維持軍を2500人から270人に減らしことについては、批判的ニュアンスを醸し出していたが、それだけ。

それまで、ヨーロッパの威を借りて国を支配していた主人公を含む人々がヨーロッパ各地へ亡命してめでたしめでたし、というラストもどうも釈然としなかった。

しかし、ルワンダ人自身が作ったルワンダ映画は、もっと現実に踏み込んでいるようだ。

 
再び、中日新聞2007年6月5日夕刊文化面より

「民族紛争」と呼ばれているものが、実は植民者であるヨーロッパ人が支配を強めるために作り出した「分裂」であったこと。それを信じ込ませる教育という名の洗脳。「殺らなければ、殺られるぞ」という恐怖心を煽り立てる扇動。そのどれもが、ルワンダやアフリカだけではなく、他の全ての地域で非常に似通った構図でなされていることに気づかされたはずだ。


帝国主義的侵略を続けてきたヨーロッパ人たちが、いかにエゲつないことを繰り返してきたか。

そして欧米人の内部分裂工作が朝鮮やベトナムのように同胞同士の殺し合いを導き、現在はアフガンやイラクやアフリカ各国で新たなる民族分裂と殺戮を生み出し続けている。

そのような現実は、「ホテル・ルワンダ」という映画からはほとんど伝わってはこなかった。

公式サイトのこの部分を読んで初めて、僅かながら理解できる。
http://www.hotelrwanda.jp/history/index.html



第1次世界大戦後、国際連盟はルワンダを戦利品としてベルギーに与えた。国家としてまとまっていたルワンダを分裂させるためにベルギーが利用したのはフツ族とツチ族の容姿の差。黒い肌に平らな鼻と厚い唇、そして四角い顎をもつフツ族に対し、薄めの肌に細い鼻、薄い唇に尖った顎と、よりヨーロッパ人に近い容姿のツチ族をベルギーは経済的にも教育的にも優遇。1933~34年にはすべてのルワンダ人をフツ族、ツチ族、そしてトゥワ族に分類し、人種が記されたIDカードまで発行する。ほとんどのフツ族とツチ族はそれでもまだ良好な関係を保っていたが、小学生にまで人種差別の思想がたたきこまれていくうちに、かつて統一されていた国家は急激に崩壊していった。


ヨーロッパ人は、植民地を間接統治する地元の有力者には「私は本国の人間であっておまえらとは格が違う。それは大前提だ。だが、地元の奴隷達をよくまとめて働かせることができたら、特例として人間の権利を一部与えてやろう」とささやきかける。

そんな中で、現地人たちの憎しみは、本国の人間よりむしろ、間接統治している傀儡たちの方に向けられ、独立戦争でなはなく同胞同士の内輪揉めが起こる(それを起こすべく裏でさまざまな事を画策するのが欧米の諜報機関の役割だった)

このような、非道な欧米人たちの残していった負の遺産と、加えてグローバリズムという別の形での新たな支配と略奪が、分裂と内戦をアフリカやラテンアメリカ(そして世界各地)で生み出しているのである。

再々、中日新聞6月5日夕刊文化面

一連の映画を見つつ、あの時代になにもできなかった自分自身への口惜しさ、無念さが強く残った。いまこの瞬間に、殺戮(さつりく)の起きている地域も数多くある。ソマリア、スーダン。今起きていることを現在進行形で正確に把握することの難しさ。しかしだからこそ「もっとよく知ること」から始めたい、そんな意志をふつふつと湧き上がらせてくれた2週間であった。


板垣真理子氏はこのように記事の中で語っている。

「遠いアフリカの話だ」と思うかもしれないが、日本はある意味、アメリカによる徹底した洗脳が成功したがゆえに内部対立が起こっていないだけで、リアルタイムに彼らに支配され搾取されている、という構造自体は同じである。

近年、多くのブログがアメリカの洗脳に気づいて発信し始めている。

日本から事実認識のうねりを起こすことで、洗脳されて同胞を殺戮させられているアフリカをはじめ世界中の人々を、汚い手を使って支配を続けようとする連中から開放していかなくてはならない。真実に気づいて力強く発信するブログやサイトに負けずに、私も微力ながら発信し続けることにしよう。


