竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

「力持ちの五郎宗」 in 東吉野・その1

2010年08月31日 | 日記
毎日、暑いですね!

今日はローカルな村の英雄「五郎宗」の話を紹介しよう!
この話を聞いて、暑さを吹き飛ばそう!?

東吉野村にはこんな力持ちがいたそうですよ!


五郎宗の竹百本

 むかし、平野に、田中五郎宗いう男がおってん。
この辺の人は、だれもかれも力が強いのに、
五郎宗だけは、若いときから力が弱かってんて。
それで、(わしもひとつ、もうちょっと力強うならなあかん)
と思うて、高見山へ日参して、願かけしたそうや。
五郎宗は毎日、竹一本ずつ持って高見山へ登っていってん。
百日目の満願の時、竹が百本になった。
ほしたら、最初の日は一本の竹でも重かったのが、
百日目には百本の竹たばねて、持つことができてんと。

 五郎宗は、その百本の竹を、ぐっと背たろうて帰ってきたところが、
足が地面へめり込んで歩けへん。力もあるし、
竹も重いし。ほんで、これではいかんと思うて引き返して、
 「時と場合によって、その、敵の倍の力を授けてください。
 その間では、もう力いりません」
て、高見山にお願いして、帰ってきたそうや。
それから、五郎宗の活躍が始まるわけや。


原話:竹原威滋・丸山顕徳編『東吉野の民話』 
語り手:上野善一(東吉野村平野)
再話:村上郁          不許転載


最新の画像もっと見る

コメントを投稿