えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

:知らないことは調べるままに『九日~Nine Sols~』

2024年08月10日 | 雑記
*作品のネタバレが記載されています。未プレイの方はご注意ください。

 何だかんだとやられ続けながらもラスボスを討ち取ることに成功した『九日~Nine Sols~』はパソコンのみの展開であることが惜しいゲームだ。今後PSやSwitchなどのコンシューマーに移植する話もあるらしいが、具体的な予定などは発表されていない。話の深さに対してゲームは短めで周回もしやすく、有志によるMODでボスだけと戦い実力を磨くものもあるらしい。それはプレイしてみたいが、私のプレイ環境はあまり良くないので黙々と周回を続けている。最初よりは死ななくなったと思いたい。
 現在は似たようなゲームをプレイしているが、比較すると前回の日記で指摘した『九日~Nine Sols~』の親切さが痛いほどよく分かる。特に前回書き忘れていた中に、マップのアイテムの個数が全て分かるという機能がある。取り逃しの数をすぐ確認出来るので、無意味な探索はほぼ不要だ。とはいえ別のゲームの方は一マップを切り分けることで対策しているので、そこまで極端な差は感じないものの、アクションに集中させるために探索へ余計なストレスをかけさせないという工夫がありがたい。
 インターネットでは再生数がそこそこのYou tuberくらいしか日本人の実況動画はなく、なぜだろうなぜだろうと考えながら自分が楽しめた理由を振り返ると、なんとはなしに元ネタの神話や古典に親しむ度合いが問題なのではないかと思った。私は羿の神話や登場人物の一部の名前を中国の古典文学や志怪小説などから知っていたので、換骨奪胎のうまさを楽しみながら遊ぶことが出来たが、たとえば主人公羿の逸話でありゲームタイトルの『九日』の基である「后羿射日」神話の「十の太陽のうち九つを射落とし、一つだけを残した」という点を初めから知っているかいないかでは物語の緊張感が異なるのではないだろうか。「太陽」が一つしか残らないのであれば、その「太陽」は果たして何なのだろうか、という謎を解くために私は冒険を進めていたが、このゲームにおいて「太陽」という言葉には複数の意味が与えられている。そこを理解した上で「太陽は一つ残る」ということを振り返ると、最後の場面に至るまでの羿の冒険の意味を知ることができるのではないだろうか。
 意味を説明してしまうとエンディングの重要なネタバレをしてしまうことになるので口をつぐみたいが、このゲームに触れる人は増やしたいという気持ちもある。けれども話を全て説明してしまうと面白さが半減する。広めることの難しさを痛感する次第。さて、三週目を始めるとしよう。

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