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※さらに、ぜひともこのサイトを読んで欲しい。

隣人による殺戮の悲劇

―94年にルワンダで起こった大量虐殺を読み直す


血塗られた砂糖の歴史

2015年12月22日 | 雅無乱日記

今回は、

というページをもとに考察してみたい。


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砂糖は、

「西洋の政治史に砂糖ほど深い影響を与えた産物は他にない」

と、『砂糖病』の著者 ウイリアム・ダフティが言うほど、西洋の歴史に深く関っています。

それは、当時は砂糖が非常に貴重なものであり、
『金』と同価値を持ったものであったからです。

西洋の覇権は、ポルトガルからスペイン、更にイギリスからアメリカへと
移行しますが、それは砂糖の支配権の移行でもありました。

砂糖の支配権を巡って戦争が行われ、勝った国家に砂糖の支配権が
移っていったのです。

satoukibi01.jpg

砂糖の味を知った十字軍の兵士たちが、サラセン戦略として、
サトウキビの栽培を全ヨーロッパに広めました。

そしてこの戦略は、砂糖の暴利を巡る争いへと発展し、
『奴隷制、集団虐殺、組織犯罪の爪痕を残す』ことになります。

イギリスの歴史家ノウェル・ディアーが言う通りです。

「奴隷貿易のアフリカ人犠牲者は2,000万人にのぼり、
その2/3は砂糖が罪を負うべきである。これは誇張でも何でもない」
と。


この砂糖戦争では、ポルトガルが先陣を切り、
ついでスペインが膨大な利益を手にしたのですが、
その頃には既にブラジルにまでサトウキビの栽培が行われていたのです。

そして、その労働に黒人奴隷が刈り出されました。


さらに、この戦争にオランダが加わり、そしてイギリスが支配権を握るようになります。

こうして西インド諸島はサトウキビ畑に変えられ、
アメリカでの白人の重要な産業となりました。

アメリカの独立戦争も、その原因となったのは、
お茶に対する課税だけでなく、1,733年の糖蜜法にあったようです。

当時、砂糖はほとんど『金』と同義語になっていましたし、
砂糖産業と奴隷制度は不可分のものでした。

それは、

「ヨーロッパに到着する砂糖樽で血に染まっていないものは一つとしてない」

という言葉に表現されています。(後略)

=============================================

砂糖キビは一か所で数十年もつくると、地味が枯渇し、生態系が著しく破壊される。

土地から栄養を収奪してしまうと、次の土地に移って行かざるを得ない。

こうして、カリブ海全域の島や海岸線が、16世紀から深刻な破壊に晒される事になった。

砂糖のプランテーションは、積み出しの便宜上、海岸線につくられる事となったが、17世紀には早くも、海岸線にあいている土地はほとんどなくなっていた。

破壊はそれだけではなかった。

砂糖キビから砂糖をつくるには、煮詰めるための釜を焚く燃料が必要である。

砂糖キビプランテーションでは、ジャングルを焼き払って砂糖キビを植えるだけでなく、砂糖工場を併設し、そこで必要な燃料としての木材を、周囲の森林から調達した。

プランテーションの拡がりと同時に、周辺の森林は刈り尽くされ、あっという間に消滅したと言われている。

近世の砂糖プランテーションは、さしあたり無限のようにみえる熱帯の土地と、これも無限とみえたアフリカ人の奴隷労働を前提として成立した。

しかし、少なくとも、土地と土地が生産する植物資源は、決して無限ではなかった。

砂糖生産が劇的に拡大されたことで、人間も、土地も、森林も、費消され、破壊されていった。

砂糖を生産していたプランテーションのほとんどでは、先住民やアフリカから強制的に連れてこられた人々を、脅して奴隷として使役していた。

白人は、そういう奴隷たちを「人間」とは思っていなかった(家畜と思っていた)から、先住民やアフリカから強制移住させられた黒人たちは、実に悲惨で苦渋に満ちた生活を強いられたのである。

彼らの労働力を利用したプランテーションの成立過程とその運営は概ね次のようなプロセスを辿ったと考えられる。


宣教師を送り込み、未開地域の伝統や価値観、ひいては共同体そのものを洗脳によって破壊する。

抵抗する基盤となる集団(組織)がガタガタになったところへ、当時の先端兵器を携帯した軍隊と、商人を送り込む。

先住民を居住地から追い出し、土地の所有を宣言(先住民には「土地を私有する」という概念そのものが無いためひとたまりもない)。

生産手段を奪われた先住民は、皆殺しにされるまで抵抗するか、服従し奴隷になるかの2つのみ選択肢を与えられる。

先住民奴隷(あるいはアフリカから強制的に連れてきた奴隷)を使って商品になる単一作物を作らせる(あるいは天然資源を開発させる)。強制労働によって作られる作物は、天然ゴム、タバコ、コーヒー、パーム油、サトウキビ、大麻、茶葉、綿花など、趣向品が多く、もっぱら食糧にならない。無料同然の労働力で作られた生産物(換金作物・工業製品、採掘資源など)を本国に持ち帰って高く売る。

工業製品、食糧などは、宗主国で過剰生産になったものを植民地に輸出する。

奴隷は、決して団結させないように管理されたが(伝統的な祭や芸能まで禁止し、ひどい場合は言語も絶やされる)、あまりの不当な収奪と強制により叛乱が多発。初期は、軍隊によって鎮圧していたが、徐々に鎮圧しきれなくなってくる。

植民地総督は同じ肌の色をした地元の有力者を傀儡を立てたり、奴隷にもそれなりの報酬を支給するなどして、彼らに「支配されている」「強制されている」という感覚をなるべく抱かせないような体制に徐々に移行していった(当然、教育による洗脳を施しながら)。

こうして、砂糖は本国に供給され、ヨーロッパ人たちは文字通り「甘い汁」を吸ってきたのである。

これは遠い異国の話なのだろうか? 我々日本人も形を変えて同じ目にあっていると私は思っている。 

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ドイツは原発を簡単にやめたわけではない…「アンダー・コントロール」

