リビアの反政府勢力が欧米に空爆を要請したとのニュースが流れた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011030300019
空爆などすれば、戦闘に無関係な市民の多くを巻き込むことになる。
いくらカダフィに圧力をかけるためとは言え、何の罪もない住民を無差別に死に至らしめることも厭わない、このような非道な要請を欧米に平気でできる「反政府勢力」っていったいどんな連中なんや?
これは、ネットで集まった市民が起こしたチュニジアやエジプトの革命とは全然違うのではないか?
…と思っていたか、やはりそうらしい。
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http://green.ap.teacup.com/pekepon/345.html(ブログ「人力でGO」さんより引用)
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(全略)現在起こっている暴動は、変化を求める非週休的な若者、によるものではない。エジプトやチュニジアで私たちが見てきたものとは異質のものだ。
「バルカのイスラム首長国連邦」と名乗る武装勢力が多くの人質を取り、警官2名を殺害した。バルカとはリビア北西部の以前の名前だ。2月18日(金)、少し前のことだが、この武装勢力はある港湾都市を襲撃し、4名の兵士を殺し、7千万台の車を盗んだ。軍のある中佐がグループに関与していて、以前からあろうことか大量の武器を彼らに与えていたのだ。武装蜂起はベンガジの東部の町から始まった。イタリアの外相が「ベンガジのイスラム首長国が独立を宣言するのではないか」と不安をあらわにした。
ここで、一体どこからこの突然の武装蜂起はもたらされたのか、という疑問が起こる。
この武装勢力に何十年も前から資金を提供していたのがアメリカだ。リビアを征服しようと機会をうかがっていた彼らが、チャンスとばかりに行動を開始したのだ。最近リビアで数多くの略奪や破壊工作をしてきた一派が逮捕された。外国籍のものが何十人も含まれていたことがわかった。リビア政府は「イスラエルとの関連を排除できない」と語った。
英国もリビアのアルカイダの分派に資金を提供していた。カダフィ暗殺を狙って。リビアの最大反政府勢力は「リビア救国国家最前線」(リビア救国フロント)である。この反政府勢力に資金を出しているのは、サウジアラビア・CIA・フランス諜報局である。この一派は他の反政府勢力と合体して「リビア野党国家会議」を結成した。2月17日「怒りの日」と叫んでリビアを混迷に陥れたのはこの組織であった。
彼らはこの武装蜂起を長年カダフィ支配に反対してきた保守的な都市ベンガジで起こした。注目すべきことは、「リビア救国国家最前線」(リビア救国フロント)は十分に武装されている、ということだ。
(中略)
いま繰り広げられているリビアの激しい内戦をチュニジアやエジプトの革命と同一視してはいけない。
後者の革命は食糧不足と貧困から起こった平和なデモである。腐敗した政府への抵抗である。
リビアの混迷は部族間の闘争を含んでいる。原油の争奪戦が絡んでいる。ベンガジ周辺のリビア東部が彼らの本命なのだ。過激なイスラム反政府勢力。遠く外国で西側諸国からの支援を受け政権転覆を狙っている亡命者組織。彼らが一般民衆にまぎれて暴動を過激化している本体なのだ。(後略)
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反米の旗手であったカダフィが、イラク戦争以降(特に、2006年“テロ支援国家指定”が解除されて以降)、急におとなしくなり欧米と妥協していった事も、実に不思議だった。
おそらく、他の部族を抑え込むための武器の提供を条件に、原油の利権を切り売りしていったのではないのか?現在、反政府勢力を弾圧するために使っている兵器は、主にイギリスとアメリカから購入したものらしい。
↑これは、カダフィに反政府デモへの空爆を指令され、それに背いて亡命した兵士の戦闘機だが、こんな戦闘機をなんでカダフィが持ってる?欧米から購入したとしか思えない。
参照:フィデル・カストロ「NATOの避けられない戦争」(3月3日)
カレイドスコープ 欧米主流メディアの信じられないリビア偏向報道
確かに、マスコミの報道だけを見ていると、カダフィは「砂漠の狂犬」そものののようにしか思えないが、今回和平交渉を提案して蹴られたあのベネズエラのチャベスも、日本のマスコミには同様の扱いだが、実際は彼は民衆に支持されている為政者のようである。
2002クーデター、裏にアメリカの影:3選ベネズエラのチャベス大統領
少なくとも、リビアの内戦をチュニジアやエジプトの民衆革命と同一視するのは誤りだろう。
米軍は、最新鋭の装備を携えて、相当な規模でリビア近郊に配備された。いつものように「平和維持のため」などと欺瞞を垂れ流しているが、リビアの部族間闘争に乗じて石油の利権でも狙っているのではないのか?
カダフィに武器を買わせ、さらに反政府勢力にも資金や武器を提供して、リビアの部族間闘争を煽っておいて、「平和維持のため…」とはまったく笑わせる。
両方の勢力に武器を渡して内戦を起こさせて漁夫の利を狙う、という手法を、欧米の金貸し連中は、世界のあらゆる場で、大航海時代以降ずっと繰り返してきた。今回のリビア内戦もその文脈の一部なのだということを忘れてはならない。
カダフィを「狂った独裁者」としてマスコミと一緒に非難するのは簡単だ。だが、このリビア情勢の報道は、しっかりと事実を検証しながら見ていく必要があるだろう。