2015年12月12日 | 雅無乱日記

安倍首相はドイツで、「そう簡単に『原発はもうやめた』と言うわけにはいかない」と発言したそうな。

ドイツは、けっして簡単に原発をやめたわけではない。ドイツの脱原発への取り組みに対する無知が、このような配慮のない発言をさせているのだろうか。だとしたら、日本の外交の行く末が非常に心配になる。

これに絡んで、今後の原発について示唆を与えてくれる映画がある。

ドキュメンタリー映画「アンダー・コントロール」(フォルカー・ザッテル監督)インタビュー記事である。

記事全文はここでも見れる → Youtube

 ☆動画 → ココ

実に興味深い映画なのでぜひ一度見てみることをオススメしたい。

これを見ると、安倍首相の発言が、いかに相手国への敬意を欠く発言であるかがよくわかる。

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原発は一度作ってしまうと、要らなくなっても勝手にフェードアウトはしてくれない。

ドイツは既にかなり前から、原発依存から脱却していっている。

このドキュメンタリー映画では、


ドイツの美しい森林の中に忽然と姿を現し煙をもうもうと上げる巨大な建造物を…

原発内部で、あらゆるリスクをシミュレーションして安全計画を立てる技術者を…

使用済み核燃料がゆっくりとコバルトブルーの冷却水に貯蔵されていく美しい姿を…

防護服に身を包み、ひたすら何事もないように任務をこなす大勢の原発労働者を…

使用されなかった巨大な冷却塔の跡を使ってできた遊園地で楽しく遊ぶ子供達を…

地下深く六百メートルに、鎖につながれて次々蓄えられていく放射性廃棄物を…

何十億マルクもかけて建造したのに稼動することなしに解体される原発の建造物を…

スクリーンにただひたすら淡々と映し出す。

 

原発推進とか反原発とかの価値観を棚上げにして見ると、責任感あふれるドイツの技術者も、防護服を着て一生懸命働く労働者も、はっきり言ってカッコいい。実に尊敬すべき愛すべき人々のような気がした。

そして、人間の技術が作り出した原発という怪物も、価値判断を排除してみると、実に美しく荘厳に見える。間違いなく「工場萌え」の人は夢中になるだろう。(目には見えない放射能を無視すれば…。)

人類のバラ色の未来を切り開くと期待され、次々とつくられてきた建造物が、23億ユーロと何十年もの歳月をかけて解体されていこうとする姿を、カメラはただ淡々と見つめる。

何とも言いようの無い異様な、そして妙な美しさのある映画であった。


原発の現場がどうなっているか、働いている人々が実際にどんな風なのか、できてしまった原発をこの世から消滅させるためにどれだけの金と人材が必要なのか、それも知らずに、なんとなく「原発いらないよね」なんてネット世論に乗じて軽々しく言っていた自分が、少し恥ずかしくなった。

だが、現実にドイツは、国家としてメリットとデメリットを秤にかけて、結果として完全に脱原発に舵を切ったのだ。それが社会の共認になったのだ。どれだけ莫大な費用と人材を投入しても原発の存在を消す他ない…という静かな決意のようなものも映像から伝わってきた。

 


一方、日本はどうなのだろうか。

2013年5月10日の中日新聞夕刊には、ザッテル監督のこんな言葉もあった。

「福島のニュースで映し出された原発内部の様子は、'60年当時の古い状態に見えて驚きました。ドイツの原発技術者も、日本ではあんな古い技術をまだ使っていたのかとびっくりしていました。福島の第一原発は40年も稼動していたと聞きましたが、ドイツで40年も動いている原発はありません」

そして311が起き、汚染水は太平洋に垂れ流され、現在首都圏も含めて放射能汚染はさらに進んでいる。

安倍首相はUAEやトルコに原発技術の輸出を約束した。

そして、自民党は公約に原発の再稼動を掲げる。http://www.asahi.com/politics/update/0512/TKY201305110380.html

この状況を我々はいったいどう捉えたらいいのだろうか…


映画「アンダー・コントロール」日本語公式サイト:
http://www.imageforum.co.jp/control/

映画「アンダー・コントロール」ドイツ語公式サイト:
http://www.unterkontrolle-film.de/unter_kontrolle/

 

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“英才教育”はひきこもりやうつの原因の一つかもしれない

2015年11月23日 | 雅無乱日記

新聞などを見ていると、最近、英才教育、乳幼児の習い事がホットな産業となっているらしい。

一昔前は母親だけだったが、どうも父親の英才教育熱がすごいとの話。

そういうのはどうなんだろうか…と思っている。

脳の成長という観点から、“英才教育”について考えてみたい。

 

 

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人間の赤ん坊の脳の重さは400g。これは体重が10倍もある大人のチンパンジーの脳と同じ重さである。

それが、わずか1年ほどで2倍の800gに、さらに4年目で1200gに増加し、6~7歳になるまでにほぼ大人と同じ重さになる。

ところが、実はこの同じ時期に、大量の神経細胞(ニューロン)が死滅し、シナプスが消失していっている。

生まれてまもなくの幼少期に、実は脳細胞は半分近くが死滅しているのです。残った半分の脳細胞は、豊かに発達し、神経回路も複雑になってゆきますが、この急増も4-5歳をピークに衰え始め、先に述べたように、15歳ころには増殖は停止してしまいます。(リンクより引用)


Huttenlocher,P.R.1990年のシナプス密度の調査報告によると、出生時は0.3×10の12乗/㎝3であったのが、生後8ヶ月には約8倍の2.5×10の12乗/㎝3に急増する。まだ一歳にもなっていないのに、そこから一転して下がり始め、2歳では2.0×10の12乗/㎝3に、そして10歳には半分の1.2×10の12乗/㎝3にまで急速に減ってしまう。そこから多少の上昇はあるけれど、老化するまではほぼその密度のまま推移することになる。(参考:㈱日立製作所フェロー 小泉氏のインタビュー中のグラフ)

「三つ子の魂百まで」という諺があるが、このニューロンの急激な増加と、生後八ヶ月から始まるシナプスの刈り込み(急激な消失)は、その後の記憶や知性・学習能力に大きな影響を与えることは確かだろう。

要するに、この時期、子供が受ける多様な外圧(経験)と関連しながら、使われている回路ほど残り、あまり使われない回路が消失していくという形で、ドラスティックに「最適化」に向うわけである(なので“ネグレクト”するとニューロンやシナプスがごっそり無くなり致命的になるわけだ)。外圧に対応して柔軟に彫刻される脳の姿がイメージされる。

音楽・芸術にしろ、語学にしろ、“お受験”にしろ、幼児の頭のやわらかいうちに吸収すれば才能を伸ばすことができる、ということが一般に信じられており、それが「英才教育」の根拠になっている。しかし、(たしかに“音感”など音楽の才能がある子供にとっては有効な場合もあるらしいのだが)大抵の場合、偏った幼児教育はそれほど有効に機能しないばかりか、子供の正常な精神発達を阻害することが分かっている。

というのも、その時期の幼児の脳は、人間として仲間・社会の中で生きていくためのトータルの能力を習得することを必要としていて、それに対応して急激に変化しつづけているからだ

例えば、相手の表情から相手の気持ちを読み取る力や、周囲に同化することで自分の気持ちや意思を伝えるすべを体感の中から学んでいくその重要な時期に、英才教育をされる子供は極めて限定的な、しかも偏った(現実の社会に適応する上で最大の外圧=同類圧力を無視した)能力を身につけることを強制されるわけでる

ひどいのになると、ほとんど日替わりで様々な「お稽古事」「習い事」「お受験勉強」を強要され、スケジュールもびっちり母親が送り迎えについてまわっていたりしする(ここまでくると、脳の話以前に子供がかわいそうだが…)。

己の見栄(相対優位の欠乏)や存在不安の解消など自我充足のために偏った教育を子供に強要する母親(しかも彼女らは「それが我が子のため」と本気で信じているからコワイ。最近は“子育てパパ”までその仲間入りをしている)と、それを金儲けのネタとしている幼児教育業界の方々は、このようないびつな教育が子供の脳にとって取り返しのつかない弊害となり、それが人と関わる能力を未熟にし、ひいてはひきこもりやうつの原因にもなっている可能性について、もっと考えるべきだと思う。

併せて、親の「過剰な期待」が原因で自己攻撃にはしる人が多い世代:特に現在の20代後半から30代前半(?)は、その原因の一つに上記のような外圧を無視した偏った幼児教育の影響があったかもしれない

 るいネット投稿『小児うつ』北村氏より引用

おそらくうつ病の場合、幼児期の母親から刻印された親和欠損による精神不安や恐怖記憶が要因となって、対象から逃避(危機逃避回路による)したいという欠乏が働いている。

しかしその対象が例えば原点が幼児期の母親の親和であれば、幼児にとって母親は絶対的な存在であるわけで、もともと存在した欠乏と逃避したいその対象は一体のものである。だからその時点で意識は大きく混濁する。

従って対象を否定、封鎖するためには、同時に自身が持つ対象に対する欠乏も否定・封鎖する必要が出てくる。この対象凍結・主体凍結の回路が、周囲の人の評価圧力を前に働き出すと言うことではないか


母親が“英才教育幻想”に獲り付かれると、必然的に子供への親和が犠牲にされ、その評価の厳しさが不安を常態化させる。しかし、母親は子供にとっては最大の親和対象であるので、潜在思念や欠乏を犠牲にしてでも母親の期待に応えようとする。ここに葛藤が生じる。

これについては「うつのメカニズム」
http://www.biological-journal.net/blog/2007/06/000034.html
として既にこのブログに書いたことがある。

このことを総括し、今後はよりスキンシップや仲間との関係を重視し、加えてより多様な外圧に対応する能力を育成するにはどうするかということに頭を使っていく必要がある。
しかし、ここに致命的な問題がある。

基本的に母と子しかいない密室空間である家庭では、母親の価値観しだいで歪んだ圧力場が形成されるので、多様な外圧に対応する脳を育てるのはどうがんばっても不可能であるという問題である。

まずは、多くの人と関わらなければならない場に、子供はもちろんだが、そういう母親自身も身を置くというのが不可欠ではないだろうか。そうしたら、多くの人との関係で充たされて(もちろんストレスもあるだろうが、子どもが将来出て行く「社会」とはそういうものだ。多くの人と関わることで子供の脳も健全に発達するし一石二鳥^^)、母親も存在不安にかられて子供に偏った英才教育を強制する必然性も無くなるだろう。

「英才教育やめろ」というだけでは答えにならない。むしろ本筋は、母も子も閉鎖空間である家庭を飛び出して、多くの人と課題を共有できる場を創っていくということなのかもしれない。


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「コモンズ(共有財産)」のことごとくを商品化し、収奪構造を創り出す連中

2015年11月21日 | 雅無乱日記

韓国で「世界水フォーラム」が行われたそうな。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2015/04/12/0800000000AJP20150412000700882.HTML

168カ国4万人が参加したそうで、この問題の世界における関心の高さがうかがえる。

水がこれだけ不足し、安全な水にアクセスできる人口が現在のように非常に少ない状況が生じているのは、構造的な原因があるように思われる。

 

というわけで、今回は「水商売」について書いてみる。

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この話題に関する、
『「水」戦争の世紀』(モード・バーロウ & トニー・クラーク,集英社新書)という書籍について端的にまとめておられるHPを見つけた。

石岡第一病院の「傷の治療センター」長である夏井 睦(なつい まこと)氏のHPから紹介したい。

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 今から10年以上前,「第三世界ではミルクを溶く水が手に入らないために,コカ・コーラを母乳代わりに飲ませられている赤ん坊が多く存在する」と公式に報告されている事実を,あなたはご存知だろうか?

 なぜ,水が手に入らないかというと,水の値段が高すぎるからだ。なぜ,コカ・コーラを飲ませているかというと,水よりコーラの方が安いからだ。もちろん,赤ん坊の時からミルク代わりにコーラを飲ませられれば,重大な栄養失調と蛋白質不足をきたす事は,医療関係者なら誰にもわかるだろう。

 だがこれは,第三世界だけの問題ではないのである。水を単なる商品と考え,水で大儲けを企むグローバル企業があり,水道事業を民間会社に委託して財政負担を軽くしようと政府が考えれば,これはいつか,私たちにも降りかかってくる可能性があるのだ。
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コーラなどの清涼飲料水は実はまったく「清涼」なんかではなく、なんと10%もの糖分を含んでいる。飲んだら余計のどが渇くと感じるのはそのためである。

「ペットボトル症候群」

実は、糖分が過剰な飲料を脳が「快」と感じるので(しかも飲むと余計にのどが渇くので)、清涼飲料水はハマると止められなくなる。メーカーはこれを見越して製造販売しているのである。

こんなものを母乳の代わりに飲んで育つ赤ん坊って…

引き続き夏井睦氏のHPより~

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 食料の自給自足を目指して灌漑農業を始めたサウジアラビアで,穀物1トン生産するのに3000トンの地下水を汲み上げてしまい,地下水(帯水層)があと50年で枯渇することは避けられそうにもない。

 世界最大の淡水,アメリカの五大湖の水量は毎年低化を続け,ついにセント・ローレンス川が大西洋に注がなくなった。

 中国の黄河は1972年以降,海に注がない日が増え,1997年の断流日数は226日に達している。

 かつて世界4番目の湖だったアラル海は輸出用綿花の生産のための使われ,そのため現在では,総水量の80%を失い,残りの水も昔の10倍の塩分を含むようになった。結果として,漁業は壊滅し,周辺地域の気温の変動も大きくなり農業も壊滅した。

 これが,世界の淡水の現状である。(中略)

 さて,物が足りなくなれば,それをビジネスの対象にする人間,会社が現れるのは世の常である。足りなければ足りないほど,その商品価値はうなぎ昇りだ。

 世界的に不足している淡水は石油より貴重な「資源」だと気がついたのが,グローバル企業であり,世界銀行であり,IMFであり,またたく間に,水という資源は投機の対象になり,独占された。全ての地下水を買占め,商品化しようとして彼らは世界中を飛び回っている。

 ここで彼らが拠り所にしているのは,「全世界にとって自由市場経済以外の選択肢はなく,この経済モデルに従うべきだ」とする「ワシントン・コンセンサス」である。まさに,淡水危機はワシントン・コンセンサスに基づけばビジネスチャンスであり,水の私有化と商品化の方向が決まってしまった。
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世界銀行もIMFもグルになって、途上国の資源が徹底的に搾取される構造ができあがっている。

これについては
「アメリカが世界から収奪する仕掛けはこうして構築された」というエントリーでも扱ったが、「水」さえも例外ではないようである。

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 2000年にハーグで開かれた「世界水フォーラム」ではなんと,【水は人間にとって必需品であるが,権利(人権)ではない】と採択した。採択したのは国連と世界銀行である。もちろん後押ししたのは,グローバル企業と営利目的の水道企業。

 「必需品であるが権利でない」のだから,金のある者,金を出す者は水を手に入れられるが,貧乏人は手に入らなくなる。それが経済の原則だ。

 ある,世界規模の水道会社のCEOは次のように言っているらしい。

「水ほど効率のよい商品はない。何しろ,この製品は生命にとってなくてはならないものだからだ。普通はただで手に入るが,わが社はそれを売っている。」

 おそらく彼はこう続けたかったはずだ。

「水がただで手に入らなくなれば,わが社の水を買うしかなくなる。死にたくなければ,わが社に金を払わなければいけない。どんな貧乏人でも死にたくはないだろう」と・・・。

 一方,財政的に裕福でない政府は,財政問題の解決策として金のかかる水道事業を民営化しようと考えた。事実,多くの国で本来なら「非営利的公共事業」であるべき水道事業が,営利目的の外資系企業に乗っ取られてしまったのである。(中略)

 その結果,どうなったか。

 ある国では,国営で行っている水道は裕福な国民にだけ廉価で供給され,貧乏人の住む地域には水道が敷設されず,彼らは100倍の値段の水を水売り商人から買わざるをなくなった。

 インドネシアの旱魃で住民の井戸が涸れた時でも,首都ジャカルタの観光客向けゴルフ場では大量の水が芝生に水が撒かれ芝生は青々としていた。

 フランスでは水道事業民営化後,水道料金が150%高騰した。

 ボリビアでは水道料金が月収の1/5まで跳ね上がり,食費より高くつくものとなった。

 そしてこれに,ボトル入りの水,清涼飲料水を売るメーカーが絡んでくる。水が高くて買えない層がいることは,彼らのとってビッグ・ビジネスチャンスだ。彼らは「そんなに高価な水道水を飲まなくても,わが社のミネラルウォーターを飲みましょう。わが社の清涼飲料水を飲みましょう」と宣伝し,水より安い値段で貧乏人たちに売りつけた。かくして,貧しい家庭の赤ん坊達は水でなくコーラを飲んで渇きを癒すしかなくなる。もう,健康になどに構っていられない。(中略)

 「水は必需品であるが権利でない」というのはつまり,こう言うことである。

 この本では,このようなグローバル企業とそれに追随する政府・自治体を徹底的に糾弾している。人類共通の遺産,そして共通の権利を「コモンズ(共有財産)」として考え,それら(水や空気などの天然資源,遺伝子,健康,教育,文化,伝統など)を売り物にすべきでないと主張している。これらを次世代に受け継ぐのが自分達の世代の義務だと宣言している。淡水は人間だけの独占物ではなく,あらゆる生物が共有する財産だと提案している。そして,「ワシントン・コンセンサス」はこの「コモンズ」の商品化であり,根本的に間違っていると糾弾している。その上で,この,世界規模の淡水供給の不平等を正すために,まず何をすべきかを提案している。

 何年か前,解析した人間の遺伝子コードに特許を申請したメーカーがあった。そのニュースを見て,非常な違和感を感じたが,この本を読んでその違和感の原因が初めてわかった。遺伝子を読み取る技術や機械には特許をかけてもいいだろうが,遺伝子コードそのものに特許を与えるのは基本的に間違っているのだ。

 この違和感を放っておくと,次は空気の番だぞ。淡水がいよいよ少なくなってあまりに高価になりすぎて売り物にならなくなった時,やつらは「空気」を売り物にするはずだ。これぞ,究極の商品だ。

 「空気なんてどこにだってあるから売り物になるわけないよ」と考えている人がいたら,あなたは甘いと思う。売れるものを売るのが商売でなく,売り物でないもので商売するところに「銭の花」が咲くのだ。世界銀行がいきなり「空気は生存にとって必需品であるが,人間の権利ではない」と宣言してからでは遅いのである。
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20世紀は【石油】の世紀。次の21世紀は【水】、その次は【空気】の世紀か…

「CO2排出権」なるものが商品になってしまう時代である。

連中は、何でもかんでも「商品化」する。そしてそれを売りつける。

イギリスでは、自分にかけた生命保険を債権化して販売する…なんて事までやっているそうではないか。

グローバル企業が「呼吸がしたかったら我々にカネを払うことだね」なんて言い出す日も…?

実にぞっとする未来である。「遺伝子の特許」もそうだがこういう事を平気でやる連中の専横を許さない新しい仕組みを創る必要があるだろう。でないと「ワシントン・コンセンサス」が地球を破滅させてしまう。

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「消費は美徳」の時代は終焉し「過剰消費はアホだ」という時代へ

2015年11月04日 | 雅無乱日記


消費による充足から生産による充足へ 内田樹と宮崎駿、かく語りき

ちょっとおもしろかった。

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孫引き「内田樹の研究室」
http://blog.tatsuru.com/2008/12/06_0911.php

「人はその消費生活を通じて自己実現する」という80年代から私たちの社会を支配していたイデオロギーは少なくとも20歳の女性たちの間では急速に力を失いつつある。(中略)

メディアはあらゆる機会に(コンテンツを通じて、CMを通じて)視聴者に「もっともっと金を使え」というメッセージを送り届け、その一方で非正規労働者や失職者がどれほど絶望的な状況であるかをうるさくアナウンスして「消費行動が自由にできないと人間はこんなに不幸になるんですよ」と視聴者を脅しつけている。
(中略)

けれども、若い女性たちはそろそろこのイデオロギーの瀰漫に対しての「嫌厭感」を持ち始めている。

彼女たちは「自分より豊かな人たち」に向かって「あなたの持っているものを私に与えよ」と言うのを止めて、「私より貧しい人たち」に「私は何を与えることができるか」を問う方向にシフトしている。


ものすごい変化である。私が学生の頃なんて、過剰消費を謳歌していた女性たちはワンレンボディコンで街を闊歩していた(歳がバレる…^^;)。ところが、今の学生に聞いてみると、「合コンって何?そんなのやったことない…」。

スーツの上下で20万、靴は8万…なんて着てるもの自慢してた知人がいたが、今そんな事してたらみんなから「アホか?」と思われるだけである。酒呑んでバカ騒ぎして楽しかったのは、旧世代まで。今は、そんなヒマがあったら、もっと誰かの役に立つ事がしたい、or何かの役に立つような勉強がしたい!…って意識が主流を占めている。

アメリカ発の金融危機が日本を襲った。当時マスコミは、「内定取り消し」「解雇」「派遣斬り」などを連日大きく報道して人々の不安を煽っていた。

トヨタのお膝元の名古屋は、今回のアメリカの自動車消費の大幅な冷え込みの直撃を受け、急速に失業者が増えていっているようだが、いかにアメリカの過剰消費に依存していたか、というのが逆に浮き彫りになった。

私が学生の頃なんて、かっこいいスポーツカーがモテるための必須アイテムだったりしたこともあるのだが…。しかし、車以外も、もうそれほど欲しいと思えるモノは無くなった。

何よりも、金融危機の震源地であるアメリカの、稼げる以上にローンを組みまくって何かに取り付かれたかのように過剰消費しまくってるのは単なる「アホ」だ…環境破壊の元凶・世界の迷惑だ…あんなライフスタイルを日本人は真似する必要はない…ということに人々は既に気付いている。

人々の潜在意識の上では確実に市場は縮小に向って動き始めたのである。

これが意味するところは、「モノをつくって売る」という事で稼ぐ「仕事」がそろそろ終焉を迎えつつあり、これが大量の解雇・リストラとして近々日本を襲うという事である。

ところが、それでは困るモノ世界で儲けたいシステム(人々)は、市場の縮小など許してはくれない。マスコミで、CMで、無理矢理煽って「消費は美徳だ、もっと拡大しろ~」の大合唱。

ところが時代の状況は一変した。

http://www.news.janjan.jp/world/0810/0810159463/1.phpより

アメリカが消費大国として君臨し続けた戦後の世界経済の中では、「消費は美徳」という言葉を信じることができた。だが、その経済構造は崩壊しようとしている。完全な崩壊までには、しばらく時間がかかるだろうが、榊原英資氏が指摘するように、「ドル支配の終焉の始まり」が起きているのだといえる。これは、「消費は美徳」という環境問題から考えれば、見当違いの信念で支えられてきた世界構造の終焉でもある。


「過剰消費」を煽るデンパに洗脳されてほんとに消費が拡大した時期もあったが、今やそれも限界。ついに、マスコミに踊らされた「消費」なるものに、まったく充足感を抱けない層が多数派を占めるようになったのである。それが、内田樹氏が指摘している人々だ。

そんな人々は逆に、エゲつないシステムの上に乗っかって自分だけ甘い汁を吸う、なんていう自分は許せなくなり、「世の中のために自分は何ができるのか」と問うようになる。


こういう人々の画期的な意識の変化は、残念ながらまだ直接には活力に結びついていない。「世の中のために自分は何ができる?」と探索する意識は確実に存在するが、既存の市場システム・働き方の中では、答えが簡単には見つからないのだ。

ここらへんに答えを出していく、つまり、モノに代わる新しい価値を創造する「新しい役割=仕事」を創出するというのが、次に期待されていることなんではないか、という気がしている。



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以下 http://blogos.com/article/142842/ 北野武氏より引用

今の人類が置かれた立場を考えれば、むしろ夢をかなえようなんてことより、清貧の方が大事なんじゃないの、と思う。

 人間がじゃんじゃんエネルギーを消費して、地球の平均気温がじわじわ上がって、近頃は異常気象が当たり前になってしまった。5月に台風が来たり、気温が30度を超えたりしても、今じゃ誰もたいして驚かない。

 東日本大震災のときは、節電しないと夏を越せないとかいって、東京の夜は暗くなった。自動販売機が電気の無駄遣いだと目の敵にされた。昔の夜が戻ってきたみたいで、こういうのもいいなあなんて思っていたけれど、しばらくしたらまた元通りのピカピカな夜が戻ってきた。節電なんて言葉もどこかへ行ってしまったみたいだ。

 だけど、地球上で起きている問題の大半は、人間があまりにもエネルギーだの資源だの食糧だのを無駄遣いしているから起きているという事実は変わらない。中国の14億人が、アメリカ人と同じくらいエネルギーを消費するようになったら、地球は保たないなんていわれている。

 このままではどう考えたって文明は破綻する。現代人は今すぐにもライフスタイルを改めなくてはいけないはずなのに、その話はいっこうに進まない。節電や節約くらいで、この問題が解決するとは思えないけれど、それでも解決に向けた最初の一歩にはなる。
それは誰もがわかっているはずなのに、そういうことにはあまり真剣にならない。節電だの節約だのは、結局のところ経済活動のマイナスになるからだ。

 


映像の情報過多は共感能力の発達を阻害する?

2015年11月01日 | 雅無乱日記

おもしろい+ぞっとする研究結果をネットで見つけた。

脳の「共感スイッチ」:情報の氾濫は共感能力を阻害する?
より引用

この研究は、現在のメディアのあり方についての興味深い議論も引き起こした。研究者によれば、共感を呼び覚ます脳のシステムが作動し始めるまでには平均で6~8秒かかるのだという。研究者がこの事実をメディア利用の習慣と結びつけているわけではないが、この研究の報道は、『Facebook』世代がやがて社会的に好ましくない行動をとるようになるのではないかという憶測をあおっている。

 

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メディアの中でもいろいろな種類があるが、映像によるニュース報道については、同情という感情が神経生物学的に短絡的になってしまうという可能性があるかもしれない。たとえば、エピソードが連続的に語られていくときは、場面が次々に切り替わる形で語られる場合よりも共感の度合いがはるかに高くなる、という既存の研究がある。


ストーリーを追いかけるには、じっくり語られた方がついていける。

また、『Journal of Broadcasting & Electronic Media』誌に掲載された、タブロイド[扇情的な大衆紙]的ニュース形式についての考察によれば、矢継ぎ早で刺激的な、視覚的な語り口は、生理的な刺激を与え、見たことを記憶させる度合いを強めるが、これは本来の題材が面白くないものであった場合に限られるという。すでに興味を引かれている題材の場合、タブロイド風の語り口は認知的に過負荷となり、深く心に刻み込まれるのを妨げてしまうというのだ。


情報過多になるとかえって印象が薄くなる。さもありなん。

「素早いカット割りは、コンテンツが面白くない場合でも視聴者の目を引き、彼らの意識を引きつけたままにしておける。連続性を無視したMTV風のカット(ジャンプカット)は、多くのエディターが普通に使うようになっているが、画面にいつも目を向けさせる役目を果たす」

テレビニュースのアーカイブに取り組んでいるサイト『Vanderbilt Television News Archive』でディレクターを務めるJohn Lynch氏は、「今われわれが感じているのは、各シーンがどんどん短くなっていることだ」と語る。例えば今年1月にハドソン川に墜落した航空機の報道についてLynch氏は、プロデューサーたちが「レポーターの話や、何人ものニューヨーカーの目撃者たちのあいまに航空機の映像を少しずつ散らばらせては、また別の地点からの航空機のショットに戻していく」ことに着目している。「20年前に同じような事件が起きたとしたら、ずっと(航空機の)映像を追い続けたはずだ」


ニュースの報道手法も変化してきている?

同情の念が、持続した注意を向けることでのみ引き起こされるとするなら、速いカット割りの編集ではこれが妨げられる可能性がある。そうなれば、他者の物語によって心底から感情が動かされる能力が退化するおそれがある。さらには子どもの適切な発達を損なうかもしれず、そうなれば形成過程にある子どもの脳には、生涯にわたる影響が残るだろう。研究をもっと進める必要があるのは明らかだが、この仮説には説得力があるように思える。


確かに危険性は大きいと思う。
テレビ脳 (てれびのう)
テレビ脳 前頭葉の不活性化はヤバイ!
これらを見る限り…

「物事があまりに速く起こると、人は他の人の心理的な状態についての感情を十分に体験しなくなる可能性があり、このことは倫理に影響する可能性がある」と、元々の論文の共著者であるMary Helen Immordino-Yang氏(南カリフォルニア大学)は語っている。


もうすぐ2歳になる息子が、テレビを見せると画面に釘付けとなり、周りからの呼びかけに全く反応しない事がある。実感からしても、素早い画面の移り変わりは、「共感スイッチ」が作動しないままに脳内刺激を与えている印象を受ける。

しかも、画面の切り替わりが早いほど、「その番組の内容なんやった?」と問われてもほとんど何も覚えていない。このような状態が長く続けば、人としての重要な「共感機能」がまともに発達しない、といった可能性は大いにありうる。

我が子にはまともに育ってほしいので、TVを極力見させないようにしている。

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